【家庭で瞬間冷凍を実現】進化する家庭用冷蔵庫の冷凍機能
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「味、食感、品質を落とさずに冷凍したい!」
食品を冷凍する時は、に多くの方がこのように思うのではないでしょうか。
このようなニーズに応えるべく、家庭用冷蔵庫の冷凍機能は高性能になっています。その際、ポイントとなる機能が瞬間冷凍です。
瞬間的に凍らすので、瞬間冷凍と表現されることがありますが、一般的には急速冷凍とよばれる凍結技術です。素早く凍らすことで、品質を落とさずに冷凍できます。
さまざまなメーカーが、品質の良い冷凍を目指して開発を進めています。三菱の瞬冷凍やパナソニックのパーシャル冷凍など、優れた冷凍機能を搭載している家庭用冷蔵庫が発売されています。
どのような冷凍機能なのかご紹介するとともに、より品質の良い冷凍ができる業務用の急速冷凍機をご紹介します。
目次
-7℃で冷凍!三菱の瞬冷凍機能
食品を冷凍すると保存期間が延びるので便利ですが、品質が落ちてしまうというデメリットがあります。冷凍によるダメージを防ぐために重要なことは、素早く凍らすこと。
ゆっくり凍結させると、食品内の水分が氷に変わる際に氷の結晶が大きくなり、細胞を破壊してしまいます。
そして、破壊された部分から旨味成分とともに水分が流れ出し、品質が劣化します。ですので、冷凍機能の開発においては、素早い凍結に重点が置かれています。
三菱の瞬冷凍機能において注目したいのが、過冷却。
過冷却を応用することで、食品を一気に凍らすことができ、細胞破壊を防ぐことができます。また、温度においても特色があり、-7℃という完全に凍らない温度に設定されています。 過冷却と-7℃の温度設定によって、高品質な冷凍ができ、調理する際に使いやすいというメリットがあります。
過冷却を応用
過冷却とは、水が凍結する温度でも凍らない状態のこと。
水の凍結は、水分子が結合し、氷核が形成されることで起こります。
静かにゆっくり温度を下げていくと、安定した状態になり水分子の結合が起こりません。すると、氷点下になっても液体の状態を保ちます。
そして、小さな振動や衝撃を与えると水分子が一斉に結合し、一気に凍ります。その際、多数の氷核を形成するので、氷の結晶を小さいまま凍結させることができます。
過冷却を応用して食品を冷凍することで、氷の結晶の成長を抑え、細胞の破壊を防ぐことが可能。その結果、品質の良い状態を保つことができます。
過冷却状態を実現させたのが、さまざまなエアコン製品にも応用されている、気流制御と温度コントロール機能です。
冷風が直接当たると、当たっている表面が冷やされ氷核ができてしまいます。冷風が食品に直接当たらないよう気流を制御することで、食品全体を均一に冷やし、氷核の形成を防ぎます。
また、赤外線センサーによって、食品の内側と外側の温度を均一になるようコントロールし、冷凍庫内の温度をどの場所においても一定に保ちます。
このように、気流制御と温度コントロールによって食品を安定した状態で冷やせるので、過冷却状態を作りだすことができます。
-7℃で冷凍
通常の冷凍庫の温度である-18℃ではなく、-7℃で凍らすことで完全に凍らない状態になります。完全に凍らないので、冷凍による品質劣化を防ぐことができ、冷蔵保存よりも鮮度を維持できます。
また、調理時に扱いやすいというメリットもあります。包丁で簡単に切ることができる硬さなので、解凍せずにそのまま調理できます。
まとめて冷凍して、必要な分だけ簡単に取り分けて使うことが可能。例えば肉類は、凍ったままの状態で切り分け、使わない分は再度冷凍庫に入れて保存できます。
品質の良いまま長期間保存が可能
冷蔵やチルド保存するよりも、食品の保存期間が延びます。
生鮮食品において、鮮度を維持したまま2~3週間保存させることが可能。
冷凍食品やアイスクリームなど完全に凍らせて保存する食品は、-18℃に温度設定されている別の冷凍室で保存させます。
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-3℃で冷凍!パナソニックのパーシャル冷凍機能
パナソニックの冷凍機能では、素早い凍結のために、従来よりも1.3倍の風量で冷やします。
また、-3℃で冷凍するパーシャル機能が優れているので、品質の良い状態を維持し、保存期間を延ばすことができます。
-3℃のパーシャル機能
パーシャルとは、パーシャルフリージングの略で-3℃で微凍結させる機能のこと。完全に凍らせないので、凍結時の細胞破壊を防ぐことができ、旨味成分の流出を防ぐことができます。 冷凍によるダメージを防ぎながら、鮮度を維持することが可能。傷みやすい生鮮品においても、変わらない品質のまま1週間ほど保存できます。
微凍結なので解凍せずに使うことができ、すっと包丁が入るので、調理する際にも便利です。
保存期間を延ばすことが可能
冷蔵、チルドよりも低温なので、品質劣化の原因となる微生物の活動や酵素の働きを抑えることができます。そのため、保存期間を延ばすことが可能です。
肉、魚などの生鮮品の場合、冷蔵で約3日、チルドで約4日、パーシャルならば約7日保存できます。
ソーセージなどの加工品の場合、冷蔵で約7日、チルドで約10日、パーシャルの場合約14日保存可能。
カレー、ミートソースなどの調理品の場合、冷蔵で約3日、チルドで約4日、パーシャルで約5日保存できます。
冷凍しても高品質!業務用の瞬間冷凍機能
家庭用の冷蔵庫の冷凍機能は高性能になっていますが、完全に凍らせてしまうと冷凍前の品質を維持できません。
しかし、業務用の急速冷凍機は冷凍専門の機械なので、品質を落とさずに完全に凍結させることができます。
その理由は、凍結スピードが格段に速く、瞬間的に凍結できること。業務用の急速冷凍機は、食品内の水分が凍る-5℃~-1℃の温度帯を30分以内で通過させるので、氷の結晶をより微細な状態で凍らすことができます。
そのため、完全に凍らせても、冷凍によるダメージから守ることができます。生鮮品から調理品までさまざまな食品を品質の良い状態のまま凍結させ、長期間保存することができます。
急速冷凍にも多様な凍結方法があるので一部をご紹介します。
エアーブラスト凍結
家庭用冷凍庫のように、冷風を用いた凍結方法です。
-40℃~-30℃の冷風を吹きつけて凍結させます。
小型機から大型機まであり、飲食店、食品メーカー、食品加工場などで導入されています。エアーブラスト凍結機にもさまざまな種類の機械があります。
例えば、アートロックフリーザーは、食材にダメージを与えず、 高品質に冷凍ができる「マイクロウインドシステム」と食材の投入温度や外気温、湿度などに合わせて自動調整する「スマートフリーズ」を搭載しています。
あらゆる食材をどんなタイミングで冷凍しても安定して高品質な冷凍を実現します。
液体凍結
マイナス温度でも凍らない不凍液を-35℃に冷却し、真空包装した食品を漬けて凍結する方法。液体は空気に比べて熱伝導率が高いので、より早く凍らすことが可能です。
液体凍結は、カツオ漁を行う際に広く使われています。カツオは鮮度維持が難しく、一度に大量に水揚げするので、効率よく冷却できる液体凍結が活用されています。 水産加工場などにおいても、液体凍結機の導入は進んでいます。カツオ漁の場合は食塩水、密閉させて凍結させる場合はアルコール溶液が使われています。
液体窒素凍結
液体窒素を食品に噴きつけて凍結する方法です。液体窒素は-196℃の極低温なので、素早く食品を凍らすことが可能です。
取り扱いを間違えると事故を引き起こす危険があるので、管理設備が備わっている大きな食品加工場などで導入されています。
まとめ
生鮮品や惣菜など、美味しい冷凍食品が数多く販売されています。冷凍しても、とれたての品質、作りたての美味しさを維持できるのは、急速冷凍機で凍結させているからです。
とは言っても、業務用の急速冷凍機は高価なので、一般の方が購入することはなかなか難しいです。
しかし、昨今では家庭用冷蔵庫の冷凍機能においても、素早い凍結、使いやすさを重視した開発が進んでいます。
三菱の瞬冷凍機能や、パナソニックのパーシャル冷凍機能など、高性能な冷凍機能が搭載されています。
冷蔵庫を買い替えようとお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。