さつまいもの冷凍保存方法と保存期間、レシピ5選!【写真で解説!】
さつまいもが冷凍できることをご存知でしょうか。
「さつまいも=新聞紙にくるんで常温保存」というイメージが強いため、冷凍保存と聞くとどうしてもマイナーな印象を受けるかもしれません。
しかし、さつまいもは冷凍することにより、常温保存よりも管理が簡単になります。常温保存では、温度や湿度が不適切だと傷んでしまうのですが、冷凍保存にはそうした心配はないのです。
芋ほりやスーパーの安売りなど、さつまいもをたくさん手にする機会は多くあると思います。そうした機会に、これからご紹介する方法を試してみてください。
目次
さつまいもの栄養
さつまいもの栄養価とカロリー
さつまいものカロリーは100gあたり 132kcalです(塊根・生の場合)。
さつまいもはイモ類の中でも水分量が少なく、炭水化物を多く含んでいます。そのため、じゃがいもや里芋など、水分量の多いイモに比べて若干カロリーが高いのが特徴です(参考:じゃがいも:76kcal、里芋:58kcal)。
その他、以下のようなビタミン・ミネラルが含まれています。
【ビタミン】
ビタミンA、E、B1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、パントテン酸、ビオチン、C
【ミネラル】
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン
【その他】
食物繊維
さつまいもの効能
【便通促進・便秘解消】
さつまいもに含まれる食物繊維の多くは、不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は、その名の通り「水に溶けにくい性質」を持った食物繊維です。水に溶けない代わりに、腸内の水を吸収して膨張し、腸壁を刺激して便通を促してくれます。
また、さつまいもにはヤラピンという特有の成分も含まれています。ヤラピンは、腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)を促し、さらに便そのものを柔らかくする働きがあるため、便秘解消に効果があるといわれています。
お通じが良くなることで、身体から老廃物や未消化物がきちと排出されるようになります。これら老廃物や未消化物は、身体の中で腐敗し様々な悪影響を及ぼします。食物繊維とヤラピンの効果で毒素を排出することで、身体を内側からきれいにすることができます。
【シミ・ソバカス予防】
さつまいもの皮には、ビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCは強い抗酸化作用を持っているといわれています。抗酸化作用=活性酸素の働きを抑える作用のことで、メラニン色素の定着を防ぎ、皮膚や血管の老化を防いでくれます。
また、アンチエイジングに効果を発揮するといわるビタミンEも含まれています。ビタミンEは、ビタミンC同様、強い抗酸化作用を持っており、活性酸素から私たちの細胞を守ってくれます。
活性酸素の増加は、動脈硬化や高血圧と関係していますから、ビタミンEを摂取することは、生活習慣病予防にもつながります。
さつまいもを冷凍するメリット
長期保存が可能になる
第一のメリットは、長期間の保存が可能になることです。
さつまいもは暖かい地域の食物なため、寒さが苦手で、冷蔵保存をすることができません。
常温保存をする場合でも、温度や湿度管理を適切に行わないと、発芽や低温障害を起こして傷んでしまいます。
しかし冷凍保存なら、温度や湿度を気にせず長期間保存することができます。その分ひと手間かかるのですが、大量にさつまいもをいただいた時などには重宝するテクニックなのです。
調理時間の短縮になる
第二のメリットは、調理時間が短縮できることです。
さつまいもは、冷凍時にひと手間加える分、調理にかかる時間を短縮することができます。
例えば、あらかじめあく抜きをし、お鍋やレンジなどで加熱して冷凍しておきます。こうすることで、実際調理をするときに、さつまいもに火が通るのを今か今かと待つ必要がなくなります。
マッシュ(ペースト)して冷凍しておけば、ちょっと小腹がすいた時などに簡単におやきを作ることもできます(おやきを作ってから冷凍しておくこともできます)。
事前に下処理を施しておくことで、調理のために台所に立つ時間を10~20分と短縮することができるのです。
さつまいもの冷凍保存方法
生のまま冷凍する場合
1.輪切りにし、10分ほど水にさらしてあくを抜きます。
★あく抜きをしっかりと行うことで、変色を抑えることができます。
2.キッチンペーパーなどで水気を拭きとります。
3.フリーザーバッグに重ならないように入れて、空気を抜いて冷凍します。
★重ならないように冷凍することで、1つ1つが早く冷凍されます。
★空気をしっかり抜くことで、食材の酸化スピードを遅めることができます。
★生の状態での冷凍は、風味や食感を損ないやすいため、あまりオススメしません(イモ類は水分量が多く、冷凍の影響を食材が受けやすいのです)。
茹でてから冷凍する場合
1.輪切りにし、10分ほど水にさらしてあくを抜きます。
2.鍋に湯を沸かし、柔らかくなるまで煮ます(電子レンジで加熱してもOK)。
3.水気を拭きとり、フリーザーバッグに入れ、空気を抜いて冷凍します。
マッシュ(ペースト)してから冷凍する場合
1.輪切りにし、10分ほど水にさらしてあくを抜きます。
2.鍋に湯を沸かし、柔らかくなるまで煮ます(電子レンジで加熱してもOK)。
3.熱いうちにつぶし、フリーザーバッグに薄く平らに入れ、空気を抜いて冷凍します。
最近では丸のまま焼き芋を作り、そのまま冷凍して販売するお店も増えてきており、そういった冷凍方法もご自宅で行うこともできます。(解凍時の消費量が多くなるため、今回は記載しておりません)
さつまいもの解凍方法と保存期間
さつまいもの解凍方法
基本的に室温or冷蔵庫での解凍をオススメします。早く解凍したい場合や涼しい季節は室温で、ある程度時間をかけてもいい場合や暑い季節は冷蔵庫での解凍が良いでしょう。
加熱してから冷凍しておけば、炊き込みご飯やお味噌汁などに、凍ったまま使用することもできます。
すぐにでも解凍したい場合には、電子レンジの使用をオススメします。
さつまいもの保存期間
保存の目安は 2~3週間です。
保存期間を最大限まで伸ばすコツは、しっかり水気を拭きとること、フリーザーバッグの空気を抜くことです。この2点を抑えておけば、冷凍中の乾燥や酸化から食材を守ることができます。
さつまいもを使った簡単レシピ5選
炊き込みご飯
出典:https://cookpad.com/recipe/1270345
☑材料(3人分)
・さつまいも 1本
・日本酒 大さじ3
・塩 小さじ1
・米 3合
<作り方>
1)さつまいもは冷蔵庫で自然解凍したものを、食べやすい大きさにカットしておきます。
2)水で研いだお米を炊飯器にセットし、酒、水、塩を入れて軽く混ぜます。
3)炊飯器に(1)を入れ、スイッチを入れたら完成です。
★解凍しなくてもカットできる(包丁の刃が通る)場合は、凍ったまま炊飯器に入れてスイッチを入れてもOKです。
お味噌汁
出典:https://cookpad.com/recipe/3557749
☑材料(2人分)
・さつまいも 小1本
・玉ねぎ 1/2個
・味噌 適量
・本だし 適量
<作り方>
1)生のまま冷凍したさつまいもを電子レンジで10分加熱し、乱切りにしておきます。
2)玉ねぎは好みの大きさにカットしておきます。
3)鍋に水を入れて火にかけ、沸騰したら野菜と本だしを入れます。
4)具に火が通ったらいったん火を止め、味噌を解き入れて完成です。
★さつまいもを冷凍前に加熱してある場合は、凍ったまま鍋に入れて大丈夫です。
バター醤油煮
出典:http://www.orangepage.net/recipes/detail_115282
☑材料(4人分)
・さつまいも 1本
・水 1カップ
・砂糖 大さじ1.5
・醤油 小さじ2
・バター 大さじ1.5
・黒いりごま 少々
<作り方>
1)さつまいもは冷蔵庫で自然解凍しておき、厚さ2㎝程度の輪切りにしておきます。
2)鍋に水、砂糖、さつまいもを入れて、落し蓋をして中火にかけます。
3)沸騰したら弱火にし、10分ほど煮て、竹串が通るくらい柔らかくします。
4)醤油、バターを加えて鍋をゆすり、バターが溶けてきたら器に盛ります。
5)最後にごまをかけたら完成です。
★生のまま冷凍した場合、加熱してから冷凍した場合、どちらのさつまいもを使用してもOKです。
★加熱してから冷凍したお芋を使う場合は、(2)~(3)の加熱時間を短くすることができます。
コロコロサラダ
出典:http://www.lettuceclub.net/recipe/dish/12641/
☑材料(1人分)
・さつまいも 1本
・塩 小さじ1/2
●マヨネーズ 大さじ2
●砂糖 小さじ1/2
●塩 少々
●こしょう 少々
<作り方>
1)生のまま冷凍したさつまいもを冷蔵庫で自然解凍しておき、皮付きのまま1㎝角に切っておきます。
2)鍋に(1)を入れ、浸るくらいの水と塩も加えて軟らかくなるまで茹でます。
3)柔らかくなったらお湯を切り、粗熱を取ります。
4)ボウルに(3)と●の調味料を入れ、和えたら完成です。
★あらかじめ茹でてあるさつまいもを使用する場合は、冷蔵庫で解凍後、(4)の工程から始めることができます。
マッシュポテトサラダ
出典:https://cookpad.com/recipe/4068541
☑材料(2人分)
・さつまいも 1/3本
・かぼちゃ 100g
・マヨネーズ 適量
・塩・こしょう 適量
<作り方>
1)マッシュして冷凍したさつまいもを冷蔵庫で自然解凍しておきます。
2)かぼちゃを薄く切り、鍋で柔らかくなるまで茹でたら、マッシュしておきます。
3)(1)と(2)、マヨネーズを和えたら完成です。
冷凍さつまいもを使った離乳食レシピ
さつまいもスティック
出典:https://cookpad.com/recipe/2626327
☑材料(1人分)
・さつまいも 80g
・黒ごま 小さじ1/2
・きなこ 小さじ1/2
・小麦粉 小さじ2
・牛乳 大さじ1
<作り方>
1)マッシュして冷凍したさつまいもを冷蔵庫で自然解凍しておきます。
2)ボウルにすべての材料を入れ、よく混ぜます。
3)10等分にし棒状に伸ばしたら、弱火に熱したフライパンで焼いていきます。
4)ころころと転がし、焼き色がついたら完成です。
★テフロン加工のフライパンを使用すると、油をひかなくても調理できます。
★牛乳の代わりに溶いたミルクを使用することもできます。
さつまいもの甘煮
出典:https://cookpad.com/recipe/2902519
☑材料(1人分)
・さつまいも 1/2本
・りんご 1個
<作り方>
1)輪切りに冷凍したさつまいもを冷蔵庫で自然解凍しておきます。
2)鍋にさつまいもを入れ、浸る程度の水を入れます。
3)りんごの皮をむき、いちょう切りにして、(2)の上に置きます。
4)ふたをして中火で加熱、沸騰したら弱火で煮詰めていきます。
5)具が柔らかくなったら火を止め、冷やしたら完成です。
まとめ
さつまいもの冷凍方法はいかがでしたか。
生のまま冷凍、茹でてから冷凍、マッシュしてから冷凍の3種類をご紹介しました。最初にしっかりとあく抜きをすることが重要で、あく抜きをすることで変色を抑えることができます。
オススメの解凍方法は室温解凍か冷蔵庫解凍。解凍するときの温度や季節によって調整してください。
保存期間の目安は 2~3週間です。フリーザーバッグ内の空気を抜いてから封をすることで、期間いっぱいまで保存することが可能になります。
今回ご紹介した方法を使っていただければ、芋ほりで大量にもらってきた場合や、実家から大量に送られてきた場合などにも対応することが可能です。冷凍保存を上手に活用し、さつまいもを無駄なく調理してみてください。