食中毒予防の3原則とは?食中毒を発生させないためにするべきこと

飲食店や食品製造業では、自社で扱っている製品から食中毒が起こってしまうことは最も恐れていることではないでしょうか。しかし、食中毒が起こらないように気を付けるとはいっても、何に気を付けたらいいのか、どうやって対策したらいいのか具体的にわからない方も多いと思います。

今回は食中毒予防の3原則についてご紹介。食中毒を発生させないために取るべき対策について解説いたします。

食中毒予防の3原則は食品衛生の基本ともなるもので、知らなかったではすまされません。一度でも食中毒が起きてしまうと営業できなくなってしまうことも・・・。正しい知識を身につけ、食中毒の発生を防ぎましょう。

食中毒を起こす原因

食中毒の原因

食中毒の原因となるものには、細菌やウイルス、寄生虫などがあり、これらの物質がついた食品を食べることによって食中毒が起こります。日本ではノロウイルスによる食中毒が圧倒的に多く、次いでカンピロバクター、ウェルシュ菌、サルモネラ菌が原因となっています。

ノロウイルスなどのウイルスが原因となる食中毒が乾燥しやすい冬場に、カンピロバクターなどの細菌による食中毒は高温多湿になりやすい夏場に特に多く発生します。

食中毒は季節に関係なく一年中起こりやすいため、日頃から食中毒を起こさないために気を付ける必要があります。では、食中毒を防ぐためには具体的にどのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。

食中毒予防の3原則というものがあり、この原則を守ることで食中毒を防ぐことができます。それでは食中毒予防の3原則についてみていきましょう。

食中毒予防の3原則

流し台の掃除

食中毒予防の3原則とは「つけない」「増やさない」「殺す(やっつける)」です。これら3つのポイントについて詳しく解説していきます。

1.つけない

調理に従事している人の手や調理器具を清潔に保つことと、食材に付着している菌を他の食材や器具に移さないことが重要です。また調理済みの食品を保管する際は、密閉できる容器に入れて保管し、加熱用食品と生食用食品に使用する調理器具を分けるなどが必要となります。

2.増やさない

高温多湿など、細菌が好む環境をつくらず厨房内、冷蔵庫内の温度を一定に保つこと、食材を常温で放置しないことが重要です。

特に調理が済んでいる食品はすぐ提供しないのであれば急速に冷やす、または65℃以上で保温しましょう。また、冷蔵庫で保管する際は温度が低いほど菌の増殖が抑えられるため、冷蔵庫内の温度管理が必要となります。

⇒⇒ 菌の繁殖を防いで、食材の鮮度を長持ちさせる方法を知りたい方はこちら

3.殺す(やっつける)

食材や調理器具に付着している菌を死滅させることが必要です。基本は食材を良く加熱することで、食材の中心温度75℃・1分以上の加熱が目安です。また、寄生虫は冷凍することで死滅するため、魚などを刺身として生で提供する場合は-20℃以下の低温で冷凍したものを使用しましょう。

また、近年はウイルス、特にノロウイルスによる食中毒が多く発生しています。ウイルスが原因となっている場合、どの食材が食中毒の原因となっているか特定が難しく感染が拡大する傾向にあります。また、従業員やお客様が原因となるウイルスを持っていることもあり、思わぬところからも食中毒が起こっています。

ウイルスは細菌とは違い、食品中では増えず人の体内で増えていきます。そのため、ウイルスによる食中毒を防ぐためには、ウイルスを「もちこまない」「広げない」ことが重要です。

「つけない」「増やさない」「殺す(やっつける)」に、この「もちこまない」を加えて、食中毒予防の4原則といわれることもあります。

ここまで紹介してきた、食中毒予防の原則に従って食品を取り扱いましょう。
しかし、実際にこれらの原則を守るために何をしたらいいのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは、具体的な対策を紹介します。

食中毒を防ぐ対策

レストランの厨房
出典:https://eee.tokyo-gas.co.jp/saitekichubo/information/dangi07/01.html

食中毒予防の3原則は、食中毒を防ぐ基本となるものです。食材以外にも、調理する環境や調理器具、冷蔵庫などの管理も食中毒を予防するために必要となります。
これらの項目と職場の環境を照らし合わせて、どのぐらい対策できているかチェックしてみましょう。

調理環境

・調理場は常に清潔を保ち、壊れているものはすぐに直す。
・照明を明るくする。
・換気を十分に行い、室温は適温に調節する。
・ねずみやごきぶりなどがいる場合は駆除し、発生を防ぐ。
・調理に必要のないものは持ち込まない。

調理器具

・調理器具や食器はよく洗浄し、乾燥させる。
・煮沸できるものは煮沸を行い、殺菌する。
・まな板は肉、魚など加熱食材用と野菜などの生食用に分ける。
・まな板やふきん、スポンジは常に清潔な状態を保つ。

冷蔵庫・冷凍庫

・冷蔵庫は5℃以下、冷凍庫は-18℃以下を保つ。庫内の温度は定期的に確認する。
・庫内の温度が下がらないように開閉は必要なときのみ行う。
・庫内を定期的に清掃し、床などは常に乾いた状態にする。
・冷蔵庫のパッキンのカビは取り、冷蔵庫の取っ手の部分は常に清潔にする。
・食材を詰めすぎないようにする。
・冷凍庫は定期的に霜取りを行う。

使用食材

・食材は信頼できる仕入れ先から仕入れる。
・食材の納品時に検品を行う。いつもの状態が異なる場合はすぐに報告する。
・食材を室温で放置せず、適切な温度で保管する。
・食材をむき出しで保管せず、ラップや密閉できる容器に入れる。
・食材の置き場を決め、異なる食材が混ざらないようにする。
・賞味期限、消費期限は使用前に必ず確認する。
・開封した食品は開封日を記入する。

調理従事者

・調理を始める前だけではなく、トイレに行った後や作業が変わった際にも手洗いを行う。
・指輪や時計をはずす。爪は短く切る。
・手荒れを防止し、手荒れや手に傷がある場合は手袋を着用する。
・調理場では専用の服装、靴を着用し、常に清潔な状態を保つ。
・体調がすぐれない場合、下痢や嘔吐がある場合は責任者に報告し、調理に従事しない。

他にも、殺菌効果のあるアルコールや次亜塩素酸ナトリウムなどを使用する、手洗いの際に殺菌効果の高い洗剤を使用する、電解水を使用するなどの対策を取ることも食中毒を予防するために必要となります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。食中毒を防ぐためには、食品の取り扱いはもちろんのこと調理器具や冷蔵庫などにも気を付ける必要があります。忙しいとつい後回しにしがちですが、食材や厨房内を清潔に保つために定期的に清掃を行い、食中毒を防ぎましょう。

⇒⇒ 【冷凍庫をもっと上手に】温度管理と冷凍方法のコツ

⇒⇒ 【機能と課題を解説】食品を微凍結するパーシャルフリージングとは

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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