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【写真付きで解説!】鯖の切り身の冷凍保存方法と厳選レシピ5選!

普段、買ってきた鯖をどのように保存していますか。

鯖は昔から傷みやすい食材と言われており、買ったその日に食べるのでなければ、保存は難しいとされてきました。

しかし、冷凍保存を活用することで、数週間の保存が可能になります。

冷凍方法にもいくつか種類があり、ただラップに巻いて冷凍する方法もあれば、下味をつけて冷凍する方法もあります。

特に下味をつけて冷凍する方法は、味噌煮や味噌漬け、竜田揚げなどの定番料理にも応用可能です。上手に活用することで、調理時間の短縮を図ることもできます。

こちらの記事では、鯖の冷凍保存方法のほかにも、適切な解凍方法や保存期間の目安を紹介しています。記事の後半には、冷凍した食材を使ったレシピもご紹介しますので、ぜひご覧になってみてください。

鯖の栄養

鯖の栄養価とカロリー

鯖のカロリーは100gあたり 202kcal(ま鯖・生)です。

代表的な青魚のカロリー比較のグラフ

代表的な青魚同士を比べると、鯖のカロリーは低い部類に位置することが分かります。参考までに、最高値がさんまの310kcal、最小値がきはだまぐろの106kcalです。

ビタミン・ミネラル共に豊富に含んでいる食材で、特筆すべき栄養素に、ビタミンA鉄分セレンなどがあります。その他にも、青魚の特徴である不飽和脂肪酸も見逃せません。

ビタミン・ミネラルの一覧は以下の通り。

【ビタミン】
ビタミンA、D、E、K、B1、B2、ナイアシン、B6、B12、パントテン酸、葉酸、ビオチン

【ミネラル】
カルシウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、マンガン、ヨウ素、クロム、セレン

【脂肪酸】
DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)

鯖の効能

【動脈硬化防止効果】
鯖には動脈硬化防止の働きがあります。これは、不飽和脂肪酸であるDHAやEPAの働きによるもので、コレステロール値を改善し、中性脂肪の量を減少させる働きが認められています。これら不飽和脂肪酸は動脈硬化リスクを軽減し、脳梗塞や心筋梗塞を防いでくれます。

【ボケ防止効果】
不飽和脂肪酸のDHAには、もう一つの側面があります。それが、ボケ防止効果です。DHAには脳細胞を活発化させ、脳内の電気信号の伝達率を向上させる力があります。脳内の信号伝達がスムーズに行われることで、記憶力や学習能力の向上につながるといわれているのです。

【アンチエイジング効果】
また、意外ですがアンチエイジングの働きもあります。鯖には、ミネラルの一種であるセレンが豊富に含まれていることは先ほどご紹介しました。セレンは強い抗酸化力をもち、活性酸素による細胞の損傷を防いでくれることから、アンチエイジングへの効果が期待されています。

その他、血合い部分に含まれる鉄分には貧血防止効果が、ビタミンAには眼精疲労防止効果などがあります。

鯖を冷凍するメリット

鯖の味噌煮

食中毒の心配がなくなる

鯖は痛むのが早い食材の一つと言われています。冷凍することで賞味期限を延ばすことができます。

また、青魚で最も危険なのはやはり「アニサキス」。しかし冷凍をすることで「アニサキス」は死滅させることができます。

長期保存が可能な上に、食中毒の心配もなくなるのならば、鯖を冷凍ストックしない手はありませんよね。

調理時間を短縮できる

魚の調理というと、三枚におろしたり、小骨を取り除いたりと、手間のかかる工程が多いのが特徴です。手がベタベタになったり、板が汚れたりといったストレスもあります。

冷凍保存のテクニックを知っていれば、一度にたくさんの鯖を捌いて、それらをまとめて冷凍しておくことができます。いったん捌いて冷凍してしまえば、あとは冷凍庫から出して加熱するだけで調理が済んでしまいます。

あらかじめ下味をつけてから冷凍しておけば、味付けをする手間や、たれを漬けこんで置く時間も省略することができます。冷凍保存を駆使すれば、調理にかかる時間や手間をグンと短縮することができるのです。

鯖の冷凍保存方法

生のまま冷凍する場合

【焼き魚にする場合】
1)切り身に塩を振ってしばらく置いた後、出てきた水をふき取ります。

塩を振った鯖の切り身から出てきた水気をキッチンペーパーで拭き取っている様子

2)一切れずつラップでしっかりと包み、フリーザーバッグに入れて冷凍します。

一切れずつラップに包みフリーザーバッグに入れた様子

★塩焼きをするのに向いています。
★フリーザーバッグ内の空気もできる限り抜きましょう(空気に触れることによる酸化を防ぐため)。

【煮魚にする場合】
1)皮側に×の切り込みを入れ、熱湯にさっとくぐらせる、あるいは水洗いして、血合いや汚れを取り除きます。

水気をキッチンペーパーで拭き取っている様子

2)水気を拭きとり、ラップで一切れずつぴっちりと包み、フリーザーバッグに入れて冷凍します。

ラップにぴっちりと包みフリーザーバッグに入れた様子

★味噌煮や生姜煮を作るのに向いています。
★あらかじめ血合いや汚れを取っておくことで、解凍後、臭みを取った状態で調理を始めることができます。

下味をつけて冷凍する場合

1)切り身をフリーザーバッグに入れ、調味料を加えます。

フリーザーバッグに入れた鯖と調味料

2)フリーザーバッグの空気を抜きながら封をして冷凍します。

調味料につけた鯖をフリーザーバッグに入れた様子

★竜田揚げや味噌漬け焼きを作るのに向いています。

鯖の解凍方法と保存期間

金属バットの上にのった凍結された鯖

鯖の解凍方法

【冷蔵庫解凍】
冷凍した鯖は、基本的に冷蔵庫で解凍することをオススメします。解凍には6時間以上かかることが多いので、調理開始時間から逆算して解凍してください。

【氷水解凍】
ボウルに氷水を張り、そこに浸す氷水解凍を使えば、もう少し早く解凍することができます。食材の厚さや室温にもよりますが、1~3時間程度を一つの目安としてください。

鯖は傷みやすいため、常温解凍は勧められません。急ぎで解凍する場合は、電子レンジの解凍モードを使用するとよいでしょう。

【電子レンジ】
電子レンジを使用する場合は、完全に凍った状態(まったく溶けていない状態)のものを加熱するようにしてください。加熱ムラを防ぐことができます。

鯖の保存期間

生のまま冷凍した場合、保存期間の目安は2~3週間です。

下味をつけて冷凍した場合、保存期間の目安は3~4週間です。

下味をつけることで、食品内の水分が抜けるため、より長い期間美味しく保存することができます。

鯖を使った簡単レシピ5選

味噌煮

鯖の味噌煮

出典:https://cookpad.com/recipe/2586839

☑材料(2~4人分)
・鯖 2~4切れ
・水 100ml
●醤油 大さじ1
●味噌 大さじ2
●砂糖 大さじ2
●みりん 大さじ2
●酒 大さじ4
●おろししょうが 小さじ1

<作り方>
1)冷凍した鯖は冷蔵庫か氷水にて解凍し、皮側に×の切り込みを入れます。この時、もし血合いや汚れが残っている場合は、熱湯ないし水洗いで落としておきます。
2)鍋に水と●の調味料を入れ、中火で加熱したところに鯖を入れます。
3)簡単にアクを取ったら、落し蓋(アルミホイルでOK)をして弱火で10分煮込みます。
4)落し蓋を外して、中火で5分ほど加熱すると煮汁に粘性が出るので、完成です。

★煮ている間、鯖はひっくり返しません(煮崩れ防止のため)。

味噌漬け焼き

鯖の味噌漬け焼き

出典:https://cookpad.com/recipe/2599708

☑材料(4人分)
・鯖 4切れ
●味噌 大さじ3
●みりん 大さじ1
●酒 大さじ1
●すりおろししょうが 小さじ1

<作り方>
1)冷凍した鯖を冷蔵庫か氷水にて解凍し、水洗いをして、骨抜きをしておきます。(あらかじめ水洗い+骨抜きしてある鯖を冷凍しておくと作業が短縮できます。)
2)タッパウェアに●の調味料を混ぜ、鯖の両面に味噌だれを塗って、冷蔵庫に入れて1日漬けておきます。
3)十分漬け込んだら、味噌だれを洗い流し、キッチンペーパーでよく水気を拭きとり、鯖の両面を焼きあげます。

★あらかじめ●の調味料に付けた状態で冷凍しておけば、(1)~(2)の工程を省略し、一気に(4)から始めることができます。

塩焼き

鯖の塩焼き

出典:https://erecipe.woman.excite.co.jp

☑材料(2人分)
・鯖 2切れ
・塩 少々
・大根おろし お好み
・大葉
・レモン

<作り方>
1)冷凍した鯖を冷蔵庫か氷水にて解凍し、皮側に×の切り込みを入れます。塩を両面に振りかけ、10分ほど置いたら水気を拭きとっておきます。
2)グリルにサラダ油を軽く塗り、鯖の皮側を上にして焼きます。
3)器に大葉を敷き、鯖を盛りつけ、大根おろしとレモンを添えたら完成です。

★あらかじめ切れ込みを入れ、塩を染み込ませて冷凍しておけば、解凍せずに(2)の状態から始めることができます。
★買ってきた鯖を塩焼きにして冷凍する場合は、(2)で焼きあがった後に、ラップに包んで冷凍します。

生姜煮

鯖の生姜煮

出典:https://www.kyounoryouri.jp

☑材料(2人分)
・鯖 2切れ
・しょうが 1かけ
●醤油 20ml
●みりん 20ml
●酒 80ml
●水 80ml

<作り方>
1)冷凍した鯖は冷蔵庫か氷水にて解凍し、皮側に×の切り込みを入れます。この時、もし血合いや汚れが残っている場合は、熱湯ないし水洗いで落としておきます。
2)鍋に鯖、薄切りにしたしょうが、●の調味料を入れたら、落し蓋をしてとろみがつくまで中火で煮ます。

★煮汁の割合は「醤油:みりん:酒:水=1:1:4:4」が美味しく作るポイントです。
★あらかじめ切り込みを入れ、血合いなど汚れを取った状態で冷凍しておけば、解凍しないで(2)から始めることができます。

竜田揚げ

鯖の竜田揚げ

出典:https://cookpad.com/recipe/1038053

☑材料(4人分)
・鯖 4~6切れ
●醤油 大さじ2
●酒 大さじ1
●おろししょうが 小さじ1
●ガーリックパウダー 小さじ1
・片栗粉 適量
・油 適量

<作り方>
1)冷凍した鯖を冷蔵庫か氷水で解凍しておき、食べやすい大きさにカットしておきます。
2)●の調味料を混ぜ合わせ、ビニールの袋に鯖と一緒に入れ、冷蔵庫にて30分~半日ほど漬けおきます。
3)1枚ずつ片栗粉をまぶし、中火で焼き色がつくまで揚げます。最後にキッチンペーパーで余分な油をふき取ったら完成です。

★あらかじめ●の調味料に浸して冷凍しておけば、解凍後すぐに(3)から始めることができます。

まとめ

鯖の冷凍保存方法はいかがでしたか。

1.生のままの冷凍方法
2.下味をつけた冷凍方法

の2つの方法をご紹介しました。

1つ目の方法は、焼き魚パターンと煮魚パターンとで分けてご紹介しました。下処理に違いがあるものの、ラップに包んでフリーザーバッグに入れるという点で大きな違いはありません。

2つ目の下味をつける方法は、保存期間=たれをつける時間になるため、調理時間の短縮に直結します。下味の種類も豊富ですから、ぜひいろんな味付けを楽しんでください。

生のまま冷凍した場合は2~3週間、下味をつけて冷凍した場合は3~4週間を目安に保存してください。

鯖は一年を通して手に入りやすい食材ですから、冷凍保存する機会も多いかと思います。その時は、ぜひ今回の方法を試してみてください。

この記事の監修者

富山 知樹

ARTLOCKラボ マネージャー/管理栄養士/調理師
富山 知樹

フランス料理に魅了され、料理の世界へ。渡欧し二つ星レストランで修行。帰国後も日本のレストラン、会員制ホテルにて前菜・メイン・パン・デザートなどの部門を担当しつつ研鑽を積む。食による社会貢献や課題解決のため管理栄養士の資格をとり、現在はデイブレイクにて食×冷凍の研究を行うラボチームマネージャーを担当。

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