【魚の冷凍方法を解説!】保存期間と解凍方法をご紹介!

買ってきた魚、普段どのように保存していますか。

「魚はその日に使う分しか買ってこない」という人がいれば、「冷蔵庫で保存している」という人もいるかと思います。

そして中には、「冷蔵庫に入れたまま存在を忘れて、気付いたころには傷んでいた…」という人もいるのではないでしょうか。

魚は、買ったその日に使うのでなければ、冷凍保存してしまうことをオススメします。

なぜ冷凍保存をオススメするのか、それは保存期間が延びることはもちろんですが、鮮度や栄養を保つことにも関わってくるからなのです。

こちらの記事では、魚の冷凍方法や解凍方法、冷凍した魚の賞味期限、冷凍魚を使用した簡単レシピなどをご紹介しています。

魚の冷凍保存について、役立つ情報がきっと見つかりますので、ぜひ読み進めていってください。

冷凍した魚の栄養

冷凍した魚の栄養

冷凍保存は、ただでさえ短い魚の保存期間を、格段に伸ばすことのできる便利な方法です。

しかしその反面、「冷凍することで栄養が壊れたりしないのかしら?」という疑問を抱いたことはありませんか。

こちらでは、そうした疑問に解凍すべく、「冷凍することで魚の栄養価はどうなるのか」ということについてお話しします。

冷凍保存では栄養価の変化しない

結論からお話しします。

冷凍保存をしても、魚の栄養価は変化しません。

以下で、詳しく説明していきます。

まず、食材の中には、酵素や微生物が存在しています。これらは、食材の収穫後も活動を続けます。そして、食材を劣化させ、栄養価を下げてしまいます。

食材を常温で放置しておくと、色が変わったり、腐ったりすることがあります。それは、こうした酵素や微生物の働きによるものなのです(その他にも、酸化や乾燥といった要因もあります)。

では、冷凍保存した場合はどうなるのでしょうか。

一般的な家庭用の冷凍庫内は、大体-18℃程度に保たれています。

この温度では、酵素や微生物が活動を停止してしまいます。つまり、食材の劣化が起きません。ということは、栄養価が失われることもないのです。

このような理由から、「魚を冷凍しても栄養価は変化しない」と言えるのです。

鮮度を保つポイント

冷凍することで、酵素や微生物などの内側からの劣化は防ぐことができます。

しかし、冷凍保存も万能ではありません。今度は外側から、酸化と乾燥が進行していきます。

魚を冷凍するときに、水分残っていたり、空気に触れている面があったりすると、そこから酸化や乾燥が進行してしまいます。

酸化した食材は、白っぽくなり、著しく味が落ちてしまいます。乾燥した食材は、解凍してもどこかパサついた食感が残ってしまいます。

こうならないために、魚を冷凍する際には、以下の2点に気を付けてください。

1.水分をよくふき取る
2.ラップは隙間なくぴっちり包む

魚の冷凍方法

ぶりの冷凍保存

読んで字のごとく、魚を生のまま冷凍する方法です。

1尾丸ごと冷凍する他にも、三枚におろす、ぶつ切りにする、切り身の状態でなど、様々な手段があります。

生のまま冷凍する場合は、買ってきたらすぐに内臓やわたを取り除くことが大切です。これは先ほども書いた通り、魚は内側から傷んでいくケースが非常に多いためです。

内臓を取り除いたら、丁寧に水気をとり、ラップで隙間なくぴっちりと包みましょう。水分や空気に触れさせないことで、食材を酸化・乾燥から守ることができます。

下味をつけて冷凍

さばの冷凍保存方法

醤油や酒、みりんなどの下味をつけてから冷凍する方法です。

フリーザーバッグに、魚と調味料を一緒に入れ、余分な空気を抜いて冷凍しましょう。

以下に、下味のパターン例をご紹介します。

・醤油+酒+みりん
・塩+こしょう
・酒粕
・味噌

あらかじめ下味をつけておくことで、調理時間の短縮も図れる、とても便利な方法です。

加熱してから冷凍

さんまの冷凍保存

塩焼きにする、かば焼きにする、煮魚にするなど、加熱調理してから冷凍する方法です。

あらかじめ調理を済ませて冷凍してしまうため、疲れているときなど、時間と手間をかけたくない時に非常に役立ちます。

また、サケやアジなら、塩焼きにしたものをほぐし、フレーク状にして冷凍することができます。フレーク状にして冷凍しておけば、お弁当の数や手作りふりかけの具として重宝します。

【塩焼きの場合】

粗熱を取ったら、ラップでぴっちりと包んで、フリーザーバッグに入れて冷凍してください。

【かば焼き・煮魚の場合】

粗熱を取ったら、たれや汁ごとフリーザーバッグに入れ、そのまま冷凍してください。

すり身にして冷凍

すり身にして冷凍

魚をすり身にして冷凍しておく方法です。

包丁やフードプロセッサーで細かく刻み、フリーザーバッグに入れて冷凍します。

あるいは、いくつか小分けにしてラップで包んでおけば、必要な分だけ解凍できます。

冷凍魚の解凍方法

冷凍魚の解凍方法

【こちらの項目を読む前に】

冷凍食材を解凍するときに、食材から液体が出てくることをドリップと言います。ドリップとは、ただ水分が漏れているわけではありません。実は、食材に含まれる、栄養やうまみも一緒に流出しています。

冷凍食材の解凍では、この「ドリップ」をいかに少なく抑えられるか、ということがポイントになってきます。

冷蔵庫解凍

冷蔵庫に移して、じっくり時間をかけて解凍する方法です。

解凍する食材の厚さにもよりますが、夕方に使うのであれば、その日の朝のうちに冷蔵庫に移してしまいましょう。

解凍に時間がかかりますが、その分ドリップが少ないため、栄養やうまみの損失を防ぐことができます。

調理まで時間があるなら、冷蔵庫解凍を選んでおけば間違いないでしょう。

流水解凍

フリーザーバッグごと流水に当てて解凍する方法です。

冷蔵庫解凍よりも早く解凍でき、そんなに厚くないものなら、20~30分で解凍できます。

ただし、夏場などは周囲の温度が高いため、解凍しすぎになる恐れがあります。

解凍しすぎてしまうと、ドリップが多めに出てしまい、貴重な栄養やうまみが流れ出てしまいます。

流水解凍をする場合は、よく食材を観察しながら行うことをオススメします。

氷水解凍

ボウルに氷水を張り、フリーザーバッグごと浸して解凍する方法です。

氷水に浸しているため、食材を0℃に近い温度で解凍できます。

流水解凍よりも解凍に時間がかかりますが、その分、ドリップを少なく抑えられるというメリットがあります。

電子レンジ解凍

電子レンジの解凍モードを使用する方法です。

ボタンを押して放置するだけですから、手間いらずで、急いでいるときに重宝します。

電子レンジで解凍する場合は、冷凍庫から出してすぐのものを解凍するようにしてください。

といいますのも、電子レンジには、固体よりも液体に強く反応します。食材の一部分が解けだしていると、その部分だけが集中的に加熱され、解凍ムラが起きてしまうのです。

ですので、電子レンジを使用する際は、完全に凍っている食材を使ってください。

凍ったまま調理

凍った食材をそのまま調理してしまう方法です。

解凍にかかる時間や手間が一切ないため、積極的に活用したい方法です。

下味をつけて冷凍したものを煮たり、生のまま冷凍したものを焼いたりする際に使用すると良いでしょう。

冷凍した魚の賞味期限

冷凍した魚の賞味期限

冷凍した魚は、冷蔵庫で保存した場合よりも格段に長い期間保存することができます。

「どのくらい保存できるのか」については、冷凍方法によって若干変わってきますので、以下を参考にしてください。

【生のまま or すり身にした場合】

2~3週間が保存期間の目安です。

青魚と赤身魚は変色が起こるため、1週間以内での使用をオススメします。

【下味をつけた or 加熱した場合】

3~4週間が保存期間の目安です。

上記の期間は、あくまで目安です。もし見た目やにおいに異変があった場合は、上の期間内であっても、食べるのを控えてください。

冷凍魚を使った簡単レシピ5選

イワシのつみれ汁

☑材料(2人分)
・冷凍イワシ(つみれ) 120g
・長ネギ 30g
・大根おろし 大さじ2
・大根の葉 20g
・しょうが 少々
・だし 2+1/2カップ
・醤油 小さじ2
・塩 適量

<作り方>
1)長ネギは小口切りに、大根の葉は刻み、しょうがは千切りにします。
2)鍋にだしをいれ沸騰させ、全ての具材と調味料を入れます。
3)つみれに火が通ったら完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存


★イワシを解凍する必要はありません。
★長ネギ、大根おろし、大根の葉、しょうがも冷凍したものを使うことができます。

タイのカルパッチョ

☑材料(2人分)
・冷凍タイ(カルパッチョ用) 100g
・オクラ 2本
・玉ネギ 5g
・イクラ 大さじ2
・オリーブオイル 小さじ2
・レモン汁 小さじ2
・醤油 小さじ2
・パセリ 少々

<作り方>
1)カルパッチョ用に冷凍したタイを解凍しておきます。
2)オクラは茹でたものを輪切りに、玉ネギはみじん切りにしておきます。
3)タイ、オクラ、玉ネギ、イクラをお皿に盛り付けます。
4)上からオリーブオイル、レモン汁、醤油を回しかけ、最後にパセリを振ったら完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

★カルパッチョ用のタイ…お皿にラップを敷き、その上に薄切りにしたタイを盛りつけるように並べます。並べ終えたら、ラップで包み、フリーザーバッグに入れれば冷凍できます。

さんまのガーリックオイル煮込み

☑材料(2人分)
・冷凍サンマ 2尾分
・にんにく 20g
・鷹の爪 3本
・ローリエ 1枚
・ブラックペッパー 少量
・塩 適量
・オリーブオイル 1カップ

<作り方>
1)冷凍サンマは解凍せず、ぶつ切りにしておきます(ぶつ切りにしたものを冷凍すると楽です)。
2)鍋にオリーブオイルを入れ、薄切りにしたにんにくと鷹の爪を入れて火にかけます。香りが立って来たらローリエとブラックペッパーを加えましょう。
3)サンマを加え、塩で味を調えます。
4)15分ほど煮込み、サンマが柔らかくなって来たら完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

サバの柚子味噌煮

☑材料(2人分)
・冷凍サバ 1尾
・柚子のしぼり汁 1/2個分
●味噌 50g
●酒 50ml
●みりん 50ml
●醤油 20ml
●しょうが 1/2かけ
●砂糖 大さじ1
●だし 100ml

<作り方>
1)冷凍サバを解凍し、2枚におろして、さらに半分の長さに切っておきます。
2)熱したフライパンに●の調味料を入れ、(1)のサバと柚子のしぼり汁を加えます。
3)サバに火が通ったら、器に盛り付けて完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

★ゆずの皮を千切りにして、上から散らすと色合いが出ます。
★あらかじめ、サバに●の調味料(だしを除く)を下味としてつけて冷凍すれば、調理時間を短縮することができます。

ブリの照り焼き

☑材料(2人分)
・冷凍ブリ(下味付き) 2尾
・大根 100g
・しょうが 少々
・サラダ油 小さじ2

<作り方>
0)あらかじめ、ブリに下味(※)をつけて冷凍して置くと良いでしょう。
1)冷凍ブリを解凍し、輪切りにした大根と一緒に、フライパンで両面焼きます。
2)ブリの漬け汁を加え照り焼きにします。
3)ブリを器に盛り、漬け汁を煮詰めて、上からかけましょう。最後に細切りにしたしょうがを加えたら完成です。
※切り身2切れに対し、酒小さじ2、砂糖小さじ1、しょうゆ小さじ1、みりん小さじ2、しょうが(千切り)1かけ分を加えます。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

まとめ

魚の冷凍方法・解凍方法についての記事はいかがでしたか。

解凍後も魚の鮮度を保つためには、2つのポイントがありました。
1.水気をよくふき取ること
2.ラップでぴっちり包み空気に触れさせないこと

冷凍方法は以下の4種類あり、
1.生のまま冷凍
2.下味をつけて冷凍
3.加熱してから冷凍
4.すり身にして冷凍

解凍方法では以下の5種類を紹介しました。
1.冷蔵庫解凍
2.流水解凍
3.氷水解凍
4.電子レンジ解凍
5.凍ったまま調理

魚は上手に冷凍保存すれば、冷蔵保存とは比べ物にならないくらい長期間保存ができます。ぜひ、今回の方法を参考に、魚を冷凍してみてください。

この記事の監修者

富山 知樹

ARTLOCKラボ マネージャー/管理栄養士/調理師
富山 知樹

フランス料理に魅了され、料理の世界へ。渡欧し二つ星レストランで修行。帰国後も日本のレストラン、会員制ホテルにて前菜・メイン・パン・デザートなどの部門を担当しつつ研鑽を積む。食による社会貢献や課題解決のため管理栄養士の資格をとり、現在はデイブレイクにて食×冷凍の研究を行うラボチームマネージャーを担当。

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