【冷凍庫をもっと上手に】温度管理と冷凍方法のコツ

冷凍することで、食品の保存期間は格段に延びます。

冷凍庫は食品を安全に保つことができる温度に設定されているので、食品の保存に関しては有効な手段です。

冷凍することのメリット、デメリットを知り、適切な冷凍方法を知ることで、より効果的な保存をすることができます。

冷凍庫の役割と基準温度

冷凍庫の温度基準

なぜ、冷凍することで長期間の保存ができるようになるのでしょうか?

温度を低下させることで、細菌の活動を抑制することができるからです。食品の腐敗は、細菌が活動、増殖して、食品内の成分を分解し発酵させることで起こります。

ですので、細菌の活動を抑えることができれば、食品の腐敗を防ぐことができます。

また冷凍することで、食品の劣化を防ぐこともできます。

劣化の原因は、酸化などの科学的作用によって栄養素や食感などが変わってしまうこと、酵素作用によってタンパク質が分解されてしまうこと、微生物によって腐敗してしまうこと、が挙げられます。

温度を下げることで、食品劣化の原因を抑えることができるので、冷凍することで食品を安全に保存することができます。

どれくらい温度を下げれば、食品の保存において安全なのでしょうか?

一般的な基準となっているのが-18℃。この温度は、低温に強い細菌においても活動をほぼ停止させ、食品を約12ヶ月保存することができる目安となっています。

冷凍庫の世界的基準も-18℃という数値が定められています。

温度管理と適切な冷凍方法

業務用冷凍庫
出典:http://r-mugendou.com/item/heroskin.cgi?table=chubo&search=121221160203002&skin=skin2.htm

業務用の冷凍庫は、家庭用の冷凍庫よりも低温に設定されていて、-20℃~-30℃という温度設定が一般的です。

冷凍庫の開け閉めを頻繁に行うと、庫内の温度がどうしても上がってしまうので、業務用の冷凍庫は常時-18℃以下を保つことができる温度に設定されています。

また、-20℃という温度では、品質の劣化が進んでしまう食品があるので、-60℃近くまで温度を下げることができる冷凍庫もあります。

例えば、マグロは鮮度維持が難しく、すぐに色が変わってしまいます。-35℃という低温では、変色をほぼ抑えることができ、-60℃になるとほぼ変わらない鮮度を保つことができます。

ほぼ全ての食品において、温度を下げれば下げるほど、鮮度を保つことができます。しかし、冷凍庫の温度を下げれば、それだけコストもかかります。

温度設定を変えずに、なるべく効率的に冷凍するためにはどうすれば良いのでしょうか?

効率的に冷凍するためには、温度の低い状態を維持できるよう温度管理をすること、食品を適切に保存することが重要となります。

低温を維持するための方法

冷凍庫内の温度を上げないように、開け閉めは極力少なくし、調理加工した食品は十分に冷却してから冷凍庫に入れます。

隙間ができないように食品を詰めて保存すると、開け閉めの際に暖かい空気に触れる面積を小さくすることができます。

また、食品同士がくっ付くことで互いに保冷材の役割を果たします。

食品を適切に保存する方法

重要なことは、食品をなるべく早く冷凍させることです。

空気に触れないようにするために、できれば真空パックが望ましいですが、ラップなどをしっかりと巻きます。

食品を乾燥から守るためもありますが、空気は熱伝導率が悪いので、空気に触れていると冷却するのに時間がかかります。

また、平らにして冷風が当たる表面積を大きくさせると冷却効果があります。

アルミトレイにのせると、より効果的。アルミは熱伝導率がステンレスの約14倍高いので、冷却時間を短縮することができます。

このように、低温を維持させ食品を素早く冷凍させることで、コストをかけずに効果的に冷凍保存することができます。

冷凍庫と冷蔵庫の設定温度の違い

冷蔵冷凍

冷凍庫は、食品を安全かつ長期的に保存をするために使用します。

冷凍保存することのメリットはたくさんありますが、冷凍すると解凍時に品質が落ちてしまうというデメリットや、食品によっては冷凍に向いていない場合もあります。

ですので、食品や用途によって保存の仕方は変わります。

短期的な保存や冷凍できない食品の保存では、冷蔵庫を使用します。冷蔵庫と言っても、庫内は様々な部屋に分かれているので、要注意。

それぞれの部屋の設定温度は異なるので、きちんと把握することで最適な活用をすることができます。

冷蔵室の温度は1~5℃、野菜室は3~7℃、ドアポケットは6~9℃、チルド室は約0℃に設定されています。冷蔵庫は低温での保存が必要ですが、すぐに食べる食品や、凍らせてはいけない食品の保存に使われます。

ドアポケットは冷蔵室よりも温度が高く、開け閉めなどで温度変化があるので、調味料や卵などの保存に向いています。野菜室は冷気が直接当たらないよう設計されているので、冷蔵室よりも温度が高めになっています。

チルド室は、凍るか凍らないかギリギリの温度設定がされています。冷凍すると解凍時に品質が落ちてしまう肉や魚の短期的な保存には、チルド室が最も適しています。

このように、食品や用途によって冷凍庫と冷蔵庫に分けるだけではなく、冷蔵庫の中を使い分けることで、より良い保存ができるようになります。

まとめ

冷凍庫で保存することで腐敗を防ぎ、食品を安全に保つことができます。

しかし、冷凍保存に向かない場合や食品もあるので、上手に使い分けることが必要です。

また、少しの工夫でコストをかけずに効果的な冷凍をすることができるので、実践してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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