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【初心者必見】急速冷凍機って何がすごいの?仕組みやメリットを分かりやすく解説!

急速冷凍機を試してみたいけれど、何から始めたらいいか分からない」
と悩んでいませんか?

EC利用の拡大や人手不足などの背景から、昨今注目される急速冷凍機。
食品の鮮度を止めて「生の美味しさ」を再現させる冷凍技術で、食品事業者の新たなビジネス開拓や、経営改善に欠かせない設備になりつつあります。

しかし、一般的な家庭用・業務用冷凍庫よりも性能が優れていることは漠然と分かっていても、冷凍技術の仕組みや、価格相場、どんな用途で使えるのか?などをご存知でない人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、最近話題の急速冷凍機に関心を持つ人に向けて、急速冷凍機の基礎を伝授。
急速冷凍で凍らせた食品が高品質な理由や、機械の種類、価格、急速冷凍機を導入するメリットなど、急速冷凍機の導入を考える上で、まず押さえておきたいポイントを解説します。

そもそも、急速冷凍機とは?従来の冷凍機との違い

急速冷凍とは、食品を速く冷凍させることで、旨味をとじこめて品質を保つ冷凍技術です。

食品内の水分が氷に変わる温度帯は、【-1℃~-5℃】と言われており、この温度帯を素早く通過させることで、氷の結晶が細胞を破壊するのを防ぎます。

急速冷凍機はこの技術を備える冷凍機で、保管庫ではなく冷凍技術に優れた機械ということから、「急速冷凍機」とも呼ばれています。

急速冷凍庫の細胞図

一般的な家庭用・業務用冷凍庫の場合、食品の温度がゆっくりと下がることで、水分が膨張し、氷の結晶が大きく育ちます。それが細胞膜を破壊し、解凍させた時にうまみ成分が流出してしまいます。これがドリップと言われるものです。

また、表面に冷気を当てて冷凍させることで食品が乾燥し、食感や色が悪くなってしまいます。

一般冷凍庫の肉

急速冷凍機なら、うまみ成分の流出を最小限に抑え、解凍した時に冷凍前の美味しさを再現。「冷凍=美味しくない」という固定概念を覆し、冷食ビジネスに新たな可能性を生む技術です。

急速冷凍庫の肉

どんな用途で使われているの?調理済みの食品は?

では、業務用の急速冷凍機はどのような事業者が活用しているのでしょうか。

数年前までは、水産業者や食品加工業者の使用が中心でしたが、急速冷凍機の冷凍技術の発展に伴い、最近は裾野が広がってきています。

最近では、調理済みの食品や温かい食品麺類や揚げ物なども高品質に冷凍させる急速冷凍機が開発され、あらゆる食品で急速冷凍が活用できるようになりました。

これによって、仕出し屋さんや飲食店など巷のお店での使用が拡大。コンパクトなタイプや、設置場所に合わせてカスタマイズできる機種もあり、大規模な工場だけでなく、個人経営のお店でも急速冷凍機が普及し始めています。

ECやデリバリーサービスの浸透により、消費者の食事のスタイルや食品の購入方法は多様化。それらのライフスタイルの変化やトレンドの波にうまく乗り、事業拡大を目指す会社が、急速冷凍機に商機を感じて動き出しているのです。

急速冷凍機の用途・メリット

急速冷凍機を使ったら、何がどう変わるのでしょうか。急速冷凍機の代表的な用途・メリットは大きく4つあります。

  • 販路の拡大
  • 生産効率の向上
  • 廃棄ロス削減
  • 計画生産

「販路拡大」

ここ数年で通販利用者は急増し、日本全国の美味しいものがインターネットを通じて買えるようになりました。
店内用メニューを通販展開しようとした時に、欠かせないのが急速冷凍機です。

一般的な業務用冷凍庫では味が落ちてしまっていた食品も、急速冷凍機ならお店の味をそのまま再現できより多くのお客様へ提供できます。

通販用だけでなく、最近はデリバリーサービスの利用者も増えているので、持ち帰り用やデリバリー用の冷凍商品にも活用できます。急速冷凍機を活用すれば、様々な新しい売り方に挑戦できるのです。

「生産効率の向上」

下ごしらえから盛り付けまで、1つのメニューを仕上げるにも、その工程は複雑です。
毎日イチから仕込んでいると、時間もコストもかさみます。

急速冷凍機を使って空いた時間にまとめて仕込んで、注文が入った時用に冷凍ストックすれば、調理時間は大幅に短縮。生産効率が上がり人件費削減や人手不足の解消に繋がります。

「廃棄ロスの削減」

昨今、SDGsの影響もあり、食品ロス問題が深刻視されています。コスト削減、環境への配慮、いずれの目的でも、廃棄ロスは減らしたいと願うでしょう。

急速冷凍機があれば、余った食材を高品質に冷凍でき、これまで廃棄してしまっていた食材も全て使い切ることができます。

一般的な業務用冷凍庫では、冷凍ストックはできても味が落ちてしまいます。品質を保ちながら廃棄ロスを減らすには、急速冷凍機が欠かせません。

「計画生産」

おせち料理をはじめとする季節商品は、販売時期が限られるため、直前に全て作ろうとすると手間がかかり、生産量も限られます。

急速冷凍機を活用すれば、数カ月前から計画的に製造し、冷凍保存が可能。負担を軽減するとともに、生産量もアップできます。

季節による価格変動の大きい食品は、冷凍することで高く売れる時期を狙って売ることもできるでしょう。

お弁当の盛り付け

急速冷凍機の価格相場は?中古はあるの?

幅広い用途で活用でき、メリットの多い急速冷凍機ですが、価格相場は1台約300万円~。一般的な業務用冷凍庫の価格(20~30万円、メーカー、容量によって異なります)と比べると10倍以上で、簡単に購入できる価格ではありません。

低価格で購入できるなら中古の機械でも・・・と中古品を検討される方もいらっしゃると思いますが、急速冷凍機は中古品の出品が少なく、万が一中古品でメンテナンスが不十分だった場合、余計な修理コストがかかる等、リスクも大きいです。

また、急速冷凍機には複数種類があり、機種によって食品との相性が異なります。そのため、適正でない機種を購入してしまうと、せっかく高価格で購入した急速冷凍機がうまく機能しない恐れも。

中古品を購入する場合は、

  • 機械がメンテナンスされているか
  • 保証・サポート体制が整っているか
  • 利用方法の指導やアドバイスをメーカーから受けられるか

を必ず確認するようにしましょう。

高価格だからこそ、見極めが重要。失敗しないためには、急速冷凍機の機種・メーカーごとの特性を理解するとともに、何に使うか?どうやったら元を取れるか?などの計画を立てて、価格だけで判断しないことが大切です。

中古冷凍機の場合は特に、メンテナンス状態などを慎重に確認しましょう。

機械の種類は大きく3つ

急速冷凍機の機種は、空気凍結、液体窒素凍結、特殊タイプの3種類があります。

空気凍結

空気凍結は、エアブラスト冷凍機とも言われ、-30℃〜-40℃の冷風を当てて、急速冷凍させる技術です。
冷風を外から当ててることによる乾燥が難点でしたが、最近では乾燥を防ぐ急速冷凍機も開発されています。

弊社でもおすすめしている急速冷凍機「アートロックフリーザー」は、乾燥・身割れ・酸化などの食材へのダメージを限りなく減らしながら高品質に冷凍できます。

電子制御冷凍システムにより、外気の温度や湿度・投入する物体の温度の変化に合わせ、常に最適な設定値に自動調整するため、あらゆる食材をいつどんなタイミングで 冷凍しても品質が安定します。

液体窒素凍結

液体窒素凍結は、超低温で気化する液体窒素の性質を活用した冷凍技術です。
-196℃の液体窒素ガスを食品に直接吹き付けて、瞬間的に凍結します。大量に凍らせる加工場などでは有効ですが、瞬時に温度が奪われるため食品によっては割れが生じやすく、あらかじめテストすることをおすすめします。

特殊タイプ

空気、液体窒素の2タイプに当てはまらない機種を、ここでは「特殊タイプ」の名称でひとくくりにしています。
特殊方式タイプの急速冷凍機は、食品内の氷の結晶が大きく育つことを抑制するために、電磁波や振動などを加えて冷凍します。
細胞膜の破壊を防ぎ、冷凍後も品質を保つところは、空気凍結や液体凍結と同じ原理です。

急速冷凍機は何年使える?元は取れるの?

金額のイメージ

では、急速冷凍機は何年使い続けることができるのでしょうか。

過去の事例から見ると、急速冷凍機はおおよそ10年現役で使用されています。10年以上使われる機械も少なくありません。

長く安全に使うためには、

  • 正しい使い方を理解して、それを守ること
  • メンテナンスを怠らないこと

の2つが大切です。

急速冷凍機は、一般的な業務用・家庭用冷凍庫と違って、「入れておしまい」ではありません。
最大限に機能を発揮させるには、凍結(冷凍の仕方・時間)保存解凍それぞれにノウハウが必要で、正しく使わなければ故障や劣化の原因にもなります。

購入時には、使い方のレクチャーや、うまく活用するノウハウを受けられることが理想的です。また、急速冷凍機の機種ごとに、メーカーが推奨する定期的なメンテナンスも、怠らないようにしましょう。

では、10年使えるとした時に、どれだけ費用対効果を出せば機械の元を取れるのでしょうか。

急速冷凍機の相場価格の350万円で購入したとして考えてみましょう。

350万円の急速冷凍機を10年使ったとして、1日に必要な費用対効果は

【350万円÷10年÷12カ月÷20日(月に20日稼働の場合)=1,459円】

1日に1,500円。

仮に5年しか使わなかったとしても、

【350万円÷5年÷10年÷20日=2,917円】

1日に3,000円です。

急速冷凍機の導入メリットに沿って例えると、

・販路開拓

▶︎通販用・デリバリー用の冷凍商品を開発・販売し、粗利益1,000円の商品が1日3個売れた

・生産効率の向上

▶︎生産効率が上がり、時給1,000円アルバイトを3時間短縮できた

・廃棄ロス削減

▶︎3,000円分の廃棄を有効活用できた

費用対効果

これらの1つでも達成できれば、急速冷凍機はあっという間に元が取ることができるのです。
このように、急速冷凍機は、価格は高いですが、そこから得られる効果が大きく、元を取るのは決して難しくありません。自社の商品との相性よい急速冷凍機を選び、適正な使い方で機械の性能を100%活かすことができれば、元を取れるのはもちろん、ビジネスの繁栄に大きく貢献します。

機種選定のポイントは?購入前に必ずやるべき3つの準備

では、複数のメーカーが扱う急速冷凍機を検討する時、何を意識すればいいのでしょうか。

購入前に必ずやるべきことは次の4つ。

  • 用途の整理
  • 現場のヒアリング
  • 凍結テスト
  • 長期的な目線で判断

どんな食品を急速冷凍させて、何を目指すのかによって選ぶ急速冷凍機は変わるので、まずは用途を整理します。

例えば、「調理済みの食品を急速冷凍させて通販をしたい」なら、そこからさらに掘り下げて、メニューの内容や価格などのイメージを膨らませていきましょう。

次に行いたいのは、実際に機械を使う人のヒアリングです。作業効率を改善させるはずが、急速冷凍機の使い勝手が悪ければ手間になりかねません。冷凍プロセスやサイズ、凍結時間など、各要素がマッチするように、現場の声を吸い上げ、現場目線で選ぶことを意識しましょう。

そして、特に欠かせないのが、凍結テストです。
急速冷凍機と食品には相性があるとお伝えしましたが、試してみなければ相性の良し悪しは判断できません。同じ食材でも産地によって相性が変わったり、お店の他の料理とのバランスや好みもありますから、凍結テストを行うことをおすすめします。
ほとんどの急速冷凍機メーカーが凍結テストに対応しているので、依頼すれば自社の食品を試すことができます。

これら3つの準備を行った上で、意識すべきポイントが「長期的な目線と、費用対効果の意識」です。
先ほどお伝えした通り、急速冷凍機は10年使えることが一般的で、軌道に乗ればしっかりと元が取れます。

低価格で耐用年数が短い中古品を購入するよりも、結果に得をすることもあります。価格だけで判断せずに、長く使うことを前提に、費用対効果を意識して選ぶようにしましょう。

安く購入するなら補助金制度の活用がおすすめ

日本には、中小企業の設備投資を支援する補助金制度が設けられており、これを活用すれば最大1,000万円の補助が受けられます。

高価格な急速冷凍機を購入するにはぜひ活用したい制度です。ただし、申請には事業計画の提出が必要で、そこで冷凍事業の将来性を期待させるなど、補助金対策が求められます。

弊社では、補助金制度の情報提供や、採択率80%以上の補助金支援サービスも行っています。少しでも低価格で急速冷凍機を購入したい方は、中古やレンタルよりも、まずは補助金制度の活用がおすすめです。ご興味のある方は、詳細をご確認ください。

まとめ

いかがでしたか?

急速冷凍機は空気・液体窒素・特殊タイプの3種類があり、メーカーや機種ごとに食品との相性が異なることもお伝えしました。
機械と食品の相性を確認するためには、凍結テストが欠かせません。

凍結テストは急速冷凍機の各メーカーで実施できますが、弊社では、国内唯一の急速冷凍機の専門商社という中立的な立場を活かし、複数の機種の比較テストを提供しています。冷凍プロセスや品質(解凍後の味)を比べてみて、納得したものをお選びください。

また、一見高価格な急速冷凍機ですが、費用対効果は高く、機能を発揮できれば元を取れる可能性は十分にあります。
そのためにも、急速冷凍機を使いこなすための冷凍ノウハウを提供や、何かあった時の相談窓口となってくれるパートナーがいると安心です。

弊社はこれまで250品目以上の凍結テストを行い、あらゆる食材の冷凍データを蓄積。
それらのノウハウを元に、お客様が急速冷凍機の機能を最大限に活用するための導入支援を行っています。

急速冷凍機の選定の仕方から正しい使い方の案内はもちろん、冷凍商品の企画提案やアフターケアまでトータルでサポートいたしますので、急速冷凍機の導入を検討されている方は、お気軽にお問い合わせください。

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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