コンビニが冷凍食品を強化する理由は?商品ラインナップ強化の裏側
コンビニが冷凍食品の販売により力を入れている理由をご存知ですか?
解凍するだけで簡単に食べることのできる冷凍食品。冷凍技術などの進化により美味しい冷凍食品が非常に増えています。現代の忙しい社会人の生活において、その利便性の高さは切っても切れないものとして、多くの人々に支持されています。
特に、コンビニ各社での冷凍食品の取り扱いが増えていますが、これにはどのような背景があるのでしょうか。本記事では、コンビニが冷凍商品を強化する背景や大手コンビニの冷凍食品戦略などを解説します。
目次 [非表示]
コンビニが冷凍食品を強化する背景
コンビニが冷凍食品の取り扱いを増強している背景には、日常の消費者ニーズの変化と、経営戦略上の必要性が絡んでいます。近年、家庭での食事の機会が増え、そのなかで調理済みの冷凍食品への需要が急増しました。
特に、コロナ禍の影響で外食を控える動きが見られるなか、手間をかけずにおいしく食事を取ることができる冷凍食品が注目されるようになりました。
コンビニ各社が冷凍食品を強化する理由
コンビニが冷凍食品の取り扱いを強化する背景には、2つの大きな要因があります。
1つ目は、コロナ禍による消費者の行動が変化したことです。多くの人々が外食を避け、家での食事を好むようになった結果、調理済の冷凍食品や炭水化物系の商品への需要が急増しました。
2つ目は、冷凍技術の進歩です。近年の技術革新により、冷凍食品も鮮度と栄養価を維持しながら、よりおいしく提供できるようになりました。
冷凍技術の進歩により、これまでは難しかったプロの料理人が作る味を再現することも可能になっています。例えば、プロの料理人とコラボした冷凍食品は、手軽ながら本格的な味が楽しめるとして人気です。
冷凍食品の拡大に向けたコンビニの戦略
コンビニ各社は、冷凍食品市場の拡大を見据えて、それぞれ独自の戦略を展開しています。各社は、消費者のニーズに応えつつ、食品ロスの削減も視野に入れて取り組んでいる状況です。
例えば、セブンイレブンやローソンでは、自社ブランドの冷凍食品を強化し、ラインアップを充実させています。
一方、ファミリーマートは調理済冷凍食品に特化し、消費者の手間を省く商品展開に注力しています。さらに、物流の効率化を図るため、冷凍弁当の提供を進めていることも注目される点です。
コンビニ冷凍食品の具体的強化内容
セブンイレブンでは23年上期、冷凍食品の売上が19年比1.5倍となりました。冷凍食品の需要が膨らんでいく中、各コンビニは、冷凍食品の売上拡大に力を入れています。
コンビニ各社は独自の強化内容で差別化を図っているのが現状です。ここでは、大手コンビニ3社がどのように冷凍食品の強化を図っているのかを解説していきます。
おつまみとスイーツにこだわるローソン
ローソンは、国内の各店で冷凍食品の品ぞろえを増やす予定です。
そのなかには、解凍せずにすぐに楽しめる冷凍のスイーツや、容器のまま電子レンジで温められるご飯や麺、カット不要の刺身や馬の生肉、冷凍のパンなど、全部で12の商品が含まれます。
さらに、コンビニ初の試みとして2023年8月~11月に冷凍おにぎりの実験販売も開始しました。これは、配送の効率化を狙った施策です。
工場から店舗まで冷凍状態を保つことで、配送のタイミングと頻度の自由度が高まります。ローソンは、冷凍技術を駆使して「おいしさ」と「効率性」の両立を進めているのが特徴です。
これらの取り組みの背後には、新型コロナウイルスの影響で外出を避ける動きが強まり、一度の訪問でのまとめ買いや、長期保存が可能な冷凍食品への興味が高まっている事情があります。
また、リモートワークが増えたことも、自宅で手軽に食べられる冷凍食品への需要を高める要因の一つとなりました。
また、ローソンでは「コロナで定着したライフスタイルは今後も継続する」と考えています。2021年度中には、約800の店舗で商品の配置を見直し、取扱商品数も約110種類に増やしました。
ローソンは、これからも冷凍食品の品ぞろえを中心に拡充し、2025年度に向けて売上を5倍(対2020年比)にする目標を掲げています。
有名飲食店とのコラボ商品が豊富なセブンイレブン
セブンイレブンは、その冷凍食品のラインアップでほかのコンビニと一線を画しています。特に、有名飲食店とのコラボ商品が豊富な点は大きな特徴です。
例えば、人気の「金のマルゲリータ」は中目黒のピザ専門店「da ISA」のシェフとコラボしており、クオリティが非常に高いと評判になっています。
ほかにも、「一風堂トムヤムクン豚骨ヌードル」や「金の蟹トマトクリーム」も、レベルの高いコラボ商品です。コラボ商品は、いずれもセブンイレブン独自の冷凍技術により、外食で味わえる品質を保っているため、自宅で手軽においしく楽しめます。
2023年度上期は、2019年上期と比較すると販売金額で約1.5倍の伸びを見せています。
2023年10月からは、イトーヨーカドーと共同開発した新商品の冷凍鍋「EASE UPお鍋でグツグツ肉うどん」を投入し、さらなるテコ入れを図っている状況です。
一食完結型が目立つファミリーマート
ファミリーマートは、ご飯とおかずがセットになったプレート型の「一食完結」商品を強化しているのが特徴です。
時短志向の消費者に向け、メインディッシュと副菜がバランスよくそろった商品が人気を集めています。調理の手間を省きながら、メニューのバリエーションを広げられるのが魅力です。
同社のPBブランド「ファミマル」の派生ブランド「ファミマルPREMIUM」は、素材や製法にこだわる商品展開が特徴で、冷凍食品もラインナップしています。
動きは、昨今における冷凍食品の高品質化の流れに乗っているといえるでしょう。
コンビニ冷凍食品の市場規模と売上
冷凍食品市場は、拡大の一途をたどっており、そのなかでもコンビニの売上は注目されています。
実際に、コンビニの各社ではどの冷凍食品が売れ筋なのでしょうか。ここでは、コンビニ3社の売れ筋冷凍食品や、スーパーマーケットとの市場規模の比較について解説します。
コンビニ3社の冷凍食品売上ランキング
フェリカネットワークスの「IDレシートデータ」から、2023年春期における大手3社の冷凍食品の売上ランキングを紹介します。
セブンイレブンの冷凍食品売上ランキングは、以下のとおりです。
1. セブンプレミアム たこ焼 6個
1. 加ト吉 SIPさぬきうどん 2食 400g
3.味の素 7プレミアム焼き餃子 5個
4.セブンプレミアム 牛ホルモン焼き 袋100g
5.セブンプレミアムゴールド 金のボロネーゼ 1人前
参考:【2023年 最新版】コンビニの人気冷凍食品ランキング30選〜セブンイレブン編〜|IDレシートBIツール | FeliCa Networks
ファミリーマートの冷凍食品売上ランキングは、以下のとおりです。
1.日清食品 FM もちっと食感の汁なし担々麺
2.ファミリーマート お母さん食堂 麺屋こころ 台湾まぜそば 袋340g
3.ファミリーマート 1/3日分の野菜が摂れる!五目あんかけ焼そば 袋390g
4.ニチレイ FM若鶏の唐揚げ 160g
5.テーブルマーク ファミマル コシにこだわり! うどん2食 200gx2
参考:【2023年 最新版】コンビニの人気冷凍食品ランキング30選〜ファミリーマート編〜|IDレシートBIツール | FeliCa Networks
ローソンの冷凍食品売上ランキングは、以下のとおりです。
1.ハッシュドポテト
2.キンレイ 天下一品監修 ラーメン 1食
3.ローソン L marche(エル マルシェ) とろ~りたこ焼 6個
4.ローソン 胡麻が濃厚汁なし担々麺 1食
5.ローソン L marche(エル マルシェ) ジューシー焼餃子
5.ローソン カカオ香るガトーショコラ
5.ローソン 海老ピラフ 1袋
参考:【2023年 最新版】コンビニの人気冷凍食品ランキング30選〜ローソン編〜|IDレシートBIツール | FeliCa Networks
各社ともに総菜系や麺類が人気で、すぐにその場で食べられる商品が好まれていることがうかがえるランキングです。このようなコンビニの冷凍食品開発において、各社が手掛ける高品質のこだわり商品を実現するためには、急速冷凍技術が不可欠です。中でも当社がお勧めしたい「アートロックフリーザー」は、あらゆる食材の冷凍に対する汎用性が高く、出来立ての料理を熱いまま丸ごと冷凍する技術も強みです。
コンビニのような多品目食材の冷凍食品を扱う業態と相性が良いため、急速冷凍機導入の際はぜひご検討ください。
スーパーマーケットとコンビニ冷凍食品の売上を比較
2023年2月に行った一般社団法人日本冷凍食品協会の「“冷凍食品の利用状況”実態調査」によると、冷凍食品を購入する場所としては、男女ともにスーパーマーケットと回答した人が9割超でした。
一方、「コンビニで冷凍食品を購入する」と回答した人は、男性で25.3%、女性で15.1%でした。また、若い世代ほど、コンビニで冷凍食品を購入する人は多い傾向です。
このように見てみると、コンビニの冷凍食品は、スーパーマーケットと比較してまだまだ売上を伸ばすポテンシャルがあると言えるでしょう。
顧客ニーズへの対応と冷凍食品のポテンシャル
コンビニの冷凍食品は、顧客のニーズに応えることだけでなく、ほかの要因でもポテンシャルを秘めています。ここでは、コンビニで冷凍食品を取り扱うことのメリットには何があるかを紹介します。
再加熱や調理時間の削減など手軽な冷凍食品の需要
共働き夫婦や単身者の増加にともない、日々の食生活にかける時間を短縮できる冷凍食品の人気が高まっています。
電子レンジで簡単に食べられる商品やすぐに食べられる冷凍フルーツなども、非常にニーズの高い商品です。
調理時間の短縮化はもちろん、味や栄養を落とさないことが大切です。手軽さと品質の両立を図る冷凍食品開発が求められています。
物流の効率化による2024年問題への対応
2024年4月から、トラック運転手の時間外労働に960時間の上限規制が導入されます。
この制度が導入されることで、トラック運転手の労働時間が短縮されるため、物流業界における輸送能力が不足する可能性が高まっている状況です。
コンビニがメインで扱っている賞味期限が短い日配商品は、配送頻度が高く、物流に大きな負担をかけるため、今後運びたくてもドライバーが足りず運べなくなる可能性があると懸念されています。
冷凍食品は、その性質上、日配品のように頻繁に物流に頼る必要がありません。一度店舗に届けられれば賞味期限が長いため、高い頻度での補充は不要です。
つまり、物流の頻度を減らすことができ、物流業界の輸送能力不足による影響を大きく軽減することが可能となるため、冷凍品の比率を増やすことが重要だとされています。
高品質な冷凍食品の製造に必要な急速冷凍機とは
これまでご紹介したように冷凍食品は消費者・販売する会社どちらにもメリットが大きく注目度がより上がっています。
それに加え冷凍技術の進化によりこれまで冷凍できなかった食品も冷凍ができるようになっています。
なかでも「アートロックフリーザー」は、微細な冷気を庫内に充満させる特殊冷凍技術を用いており、食品にダメージを与えません。乾燥や変色、ドロップなどのダメージを防ぎ、出来立てのおいしさや見た目の良さをキープしたままの冷凍が可能です。
急速冷凍機を活用することで、食の多様化を求める顧客に応えるだけでなく、廃棄ロスの削減も実現できます。
まとめ
近年、コンビニでは冷凍食品に力を入れていますが、今後もコンビニの冷凍食品は売上を拡大できる可能性が大いにあります。最新の冷凍・解凍技術も活用することで、さらに顧客ニーズに応えることができるでしょう。
特に、アートロックフリーザーを取り入れることで、品質の高い冷凍食品の提供が可能となります。
アートロックフリーザーは、均一に急速冷凍する独自の技術を搭載しているため、冷凍時にドリップの原因となる大きな氷の結晶の発生を抑制可能です。
この技術によって、冷凍した食品を解凍してもドリップを出すことなく、おいしい状態で提供できます。冷凍食品の売り場拡大をご検討の際は、ぜひアートロックフリーザーの導入もご検討ください。