冷凍食品の賞味期限とは?賞味期限切れでも食べられる目安や手作りの冷凍食品を冷凍するコツを解説

こんにちは。急速冷凍機の厳選比較サイト「春夏秋凍」のライターチームです。
食品は冷凍すれば、いつまでも保存できると思っていませんか?
冷凍することで長期間保存できますが、賞味期限はあります。市販の冷凍食品は急速冷凍されているので、品質のよい状態を長期間維持することが可能。-18℃以下の低温できちんと冷凍した場合、約1年間保存できます。しかし、家庭の冷凍庫で長期間保存すると品質が落ちてしまうので、購入してから4か月ほどで食べた方がよいです。
とは言っても、賞味期限を過ぎても食べることができる場合もあります。そこで、賞味期限を過ぎた冷凍食品を食べても大丈夫か、判断するポイントをご紹介します。また、手作りの冷凍食品の賞味期限についても見ていきたいと思います。
目次
冷凍食品の賞味期限の決め方

急速冷凍すると長期間保存が可能
市販の冷凍食品は急速冷凍されているので、品質や鮮度を維持することができ、長期間の保存ができます。通常の冷凍方法だと、食品を凍らせる際に氷の結晶が大きくなってしまい細胞を破壊します。
そして、破壊された部分から旨味成分とともに水分も流れ出て、風味や食感が落ちてしまいます。
急速冷凍すると氷の結晶を小さいまま凍らせることができるので、食品内の細胞を破壊せずに冷凍できます。その結果、冷凍によるダメージを受けずに凍結することができ、品質の良い状態を長期間保つことができます。
※関連記事:急速冷凍とは?温度や冷凍時間の定義、メリット、適した食品まで解説
-18℃で冷凍保存すると賞味期限は1年
冷凍食品は、-18℃以下で保存することを想定に設定されています。-18℃の低温は、細菌の繁殖を抑え、食品を1年間保存できる温度です。
急速冷凍した食品を-18℃以下で冷凍保存すると、細菌の繁殖や酸化を抑えることができるので、長期間の保存ができます。1年冷凍しても品質が変わらないので、冷凍食品の賞味期限は製造後1年とされていることが多いです。
※関連記事:【事業者向け】冷凍食品は腐る?保存期間と品質維持の徹底ガイド
家庭用冷凍庫での賞味期限は4か月
通常、冷凍庫内の温度は-18℃に設定されていますが、家庭の冷凍庫は開け閉めが多いので、常に-18℃を保つことができません。その結果、ゆっくりと品質の劣化が進んでしまいます。家庭の冷凍庫で長期間保存していると、冷凍食品に含まれる油が酸化し、品質が落ちてしまいます。
ですので、家庭で冷凍食品を長期間保存することは、避けたほうがよいです。家庭での冷凍食品の賞味期限は、購入後4か月ほど。保存状態によって傷みやすくなることもあるので、2~3か月をめどに使うことが推奨されています。
とは言っても、賞味期限を過ぎると一気に品質劣化が進む、腐敗する、というわけではありません。冷凍している状態だと細菌の繁殖を抑えることができるので、賞味期限が切れていても、食べることができる場合もあります。
賞味期限は、さまざまな目安により決められる
食品の賞味期限は、保存実験を実施したり、同業他社の賞味期限を目安にしたりと、さまざまな基準で決定します。
なお、消費者庁では、賞味期限は、厚生労働省、農林水産省が連携して策定した「食品期限表示の設定のためのガイドライン」に従うと示しています。また、一般社団法人日本冷凍食品協会も、期限表示のガイドラインを定めています。
※参考:食品期限表示の設定のためのガイドライン
※関連記事:新商品の企画に必須!賞味期限の決め方と冷凍食品に必要な急速冷凍
品目別賞味期限の目安
品目別に、賞味期限の目安は異なります。ここでは、一般的な冷凍食品の賞味期限例を提示します。
- 魚フライ 12~18か月
- コロッケ 8~12か月
- 油調理済コロッケ 12~18か月
- ハンバーグ 10~12か月
- しゅうまい、春巻 10~12か月
- 米飯類 12~15か月
- うどん 10~12か月
- グラタン 15~18か月
- 中華丼の具 15~18か月
- 冷凍肉まん 1~2か月
- 冷凍ピザ 1か月
食品における品質劣化の要因
食品の外観や味、食感などに影響を及ぼす代表的な3つの要因について解説します。
食品の乾燥
冷凍庫に入れた食品は、扉の開閉などによる温度変化で食品から水分が蒸発します。乾燥して水分が失われると、食感が悪くなったり、ひび割れなどで外観が悪くなったりします。
食品の酸化
食品の美味しさや栄養価値が低下する大きな要因は、食品に含まれる成分の酸化です。食品を-18℃以下で保存した場合、化学反応は緩やかになりますが、完全に停止するわけではありません。食品が酸化することで味や香りが減退し、美味しさが損なわれます。
※関連記事:肉が変色した!その原因と対処法を徹底解説
タンパク質の変性
タンパク質も、-18℃以下の環境であってもゆっくり変性し、保水能力が徐々に低下していきます。その結果、食品の歯ごたえが悪くなったり、ドリップが出たりします。
賞味期限切れの冷凍食品を食べてもよいか判断する5つのポイント

冷凍食品は賞味期限内に食べたほうが良いですが、過ぎたら食べることができないわけではありません。賞味期限切れの冷凍食品を食べても大丈夫か、判断するポイントは5つあります。
一度解凍して再冷凍していないか
一度解凍したものを再冷凍すると、品質が落ちてしまいます。家庭の冷凍庫で冷凍すると、食品内の細胞を壊してしまうので品質が悪くなります。賞味期限内だったとしても、解凍した冷凍食品は再冷凍せずに、すぐに食べたほうが良いです。
霜がついていないか
周りの温度が上昇すると、食品内の水分も溶けて霜や氷ができます。霜や氷ができている冷凍食品は、溶けて凍ってを繰り返しているので品質が悪くなっていることがあります。多少の霜ならば大丈夫ですが、霜がたくさんついている食品は品質が落ちていることが多いので、避けたほうが良いです。
冷凍焼けしていないか
冷凍焼けとは、冷凍によって水分が抜けて乾燥してしまうこと。長期間冷凍保存していると、冷凍焼けを起こしやすくなります。冷凍焼けすると風味や食感が落ち、美味しさが失われてしまいます。ですので、冷凍焼けしている冷凍食品は安全性に問題はありませんが、味が落ちているのでおすすめはできません。
※関連記事:冷凍焼け=霜は誤り?メカニズムと対処法を徹底解説!
包装が膨らんでいないか
包装が膨らむ原因として、食品がきちんと冷凍保存されずに腐敗が進んでしまうこと、もしくは、冷凍庫内の温度変化によって空気が膨張することがあります。後者の場合は品質に問題はありませんが、腐敗している場合は安全性に問題があります。臭いや見た目で腐敗していないか確認できますが、包装が膨らんでいる冷凍食品は避けたほうが良いです。
開封していないか
開封してしまうと空気に触れるため、乾燥、酸化しやすくなります。封を開けると品質が落ちやすくなるので、長期間の保存ができません。開封したものは、賞味期限内だとしても早めに食べたほうが良いです。
賞味期限が過ぎても食べることができる場合もありますが、美味しさを考えると早めに食べることをおすすめします。
手作りの冷凍食品の賞味期限は2〜4週間

市販の冷凍食品は急速冷凍されているので、品質の良い状態を長期間維持できるため、賞味期限が長いです。しかし、家庭で手作りした冷凍食品は、市販の冷凍食品に比べて長期間の保存ができません。家庭の冷凍庫では急速冷凍できないので、長期間保存していると品質が落ちてしまいます。
手作りの冷凍食品の賞味期限は、2〜4週間。しかし、なるべく早めに食べたほうが良いので、2週間程度で食べることをおすすめします。冷凍に向いている手作りのおかずは、から揚げ、ハンバーグなどの肉類、魚のソテー、ひじきの煮もの、切り干し大根、卵焼き、火を通したブロッコリーやサツマイモ、カボチャなどの野菜です。
油分が多く酸化しやすい食品や、臭いを吸収しやすいスポンジケーキなどは品質の劣化が早いので、長期間の保存は避けたほうがよいです。
手作りの冷凍食品を冷凍する際の6つの注意点
手作りの冷凍食品をきちんと冷凍することで、品質の劣化を抑えることができます。
品質を落とさずに冷凍するために、注意点を6つご紹介します。
加熱調理する
加熱調理すると細菌が死滅するので、きちんと火を通してから冷凍します。また、調理しておくと温めるだけで使うことができるので、使う際にも便利です。
空気に触れないように、ピタッとラップで包み密閉する
空気に触れると酸化や乾燥してしまうので、空気に触れさせないことが重要。ラップでしっかりと包み、保存袋に入れて密閉します。温かい状態でラップに包んでしまうと、水滴が出て品質が落ちやすくなるので、冷まして粗熱をとってからラップで包みます。
使いやすいように、1回分ずつ小分けにする
解凍したものを再冷凍すると品質が悪くなるので、1回分ずつ小分けにして冷凍します。小分けにすることで、必要な分だけ温めて食べることができます。
なるべく速く冷凍する
品質を落とさないために、素早く冷凍することを心がけることが大切。厚みがあると凍るまでに時間がかかるので、ラップで包んだ冷凍食品は重ならないように並べて、薄く平らになるように冷凍します。また、金属トレーの上にのせると短時間で冷凍できます。金属は熱伝導率が高いので、素早く熱を奪ってくれます。
※関連記事:【冷凍庫をもっと上手に】温度管理と冷凍方法のコツ
扉の開閉を最小限にする
冷凍庫の扉を開閉する際に外から空気が入ると、霜が付いて冷却効果が低下したり、庫内の温度が上がったりします。-18℃の適温を維持するためには、開閉頻度を最小限にすることが重要です。冷凍庫を開ける前に、取り出す食品を決める、食品をしまうスペースを決めて取り出しやすいように整理するといった工夫が必要です。
温かいものは冷ましてから冷凍する
加熱調理した食品は、粗熱を取ってから冷凍庫に入れましょう。保存容器に入れた食品を温かいまま冷凍庫に入れると、食材が傷む原因となります。ただし、常温で長時間放置することも食材が傷む原因となるため、粗熱が取れたら速やかに冷凍庫に入れましょう。
まとめ
食品を冷凍すると細菌の繁殖を抑えることができるので、長期間の保存ができます。特に市販の冷凍食品は急速冷凍されているので、品質の良い状態を長期間維持することが可能。しかし、長期間保存できるといっても、賞味期限はあります。段々と美味しさも失われてしまいますので、賞味期限を目安に、早めに食べることをおすすめします。
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