【製造・飲食業向け】チルド食品とは?冷凍との違いや特徴を解説

こんにちは。急速冷凍機の厳選比較サイト「春夏秋凍」のライターチームです。
製造業や飲食業において、商品ラインナップの拡充は企業成長の重要な戦略です。近年、チルド食品は鮮度と利便性を両立させた食品カテゴリーとして、注目されています。この記事では、チルド食品の基本や品質管理の方法、ビジネスメリットなど、自社の売上拡大を検討する企業担当者に役立つ情報を徹底解説します。
この記事でわかること/解決できること
- チルド食品の定義と冷蔵・冷凍との違いが明確になる
- チルド商品の品質を保つための保存方法と注意点が理解できる
- チルド食品に適した食品と適さない食品の選び方がわかる
- チルド商品の導入によるビジネス上のメリットとデメリットが把握できる
- フローズンチルド食品の仕組みと活用時の注意点が理解できる
目次
チルド商品とは?
チルド商品は、0℃〜10℃程度の低温で保存・流通される食品を指します。食品が凍結寸前まで冷やされることで、菌の繁殖を遅らせることが可能です。代表的なチルド商品には、カット野菜、ジュース、豆腐、ウィンナーやハムなどの加工肉、ヨーグルト、コンビニ弁当、惣菜類、スイーツなどがあります。
チルド商品の流通には、専用の温度管理施設やクール便による配送が求められ、一般商材よりも管理運営が複雑です。
※関連記事:【鮮度長持ち!】チルド保存、チルド輸送の長所短所を解説します
冷蔵・冷凍商品との違い
チルド・冷蔵・冷凍の違いは、管理する温度帯です。チルド・冷蔵商品は、0℃〜10℃で管理され、冷凍商品は-18℃以下で管理されます。一般的に、冷蔵商品のなかでも、より低温で管理されるものをチルド商品と呼びます。
冷凍食品は、菌の繁殖が完全に停止する温度で保存されるため、長期保存が可能です。一方、チルド食品は鮮度と品質を保持できますが、微生物の成長を遅らせるだけで完全には止めないため、保存期間は冷凍食品よりも短くなります。
※関連記事:【実は栄養価が高い!】知っておきたい冷凍食品の豆知識
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チルド商品の保存方法と品質保持のポイント
チルド商品は温度管理が重要です。品質を維持するための、基本的な考え方について解説します。
※関連記事:野菜・果物を鮮度保持する4つの方法と食品全般に対応する最新技術
保存温度の管理と品質を保つコツ
チルド商品の保存には、適切な温度管理が最も重要です。0℃〜10℃の範囲での管理が一般的ですが、わずかな温度差が品質に大きく影響します。0℃以上は低温細菌が繁殖可能で、10℃以下で保っても繁殖が遅延するだけです。
逆に、-5℃〜-1℃の低温は最大氷結晶生成帯と呼ばれ、食品の水分が凍りやすく、この温度帯の通過時間が長いと品質低下を招きます。チルド商品の保存時のポイントは、食品を詰め込みすぎない、定期的に庫内を清掃・消毒する、温度を毎日記録・確認することです。
※関連記事:【冷凍庫をもっと上手に】温度管理と冷凍方法のコツ
賞味期限・消費期限の違いと目安
「賞味期限」と「消費期限」の2つの期限表示には、明確な違いがあります。賞味期限は、適切な保存状態で品質を保てる期間を示し、期限後もすぐに食べられなくなるわけではありません。缶詰やお菓子など、品質低下が緩やかな食品に設定されます。
一方、消費期限は、安全に食べられる期限で、生肉や生魚など劣化が速い食品に設定されます。この期限を過ぎると安全性が保証できないということを示します。チルド商品は、冷凍商品より品質保持期間が短くなります。冷凍では1か月以上保持できる商品でも、チルドでは難しい場合が多いため、適切な期限管理が必要です。
※関連記事:新商品の企画に必須!賞味期限の決め方と冷凍食品に必要な急速冷凍
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チルド商品におすすめの食品・おすすめしない食品
どのような食品がチルド商品に適しているのかを解説します。
チルド商品に向いている食品
果物や野菜は、低温ほど呼吸活動が抑制され、糖分の分解が遅くなるため、チルド保存すると品質劣化を防げます。特に呼吸量が多い葉物野菜に効果的です。キムチ、納豆、ヨーグルトといった発酵食品は、チルド保存で発酵の進行を適度に抑制でき、風味を保ったまま保存期間を延ばせます。
また、ちくわや蒲鉾などの練り物はチルド保存が向いています。肉や魚介類も、鮮度を維持するためにチルド保存が向いています。
チルド商品に向かない食品
ビールはチルド保存すると一部が凍結して風味や泡立ちが損なわれることがあります。
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チルド商品のメリット
チルド商品のビジネス上の主な3つのメリットを解説します。
メリット1.食品の鮮度・品質維持による商品価値向上
チルド商品は、食品の鮮度を長期間保持することが可能です。野菜のような生鮮食品は、流通する数日間で品質が低下しますが、チルド環境では1週間以上鮮度を維持できます。これにより、商品価値が向上し、高単価での販売や売上増加につながります。
メリット2.食品ロス削減によるコスト削減効果
チルド商品は、コスト削減効果が期待できます。適切な温度管理によって、商品の賞味期限を延長でき、食品ロスを最小限に抑えられるためです。特に、生鮮食品や加工食品は温度変化に敏感なため、チルド環境での管理が効果的です。
※関連記事:【食品ロスの現状と対策】削減への取り組みと急速冷凍とは!?
メリット3.消費者イメージの向上による販売促進効果
近年は家庭用冷蔵庫のチルド室の一般化により、消費者のチルド商品への関心もより高まっています。「新鮮で美味しい」という、チルド商品に対するポジティブなイメージを活用することで、商品の訴求力が高まり、販売促進効果が期待できます。
※関連記事:冷凍食品の需要増加の理由とは?業界のニーズと食品市場の新トレンドを解説
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チルド商品のデメリット
チルド商品には多くのメリットがある一方で、考慮すべきデメリットも存在します。主な3つのデメリットを解説します。
デメリット1.一貫したチルド流通体制の構築コスト
チルド商品は、生産から消費者までの一貫したチルド輸送体制を整えることで、鮮度をより保つことが可能です。大手外食チェーンで、産地からの直接買い付けを増やしているのは、そのためです。しかし、こうした体制構築には、大きな初期投資が必要となります。
デメリット2.冷却設備・輸送コストの増加
チルド商品の流通は、常温流通と比較してコストがかかります。定温輸送用トラックには冷却装置が必要となり、燃料費も通常より多く消費します。小規模企業の場合、独自での物流の効率化が難しく、チルド輸送が割高となる可能性があります。
デメリット3.厳格な温度・賞味期限管理の必要性
チルド商品は、適切な温度管理が24時間体制で必要です。温度管理が不適切だと商品の品質劣化や細菌繁殖のリスクが高まります。また、商品ごとに異なる賞味期限や消費期限の管理を誤れば、消費者の信頼喪失や法的問題につながる可能性もあります。
※関連記事:冷凍食品の安全性を保つ製造工程とは?規格基準や実際の手順を解説
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チルド商品と冷凍商品の使い分け
チルド商品と冷凍商品の使い分けは、商品特性と販売戦略で決まります。チルド商品は、鮮度と風味を重視する商品に適していますが、保存期間は数日〜数週間と短めです。生鮮食品の短期流通や発酵食品、乳製品などに向いています。
一方、冷凍商品は、細菌活動が完全に停止するため長期保存が可能で、在庫リスク低減やロス削減に効果的です。季節商品や需要変動の大きい商品に適しています。急速冷凍を用いれば相性の悪い食品はほとんどないため、品質維持も可能です。
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普及するフローズンチルド食品とは
フローズンチルド食品とは、冷凍状態で保存・輸送された後、販売前に解凍されチルド温度帯で販売される食品です。冷凍保存時は微生物や酵素の活性を抑制し品質を長期保持でき、販売時には解凍済みでチルド食品と同様に提供できる利点があります。食品ロス削減や物流効率化のニーズから、近年、対象カテゴリーは拡大傾向です。
活用方法
フローズンチルド食品の活用は、生産・流通の効率化と付加価値向上に役立ちます。製造後すぐに冷凍保存することで長期保存が可能となり、需要に合わせた解凍・販売ができるため食品ロスを削減できます。また、輸入食品では冷凍状態で輸送し、販売地で解凍する方法が鮮度維持に効果的です。
注意点
フローズンチルド食品を取り扱う際は、保存温度帯変更に伴う表示義務に注意が必要です。冷凍から冷蔵への変更時には、新たな保存方法と期限を設定し直し、適切に表示し直さなければなりません。また、解凍後は通常のチルド食品同様、細菌増殖や品質劣化が進むため、厳格な温度管理と製造から消費までの各段階での適切な衛生管理が求められます。
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まとめ
チルド商品は、0℃〜10℃の温度帯で管理される食品カテゴリーで、より菌が繁殖しにくく長持ちする特性を持っています。果物・野菜、発酵食品などに適しており、商品価値向上、食品ロス削減、消費者イメージ向上といったビジネスメリットがあります。一方で、コスト面や管理面の課題もあります。
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