ほうれん草の冷凍保存方法とレシピをご紹介【写真付きで解説!】
「ほうれん草はすぐにしなびちゃって保存できない」と諦めていませんか?
栄養価が高く、和食、洋食、中華と様々な料理で活躍してくれるほうれん草ですが、すぐに傷んでしまうため買い置きできない、と思っている人が多くいます。
しかし、ほうれん草は嬉しいことに冷凍保存に適した野菜なのです。
ほうれん草を冷凍すれば長期間保存できるうえに、冷凍した状態ですぐ使えるので料理の手間も省けます。
ここでは冷凍保存する際の方法や保存期間、レシピについて説明します。
目次
ほうれん草を冷凍保存するメリット
冷凍は栄養を逃がさない
ほうれん草を冷凍すると、冷凍時の栄養をそのまま閉じ込めることができます。
ほうれん草は栄養価の優れた野菜でビタミンⅭをはじめ、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンK、葉酸などのビタミンが豊富です。
しかし、これらの栄養素は収穫後日を追うごとに失われていってしまいます。
ほうれん草に含まれるビタミンCは冷蔵庫で9日間保存すると70%減少したが、茹でたほうれん草を冷凍庫で保存した場合、数ヶ月後にも大きな変化はみられなかったという実験結果もあります。
「旬」の状態をより長く
旬の時期に冷凍保存することで美味しく、そして栄養豊かなほうれん草を長期にわたっていただくことができます。
ほうれん草の旬は冬ですので、冬のほうれん草にはほかの時期よりさらに多くのビタミンが含まれており、甘みも強くなります。この状態を保存しましょう。
「生」のほうれん草にこだわって無理やり冷蔵庫で保存するより、新鮮なうちに冷凍保存することをおすすめします。
料理の手間をはぶくことができ、健康にも良い
ほうれん草を冷凍保存しておくと、下準備にかかる時間と手間を省くことができることも一つのメリットです。
さらに、冷凍したほうれん草は調味料の味がなじみやすいため、健康のために塩分を控えても薄く感じない、といった効果もあります。
ほうれん草の冷凍保存方法
ほうれん草を生のまま冷凍する方法
1.ほうれん草をきれいに洗いよく水けをきります。
2.そのままフリーザーバックに入れます。
3.冷凍庫の温度をなるべく下げてフリーザーバッグを入れ凍らせます。
この方法だとフリーザーバッグが冷凍庫の中でかさ張ってしまい、解凍時にはせっかくの栄養素が失われてしまいます。
冷凍時に細胞壁が壊れ、解凍時に細胞の中の水分が栄養素とともに流れ出てしまうからです。
また解凍してから茹でると、さらに栄養素が流れ出てしまいます。生のまま冷凍したほうれん草は、そのままスムージーや野菜ジュースにしていただくのがベストです。
茹でてから冷凍する方法
1.ほうれん草を洗います。根のほうの汚れもしっかり落としましょう。
2.沸騰したお湯に野菜を入れ、さっとゆでます。加熱時間は野菜の種類や大きさによりますが、10秒から30秒くらいが目安になります。お湯に塩を一つまみ加えると茹でた後の色味もよくなります。
ほうれん草や小松菜は固い根の部分から先に茹でるのがポイントです。
2.ざるに揚げ、冷水で一気に冷やします。
3.水気を切り、使いやすい大きさに切ります。お浸しなどにする場合は3等分がちょうど良いでしょう。
3.水気をしっかりふき取ります。
水気が残ったまま冷凍すると霜が付いて野菜を傷めてしまうので、ペーパータオルなどでしっかりふき取りましょう。
4.1フリーザーパックに入れて冷凍します。閉じるときに出来るだけ空気を抜きましょう。保存中に酸化したり、変色したりするのを防げます。
【より高品質に冷凍したいとき】
4.2冷凍庫に余裕があれば金属トレーの上にのせて冷凍しましょう。金属の熱伝導率は空気の30倍以上なので、より早く冷凍でき、冷凍の品質も良くなります。野菜が完全に凍ったら、フリーザーパックに入れて代えて保管します。
野菜を軽く下茹でして保存期間を延ばすテクニックをブランチングといいますが、以下の記事で詳しく紹介しています。
>>【野菜の保存期間を劇的に延ばす!】ブランチング処理とは?
ほうれん草の解凍方法と保存期間
冷凍ほうれん草の解凍方法
流水解凍は栄養素が流れ出てしまうので避けましょう。
スープに入れる場合は凍ったままスープに入れます。柔らかくなりやすいので、スープがほぼ完成した段階で加えます。
炒めるときには、手でほぐせるぐらいまで電子レンジで解凍し、ほぐしながらフライパンに加えます。
和え物などそのままいただくときには電子レンジで半解凍します。調味料と合わせているうちに完全に解凍できます。
冷凍ほうれん草の保存期間
一般的には1ヶ月ほどの保存が望ましいと言われています。
冷凍庫の開け閉めに気をつけたり、ほうれん草を冷凍庫の奥の方に置くなどして温度変化の影響が少ない状態で保存できれば、2,3ヶ月の保存が可能です。
栄養士が解説!ほうれん草の栄養について
ほうれん草は総合栄養野菜と評されるように、非常に栄養価が高い緑黄野菜です。
ですが、硝酸とシュウ酸が含まれているため、少し注意が必要です☝
硝酸は体内で亜硝酸に変化し、食肉加工に発色剤として使われる亜硝酸ナトリウムが肉や魚介類に含まれるアミンという物質に反応してニトロソアミンという発ガン性物質に変化します。
亜硝酸塩が使用されている以下の食品は、食べ合わせが良くないので避けましょう。
・ハム、ベーコン、ソーセージ
・イクラ、スジコ、タラコ等
シュウ酸はほうれん草独特のえぐみです。つまりアクの事です。
カルシウムの吸収を妨げたり、カルシウムと結合して結石を引き起こすことがあります。だからアク抜きするんです。
ただし、普段の食事では問題ありません。茹でることで含有量を半分ほどに減らすことができますので、生で食べずに茹でて、流水でさっと洗ってから食べましょう!
栄養士るり
戸板女子短期大学で栄養士の資格を取得し、同大学を卒業。卒業後杏林大学で食品衛生管理者の資格も取得。現在はデイブレイク株式会社で食材の冷凍情報を発信しながら、様々な食材の冷凍実験を統括。趣味は旅行とフラダンス。
冷凍ほうれん草を使った簡単レシピ3選
冷凍ほうれん草のおひたし
☑材料(2人分)
・ほうれん草1束分
・かつおだし 適宜
・水 150㏄
・白醤油 小さじ2
・みりん 小さじ1
・ゆず 1つ
<作り方>
1)小ぶりの鍋に水とだし昆布を入れ火にかけます。
2)沸騰したら、かつおだし、白醤油、みりん、ゆずの皮の千切りを加えます。
3)冷凍したままのほうれん草を入れ弱火にし、ぼぐしながら解かします。
4)ほうれん草が解けたら火を止め、ゆずの搾り汁を回しかけ完成です。
ほうれん草の卵スープ
☑材料(4人分)
・ほうれん草 1束分
・トウモロコシ 1本
・卵 2個
・水 600㏄
・中華だし 適宜
・片栗粉 適宜
・塩 適宜
・コショウ 少々
・ごま油 少々
<作り方>
1)鍋にお湯を沸かし、トウモロコシをそぎ切りにしながら加えます。
2)アクを取り除き中華だし、塩、コショウで味を整えます。
3)水溶き片栗粉を加え全体に少しのとろみをつけます。
4)ほうれん草を凍ったまま加え、八分ほど解けたところで溶き卵を流し込みます。
5)卵が細く浮かぶようにし火を止めます。
6)スープカップに取り分け、ごま油を回しかけたら出来上がりです。
ほうれん草のスムージー
☑材料(1人分)
・ほうれん草 2束分
・バナナ 1本
・リンゴ 半分
・水 120㏄
<作り方>
1)凍ったままのほうれん草、バナナ、リンゴ、水をブレンダーに入れしっかりと撹拌します。
2)青臭さが苦手で飲みにくいようであれば、はちみつを加えて調整します。
冷凍ほうれん草を使った離乳食レシピ
ほうれん草の白和え
出典:https://cookpad.com/recipe/840458
☑材料
・ほうれん草 葉部分 適量
・豆腐 適量
<作り方>
1)茹でてから冷凍したほうれん草を、電子レンジで加熱し解凍します。
2)ほうれん草を裏ごしします。
3)豆腐を1分半茹でます。
4)豆腐の水気を切り、すりつぶします。
5)ほうれん草とあえて完成です。
ほうれん草の苦みが苦手なようであれば、豆腐を多めにするとよいです。
冷凍ほうれん草を使ったお弁当向きレシピ
ほうれん草の豚肉巻き
☑材料(2人分)
・ほうれん草 二束分
・ニンジン 小半分
・豚薄切りもも肉 4枚
・醤油 大さじ2
・みりん 大さじ2
・砂糖 大さじ1
<作り方>
1)バットに豚の薄切りもも肉を広げます。
2)半解凍にしたほうれん草と、拍子木切りにして茹でたニンジンを手前側にのせます。
3)クルクルと丸めます。フライパンに軽く油を敷き火にかけ、巻き終わりを下にして焼き付けます。
4)ひっくり返しながら全体を焼き、焦げ目がついたら醤油、みりん、砂糖を加え全体にまんべんなくからめます。
5)火を止め、粗熱がとれたら二つに切り、切り口を見せるようにしてお弁当箱に盛り付けます。
まとめ
栄養豊富なほうれん草ですが、保存方法を間違えるとせっかくの栄養が減少してしまいます。
冷凍、解凍を正しくすることで、効率的に栄養を摂取することができます。
ここで紹介したのはとても簡単な方法ですので、ぜひ試してみてください。