特殊冷凍デモ お寿司の凍結(長期1ヶ月保存)
今回のお寿司は、前回冷凍したお寿司(前回は1週間保管後解凍)を1カ月間保管し、そのお寿司を解凍・試食した結果のレポートです。
この実験は、前回と同様に一般消費者向けではなく、ホテル様や冠婚葬祭の食事を提供している仕出し業様の方向けに行なっています!
ラボチームでは、食材の凍結実験だけでなく、今回のような保管期間の実証実験も日々行っています。
お寿司の凍結後保管前
お寿司は、自社で使用することを想定してお皿などに乗せず、最も高品質に冷凍保管ができるハイバリア性(酸素透過度低)の真空袋を使用し、99%真空で保管していました。
お寿司の1カ月保管後解凍前
保管期間が1カ月経っているものの、見た目からでは全くわかりません。
従来、マグロの変色は課題になることが多いのですが、今回マグロの変色は見られませんでした!
お寿司の1ヶ月保管後解凍後
解凍後にお皿に盛り直した写真と断面図の写真になります。
解凍後もネタの変色などは全く見られず、冷凍していた事がわからないほどです!
お米も粒立ちがよく、わさびも変色していないことがわかります。
この記事では、解凍方法について簡単にお伝えしますが、解凍方法の詳細についてご希望の方は是非気軽にお問い合わせください!
試食の結果
試食したところワサビの風味や辛味、ネタの味については冷凍前・1か月前と比較しても見劣りせず、美味しくいただけました!
ですが酢飯に以下の課題を発見しました。
- お米は粘りがなく水分が抜けて硬くなっていたことに加え、パサつきも感じた
- 酢飯特有の香りがほとんどせず、酢の風味が抜けている
このような冷凍実験での品質変化の課題を解決する為、ラボチームでは冷凍酢飯の研究を行い、冷凍用酢飯に最適なレシピを開発しました。
実際にレシピの酢飯(同条件の冷凍庫で2か月保管)と試食をして比較してみたところ、レシピ変更前のようなお米のパサつきは感じられず、酢の風味も感じることができました!
まとめ
今回の実証実験では、このような結果になりました。
凍結後1ヶ月の保管で風味が落ちてしまう場合でも、レシピを見直して改良すれば
1ヶ月後も保存前同様の【見た目】【味】で召し上がることが可能です!!
前回実験結果と今回の結果をまとめると、
【短期保存:1週間】
・見た目
=冷凍だと言われても分からないほど変わっていなかった。
=酢飯も1粒がしっかりしていた。
・味
=お米の旨味や酢の香り、わさびの風味や辛味、ネタの味においても遜色なし。
【長期保存:1ヶ月間】
・見た目
=お米の1粒がしっかりしていた。
=ネタやわさびに関して、変色が見られなかった。
・味
=わさびの風味や辛味、ネタの味においては遜色なし。
=酢飯には変化がみられた。
→粘りがなく、水分が抜けて硬くなりパサついていた。
→香りもほぼせず、酢の風味が抜けていた。
→酢飯のレシピ変更により改善が可能
というような結果になります!
今回のようにアートロックラボでは、お客様のご要望に合わせて日々研究を行い、適切なレシピを提案いたします!
引き続き食材研究を行い、食品産業に革新的な技術を提供することで、より良い食事体験を皆様にお届けできるように努めてまいります!
冷凍実験をご希望の方は是非お問い合わせください!