冷凍食品の需要増加の理由とは?業界のニーズと食品市場の新トレンドを解説

近年、冷凍食品の市場は急速に拡大傾向です。その背後には、消費者のライフスタイルの変化や食品の冷凍技術の進化など、さまざまな要因が影響しています。

では、実際にどのようなポイントが冷凍食品市場の動向に影響を与えているのでしょうか。

本記事では、冷凍食品が注目されている理由や食品業界のニーズ、最新のトレンドなどについて詳しく解説します。

冷凍食品の人気急上昇、その理由とは

買い物をする女性

近年、冷凍食品の人気が急上昇しています。なぜ、ここまで冷凍食品の人気が高まっているのでしょうか。ここでは、冷凍食品が人気となっている理由について解説します。

データから見る冷凍食品の需要増加

2022年にマイボイスコム株式会社が行なった「冷凍食品の利用に関するインターネット調査」によると、冷凍食品の利用者は全体の約85%を占めていました。そのなかで週1回以上冷凍食品を手に取る方は、半数以上に上りました。新型コロナウイルスの影響で冷凍食品をよく使用するようになったと感じる人も、全体の約3割に迫る数になっています。

利用者の多くは、冷凍食品のメリットとして「長期保存が可能」「調理が早い」「手順が簡単」といった点を挙げました。

ほかには、「調理の時間を削減できる」「少しの量から活用できる」という回答もあります。購入の際には、約7割の人が「風味」「コスト」を特に気にしており、風味の充実が利用をさらに促進するポイントとなるでしょう。

なぜ冷凍食品が人気なのか、その背景を探る

冷凍食品に関する口コミを見ると、「おいしい」「手軽」「使い勝手が良い」といった評価が多く見受けられます。特に、男女や年代を問わず、「調理の手間が省ける」「少量でも利用できる」といったことが支持されている傾向です。

コロナ禍で外食を控える機会が増え、在宅時間が長くなる中、「簡単に料理を作りたい」というニーズが高まっています。冷凍食品は、保存性に優れ、必要な分量だけ取り出して調理できる利便性が評価されているといえるでしょう。

一方で、おいしさに対する要望も強い傾向です。近年は、冷凍技術の進歩もあり、品質の高い冷凍食品が増えてきたことで、満足度が向上している様子が口コミからもうかがえました。今後もおいしさを追求しつつ、使い勝手の良さをアピールしていくことがポイントといえるでしょう。

冷凍食品の最新トレンドと注目製品

新型コロナウイルスの影響を受けて、簡単に調理できる冷凍食品の人気が高まっています。冷凍食品の市場は着実に成長しており、特に60代以上の方は2013年頃から冷凍食品を購入する比率が高まっている状況です。

冷凍食品といえば若者世代が利用しているイメージがありますが、おいしくなったことや健康志向を意識した商品が増えてきていることも影響があるのかもしれません。

商品別で見ると、餃子やラーメンなどの冷凍商品は売上を伸ばしており、そのサイズと使いやすさが評価されています。対照的に、餃子やラーメンのチルド食品の売上は頭打ちでした。

冷凍食品では、ほかにハンバーグやうどん、グラタンが前年比で売り上げを伸ばしています。

将来的には、冷凍食品のバリエーションが増え、消費者の具体的な要求に応える商品が開発されることが予想されます。

進化する冷凍技術により、冷凍食品の味わいも一段と向上しているため、冷凍食品市場の潜在力は非常に大きいでしょう。小売業者からは、消費者に合わせた豊富な冷凍食品のラインナップが望まれています

冷凍食品業界の現状と将来性

1940年代にはすでにその原型があったといわれる冷凍食品。

おいしさに磨きがかかり、日本の冷凍食品業界は、継続的な成長を続けています。ここでは、冷凍食品業界の現状とその将来的な動向について、詳しく見ていきましょう。

冷凍食品メーカーの取り組みと業界ニーズ

一般社団法人日本冷凍食品協会が2023年4月に発表した「“冷凍食品の利用状況”実態調査結果」によると、男女ともに冷凍食品を利用した理由に「調理が簡単で便利だから」「おいしい商品が増えたから」を挙げています。

冷凍食品メーカーは、このような消費者のニーズに対応するため、新しい冷凍技術でおいしさを損なわない冷凍食品を作る方向に力を入れてきました。

また、冷凍食品を使用する際に出るごみを処理するわずらわしさを軽減するため、紙を原料としたパッケージの開発も進んでいます。

冷凍食品に抱かれがちな「おいしくないし栄養もなさそう」といったマイナスイメージに対して、冷凍食品業界全体で最新の技術を駆使した商品開発が進められているのです。

こういった企業努力が結果として、現在の好調な売れ行きにつながっているといえるでしょう。

ほかにも業界としての取り組みには、効率的な物流(コールドチェーン)の確立・維持や環境への配慮などが挙げられます。

有料冷凍食品専門店の台頭とその理由

近年は、冷凍食品専門店が増えてきました。これは、冷凍食品の品質や多様性の向上にともない、消費者が高品質な商品を求めるようになったためです。

専門店では、一般のスーパーやコンビニで手に入らないような特色ある商品を提供しており、消費者のニーズに応えています。

冷凍食品専門店の代表例として挙げられるのが、イオンリテールの冷凍食品専門店「@FROZEN」です。イオンリテールでは、@FROZENの展開を進め、2023年度中には5店舗の展開を予定しています。

@FROZENは、冷凍食品に新しい魅力をもたらすことを目指しており、すでに千葉県に1号店を出店しました。

店舗内では、朝食からディナーまでのさまざまな食事シーンを想定し、約1,500品目を超える冷凍食品を取り扱っています。

また、地域や海外の有名店の味を再現した限定商品の開発にも尽力中です。さらに、@FROZENの商品はネットでも購入可能で、宅配や保冷バッグのサービスを展開している点も特徴的といえます。

冷凍食品開発の技術動向と今後の展望

食品を保存するという役目とともに、おいしさも極めてきた冷凍食品。冷凍食品の開発は、技術の進化とともに新しい方向へと進展しています。

ここでは、その技術動向や今後の展望について詳しく解説します。

保存技術の進化と冷凍品質への影響

近年の冷凍技術の進化により、冷凍食品の品質が格段に向上していることをご存じでしょうか。

特に、急速冷凍技術の進化により、食材の鮮度や栄養価を損なうことなく、長期間保存することが可能となっています。

これにより、冷凍食品の味や食感が以前よりも向上しており、消費者からの評価も高まっている状況です。

では、保存技術にはどのようなものがあるでしょうか。以下では、当社の急速冷凍機「アートロックフリーザー」を例にとって解説します。

アートロックフリーザーは、「AIスマートフリーズ」によって、食材の種類や状態に合わせて最適な冷凍設定を自動で行います。例えば、調理したばかりで熱い状態の食品を直接冷凍機に入れても、ほかの食材に影響を与えず冷凍する温度調節が可能です。

また、特殊なファン設計により、庫内全体で均一な冷凍が実現しており、食材の置き場所による品質のばらつきもなくなりました。さらに、「フリーズプロテクト」機能が、冷凍機の故障や品質低下を予防します。

これらの技術のおかげで、より手軽で、より高品質な冷凍が可能となり、冷凍食品の品質を新たな次元へと引き上げています。

中心的存在となる冷凍食品メーカーとその企画戦略

大手冷凍食品メーカーは、新しい商品開発やマーケティング戦略を駆使して、市場をリードしています。

特に、料理人が監修する本格的な冷凍料理の研究や、健康成分を取り入れた新しい商品の開発など、消費者の多様なニーズに応える取り組みが進められている傾向です。

ここでは、冷凍食品メーカーのリーディングカンパニー「味の素冷凍食品」の企画戦略を紹介します。

味の素冷凍食品は、19年連続で業界売上1位の「ギョーザ」を筆頭に、冷凍食品市場でのリードを続けている企業です。

マーケティング本部の製品戦略部長は、製品開発の基準として「我々にしかできないこと」を掲げ、新しい価値の提供が重要と考えています。

企業戦略としては、模倣や後追いをしない方針を取っていることが大きな特徴です。

2021年には、従来の冷凍ハンバーグの常識を覆す「ザ★ハンバーグ」を発売。

ギョーザは看板商品にも関わらずレシピ変更を行い、新規客の取り込みに成功しました。また、東京五輪の選手村で提供されました。

消費者の冷凍食品利用状況と意識の変化

冷凍食品の利用状況や消費者の意識の変化についても、具体的に見ていきましょう。

なぜ冷凍食品が手軽か、その便利な機能と利用者動向

冷凍食品は、保存性が高く、調理も手軽なため、多忙な現代人にとって非常に便利な食品として認識されています。

冷凍技術の進歩は、食品の栄養価をしっかりと保持することができるため、健康志向の消費者にも受け入れられている傾向です。

冷凍の魚介類や野菜、さらには調理済み食品など、幅広い種類の商品が市場に登場しており、どれも短時間での調理ができます。利便性を追求する一方で、おいしさにも妥協がないという傾向も見受けられます。

また、伝統的な小売りの店舗はもちろん、ネットスーパーを利用した購入も増えており、いつでもどこでも手軽に冷凍食品を選び、購入可能です。

このように、冷凍食品は日常の食生活において、ますます欠かせない存在となってきました。

家庭の冷凍庫、食卓における冷凍食品の頻度

日常生活のなかで、冷凍食品は頻繁に利用されています。特に、家庭の冷凍庫には、さまざまな種類の冷凍食品が常備されていることが一般的です。

2021年に行なったマルハニチロの消費者アンケートによると、家庭の冷凍庫に入っている冷凍食品の品数は、2019年で4.7品、2021年は5.2品でした。

また、冷凍食品を利用する頻度は月1日以上が78.5%で、週に2~3日以上と答えた人も50%を超えています。

魅力を感じる冷凍食品を問う質問への回答は、1位が「レンジだけでできる」、2位が「手間がかかるメニューが冷凍食品になっている」、3位が「野菜がたっぷりとれる」でした。

これらの消費者ニーズに応える冷凍食品を生産するには、高度な冷凍技術を備えた急速冷凍機の導入が必要不可欠です。先述した当社の「アートロックフリーザー」も、消費者のニーズを満たせる高度な冷凍技術を備えています。

参考:~マルハニチロ「冷凍食品に関する調査 2021」~

まとめ

冷凍食品市場は、技術の進化や消費者ニーズの変化に応じて、新しい方向へと進展中です。急速冷凍機などの最新技術を活用することで、さらに高品質で多様な商品が提供されることが期待されています。

今後も冷凍食品は、私たちの食生活に欠かせない存在として、その地位を確立していくでしょう。

新たな冷凍食品を開発する際は、さまざまな可能性を広げる急速冷凍機の導入もご検討ください。

急速冷凍機であるアートロックフリーザーに興味がある人は一度お問い合わせください。

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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