【速いのにムラがない!】業務用解凍機のメリットと種類のまとめ
「食材の解凍が間に合わないからもっと速く解凍したい。」
「解凍の際に食材がドリップしてしまう。」
日々そんな悩みを持っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は品質の高い解凍機を使えうことで、このような悩みがまとめて解決するかもしれません。良い解凍機を使用することで食材のドリップを抑え、素早く解凍することができます。また、品質・ドリップだけでなく、人件費の削減につながった例なども。
当ページでは、数百品目の食材の冷凍や解凍のテストを行ってきた私たちが解凍機のメリットや種類について解説します。
目次
冷凍した食品に!業務用解凍機のメリット
冷凍食品の品質を守るためには凍結方法も重要ですが、意外と難しい解凍方法について考えたいと思います。
冷凍庫から食品を出しておけば解凍できると思われがちですが、品質を劣化させずに解凍するのは難しく、注意が必要。
なぜ、品質を落とさずに食品を解凍することは難しいのでしょうか?
冷凍すると食品内の水分が凍結し、水分バランスが崩れるからです。食品によって向いている解凍方法は異なり、自然解凍や流水解凍など様々な解凍方法があります。
常温での自然解凍は、過熱加工された調理品に向いていますが、室内の温度条件によって解凍時間が変わります。特に夏場は室温が高いので、長時間放置すると解凍しすぎることや傷む原因になります。
冷蔵庫での自然解凍は、肉類などの解凍に向いています。低温解凍なので品質劣化を抑えることができますが、解凍時間がかかります。冷風が均一に当たらないと、解凍ムラが起きてしまうことがあります。
流水解凍は短時間で解凍することができますが、水温が一年を通して一定ではないので品質にばらつきがでることがあります。食品を直接水にさらすと栄養や風味が損なうので、真空パックされている食品や、裸食品はビニール袋などに入れて解凍させます。
このような解凍だと、解凍時間がかかり解凍後の食品の品質が安定しません。ですので、常に安定した品質で仕上げることができ、コストを抑えることができる解凍機の需要が高まっています。
冷凍食品を使っている飲食店やレストラン、特にスーパーや惣菜屋などでは大量の食品を解凍させなければなりません。解凍機を使うことで解凍時間が短縮でき、品質の良い食品を提供することができます。
売れ行きによって調整しながら解凍することができるので、売れ残りなどの販売ロスを最小限に抑えることができます。
解凍速度が速く均一に解凍することができるので、解凍時に食品の細胞を傷つけません。凍結前の品質を保持することができるので、刺身などの生鮮品においても新鮮な美味しさを提供することが可能。
ドリップの流出や乾燥を防ぎ、見た目も変わらないので歩留まりを向上することができ、廃棄ロスを削減することができます。
解凍機は簡単に操作することができ解凍ミスがほとんどないので、誰が解凍しても同じ品質に仕上げることができます。解凍作業をしながら他の作業をすることができるので、作業効率が上がります。
様々な種類がある業務用解凍機
解凍機には様々な種類の機械があるので、いくつか見ていきたいと思います。
電磁波を用いた解凍機
高周波解凍機は、13MHzの周波数の低い高周波を用いた解凍機です。高周波を加えると、食品の+と-の電荷を持つ分子が衝突、振動することで摩擦熱が発生し解凍することができます。
高周波は波長が長く内部まで届くので、塊の肉なども均一に解凍することができます。
マイクロ波解凍機は、2450MHzもしくは915MHzと周波数が高いマイクロ波を利用しています。最近では、マイクロ波による加熱と真空による冷却を交互に行う、真空マイクロ波解凍機が開発されています。
マイクロ波が食品内部の水分子を振動させて過熱させ、真空によって表面の氷や霜が一気に気化して表面を冷やす、ということを繰り返します。表面と中心温度の差を小さくすることで食品の品質を守ります。
電磁波を用いることで内部から加熱するため、解凍速度が速く大きな食品でも均一に解凍することができます。冷凍したブロック肉を均一に解凍することができるので、きれいに簡単にスライスすることができます。
また、冷凍したマグロやカツオなどの厚みのある魚を刺身にする際に役立ちます。食肉店や鮮魚店、スーパーなどの小売店で導入が進んでいます。
高電圧解凍機
電気エネルギーを利用した解凍機です。攪拌している液の中に食品を漬けるのでムラなく解凍することができます。
食品中には水分のほかにもタンパク質や炭水化物などの成分が含まれ、それぞれの成分を構成している分子が存在しています。それぞれの成分の分子は、食品中の水分子と結合して3つの層を形成しています。
高電圧をかけると結合している水分子が微細になり、それぞれの成分の分子の周りを隙間なく埋めます。食品の酸化や細菌の発生を抑えることができ、鮮度を保つことができるので、刺身などの生鮮品の解凍に向いています。
低温高湿度解凍機
低温で湿度の高い水蒸気を利用して解凍させます。
潜熱という、固体から液体、液体から気体など、物質が変化するときに必要な熱エネルギーを使い加熱しています。相対湿度100%の水蒸気が水に変わる潜熱は、氷から水に変わる潜熱よりも大きいので、効率よく素早い解凍ができます。
庫内に水蒸気を送る際に、水蒸気の温度を30℃~40℃にコントロールすることが可能。解凍温度を低く設定することができるので、安定した品質で解凍することができます。
生鮮品はもちろんのこと、ケーキなどの菓子類や調理品など、幅広い食品を解凍することができます。
静電エネルギー解凍機
庫内に静電エネルギーを発生させている冷蔵庫です。氷感庫がそれに当たります。
過冷却という、凍結温度でも凍らない現象を利用しています。静電エネルギーが食品に微振動を与えることで過冷却現象を起こさせます。
庫内の温度が0℃近くに設定されているので、解凍された部分の温度を上げずに全体を均一に解凍することができます。食品の鮮度を長期間保持することができるので、業務用冷蔵庫兼、低温保管庫としても利用することができ、大変使い勝手がよいものです。
また、既に業務用冷蔵庫、プレハブ冷蔵庫をお使いの場合に最適な商品がDENBAです。
冷蔵庫に後付けが可能で、冷蔵庫全体に静電波環境を作り出すことができます。
既存の冷蔵庫に後付けできるため新たな機器を置くスペースのない場合でも利用が可能です。設置する放電板の大きさはA4程度、厚み1.5cmと場所を取らないので、今までの収納スペースと変わりません。
さらに、スイッチのON/OFFで解凍機としての利用と通常の冷蔵庫としての利用を切り替えることもできます。既存の冷蔵庫の温度設定を変えることで解凍としても、また保管庫としても使用が可能です。
解凍した食品を、解凍後も鮮度を維持したまま保存したい場合に最適であり、今、一番注目されている解凍機です。
急速凍結機と組み合わせて使うとおすすめ
解凍機を使うことで冷凍した食品の品質は向上しますが、いくら解凍方法を工夫しても、元々の冷凍食品の品質が悪ければ意味がありません。
より高品質な食品を提供するためには凍結方法も重要です。解凍するための特別な機械があるように、冷凍させるための特別な技術を持った機械があります。
急速凍結機は、食品を急速に凍結させて冷凍によるダメージを抑えるために開発された機械です。食品内の水分が凍る温度帯を素早く通過させることで、食品の細胞を傷つけることなく凍結することができます。
食品の細胞が破壊されないので、凍結前と変わらない鮮度や味、風味を再現することができます。
急速凍結機にも様々な機械があります。
例えば、高電圧解凍機を製造している米田工機株式会社は、リ・ジョイスフリーザーという急速凍結機を開発しています。
冷却した液体に、真空パックした食品を漬けて凍結させる機械です。液体は熱伝導率が高いので、驚くほど速いスピードで凍結することが可能。
解凍機も急速凍結機も冷凍食品の品質を守るための機械なので、組み合わせることで相乗効果が生まれます。
冷凍食品の品質を向上させるには、解凍だけでなく、冷凍にも着目してみるとよいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
解凍機を使うことで、冷凍食品の鮮度や美味しさを守ることができます。
さらに、急速凍結機と併用することで、より高品質な食品を提供することができます。
解凍機をお考えの方も、この際に、急速凍結機も併せて検討してみてはどうでしょうか?