【保存期間が格段に延びる!】真空冷凍するべき理由とは
食品を保存する際に少しでも保存期間が延びれば!と思ったことはありませんか?
保存期間が延びれば、品質の良い状態を長期間保つことができるので、業務用として、コストの削減、徹底した品質管理ができるようになります。
特に食品を冷凍保存する必要がある、飲食店や食品加工場、食品メーカーなど、様々な場所で必要とされています。
一番いい方法は、冷凍する際に空気に触れさせないこと、つまり真空にすることで、品質劣化を抑えることができ、長期間の保存ができるようになります。
酸化、乾燥、細菌の増殖を抑制し、冷凍保存する場合には冷凍焼けを防ぐことができます。
ご家庭でも同様の効果を出すことができますのでその方法をご紹介したいと思います。
目次
真空にすることで品質劣化を抑えられる理由
真空にするとは、保存容器や保存袋から空気を抜き、密閉にすること。一般的には真空パック、真空包装と呼ばれています。
肉類、魚介類、野菜、調理品など食品をそのままの状態で置いておくと、どんどん傷んでしまい、劣化、腐敗してしまいます。
その原因は空気にあります。真空にすることで、品質劣化を招く3つの原因を抑えることができます。
酸化を抑えることができる
食品は空気に触れていると酸化し、風味や美味しさが失われてしまいます。酸化は、空気中の酸素と結合する、また酵素の働きにより、食品中の成分が変質することで起こります。
例えば、リンゴの皮をむき置いておくと、酸化によって茶色く変色します。
食品が酸化すると、美味しさだけではなく栄養素も失われ、品質が劣化してしまいます。空気に触れさせないことで、酸化を抑えることができます。
細菌の増殖を抑えることができる
食品の腐敗は細菌が繁殖、増殖することで起こります。細菌の活動を抑えることができれば、腐敗を防ぎ品質の良い状態を維持することが可能。
細菌は酸素がなければ増殖することができないので、真空にすることで細菌の活動を抑えることができます。
乾燥を抑えることができる
食品中の水分が蒸発して乾燥すると、風味や食感が落ちてしまいます。空気に触れさせないことで、食品中の水分を逃さないようにすることができます。
逆に、干物など乾燥した食品が湿気るのを防ぐこともできます。
このように、品質劣化の原因である、酸化、細菌の増殖、乾燥を抑えることができるので、品質の良い状態を保つことができます。
真空パックは冷蔵保存、常温保存する際にも使われていますが、冷凍保存する際に活用されています。冷凍すると、酵素の働きを抑え、細菌の増殖を防ぐことができるので保存期間は延びます。
しかし、臭い移り、冷凍焼けなどを起こしてしまい、品質の良い状態を維持することは難しいです。
冷凍焼けとは、肉などを冷凍庫に長期間入れておくと焼かれたような状態になり味が落ちてしまうこと。冷凍焼けも、冷凍庫内の空気が原因で起こります。
冷気に直接触れると、食品中の水分が抜け乾燥してしまいます。空気に触れないよう、真空状態にすることで冷凍焼けを防ぐことができ、美味しさを保持することができるようになります。
真空にすることで保存期間を格段に延ばすことが可能
真空にすることで品質劣化を抑えることができるので、保存期間を延ばすことができます。
保存する食品によって保存期間は異なりますが、目安として冷蔵の場合は1.5倍近く保存期間が延びます。
冷凍の場合は2~5倍も保存期間を延ばすことが可能。特に真空にして冷凍すると、冷凍焼け、油焼け、変色などを防ぐことができるので、保存期間が格段に延びます。
真空にすることで品質劣化を抑えることはできますが、冷蔵や常温での保存となると、どうしても劣化は進みます。食品を長期間保存させたい場合は、冷凍することが望ましいです。
とは言っても、保存させたい食品によっては、常温が良い食品、生野菜などのように冷凍に向いていない食品もあります。ですので、食品に合わせて、最適な温度で保存することが重要です。
肉、魚、野菜を真空にしたときの保存期間
真空にすることでどのくらい保存することができるようになるのか、食品ごとに見ていきたいと思います。
【牛肉・鶏肉・豚肉】
通常の冷蔵保存で3日間保存することができる肉類の場合、5日間保存することができるようになります。
冷凍した肉類においては、通常の保存期間は4ヶ月ほどですが、真空にすることで1年間保存することができます。
【魚】
鮮度によって日持ちは異なりますが、冷蔵で3日間保存できる魚の場合、5日間保存することができます。
冷凍した魚の場合、通常6ヶ月保存することができますが、真空にすることで2年間保存することが可能。
【野菜】
鮮度や種類にもよりますが、通常の冷蔵で1週間保存可能な野菜の場合、真空にすることで2~3週間保存することができます。
【乾燥肉や乾燥魚】
常温での通常の保存期間は6ヶ月ですが、真空にすることで湿気るのを防ぎ、1年間保存することができます。
【豆・アーモンド】
常温での通常の保存期間は6ヶ月ですが、真空の場合1~2年保存することができます。
【ジャムやコンポートなど】
果物を煮たものは、冷蔵で約30日間日持ちしますが、真空にすることで90日間保存することができます。
【煮込み料理やスープなど】
冷蔵での通常の保存期間は3日間ですが、真空の場合7日間保存することができます。
食品の冷凍保存に最適、真空パックの活用事例
真空パックして保存する方法は、飲食店や食品加工場、食品メーカーなど様々な場所で活用されています。
特に冷凍保存する場合、品質の良い状態を長期間維持することができるので、コストの削減、徹底した品質管理などの面でメリットがあります。
そこで、真空保存の活用事例を3つご紹介したいと思います。
人件費の削減
飲食店において、一度にまとめて作り真空パックして冷凍保存することで、人件費の削減につなげることができます。空いている時間に調理して保存したものを、忙しい時間帯や忙しい曜日に提供することが可能。
少ない人数で営業することができ、また、早朝の作業や深夜の作業を昼間に前倒しで行うことができます。
事前調理を行うことで計画的な生産が可能になり、急な大量注文にも対応することができます。作業を平準化することができ、労働環境の改善という側面からもメリットがあります。
ロスの削減
精肉店では、肉類を鮮度の良い状態で長期間保存することができ、品質劣化による廃棄ロスを削減することができます。
食品加工場においても、惣菜や加工品などの商品の賞味期間が延びるので、賞味期限による廃棄ロスを削減することが可能。
また、食材において、まとめて仕入れて購入することができるので、仕入れ値を抑えることができます。コストを抑えて、安全で品質の良い商品を生産することができます。
流通範囲の拡大
食品メーカーでは、真空にすることで保存期間が延びるので、広い範囲に商品を流通させることができます。安全性や品質を守りながら商品を管理し、流通させることが可能。
例えば、生鮮品においては変色を防ぎ、鮮度を守りながら届けることができます。
また、惣菜においては風味を逃さずに、作りたての美味しさを維持することができます。様々な商品開発が可能になり、商圏の拡大につながります。
このように、真空パックして保存する方法は、様々な場所で活用されています。
真空パックは、急速冷凍する際にも使われています。急速冷凍することで、細胞を壊さずに凍結することができるので、鮮度、品質を最大限に守ることができます。
しかし、せっかく品質の良い状態で凍らせたとしても、保存する際に冷気に触れてしまうと、その品質は落ちてしまいます。酸化、乾燥が進み、冷凍焼けを起こします。
ですので、急速冷凍した食品においても真空にして保存することが重要。凍結させてから真空にする方が食品に霜が付きにくいですが、凍結方法や食品によっては真空にしてから凍結させた方が良い場合もあります。
冷蔵、冷凍の場合はもちろん、急速冷凍した場合においても、食品を保存する際には真空にすることが最適な保存方法です。
まとめ
真空にすることで品質劣化を抑えることができ、食品の保存期間を格段に延ばすことが可能になります。
特に、冷凍する際には長期間保存することができるので重宝されますね。
保存方法を見直すことで、よりコストを抑えた生産、徹底した品質管理や安全管理につなげることができます。
保存方法で迷われている方、保存期間を延ばしたい方は、真空にして保存することをぜひ試してみてください。