素材の品質にこだわるフルーツ大福の「弁才天」の、フルーツのおいしさを閉じ込めた冷凍技術。目指すは海外展開!日本が誇るフルーツと和菓子の魅力を世界の食卓へ

全国に35店舗を展開する、旬の果物が主役のフルーツ大福の専門店「弁才天」。もぎたてフルーツをまるごと使用した贅沢で彩り豊かなフルーツ大福で、地元客や観光客に大人気のお店です。自慢のフルーツ大福を長く、おいしく食べてもらいたいという想いから、最新の冷凍技術を採用。これまでどの急速冷凍機でも実現できなかったフルーツの品質保持を「アートロックフリーザー」で叶えました。さらに、「半解凍で食べる新感覚冷凍フルーツ大福」のECをスタートし、ECの売上は約5倍に成長。本記事では、「弁才天」が冷凍商品の発売に至った背景や成功の秘訣に迫ります。
基本情報
会社名:弁才天(https://ec.benzaiten-daifuku.jp/)
都道府県:愛知県
業種:製造小売
凍結品目:フルーツ大福
品質面での課題: 賞味期限の短いフルーツ大福を少しでも長く美味しい状態で遠方のお客様にも食べていただくこと
ビジネス面での課題: フルーツ大福は一つひとつ手作りなので、 製造量に限界があり、繁忙期には注文が入りすぎてお客様に届けきれない
導入機種:アートロックフリーザー
1日の生産量:約100個
急速冷凍機導入を検討した経緯:「少しでも長く、おいしい状態で」多くのお客様に味わってほしい
「最旬の果実を、最高の状態で」。食べごろの完熟フルーツを使用した弁才天のフルーツ大福は、そのこだわりから賞味期限は短く、遠方へのお手土産などに購入した場合、当日中に食べてもらわなければならないことに課題がありました。「少しでも長く、おいしい状態で食べてほしい」と試行錯誤する中、検討したのが冷凍技術です。
弁才天のフルーツ大福は一つひとつが丁寧な手作り。製造量にも限界があります。繁忙期には注文が急増し、すべてのお客様に届けられないといったことも。長く、おいしく食べてられるだけではなく、「計画的に生産できるようになれば、お客様の要望にもっと応えられるのではないか」と代表の水鳥氏は考え、冷凍の力を借りることにしました。
フルーツを冷凍すると、解凍する際に素材本来の香りや風味が損なわれてしまいがち。弁才天のフルーツ大福は、主役である果物のおいしさが命です。冷凍しても、フルーツを良い状態で保てることが大前提ですが、何年挑戦を続けてもどうしてもそこを突破することができず、諦めていたところに出会ったのが「アートロックフリーザー」でした。
凍結テストを試してみると、驚いたことに求めていた品質が実現。弁才天は年間約30種類ものフルーツを扱いますが、どれも解凍後のドリップが少なく、香りや風味、甘さもそのままに再現されていました。「冷凍しても商品の魅力が残っていること」を重要視する中、求める品質だったのは「アートロックフリーザー」だけ。導入の決め手になりました。


導入後に実施したこと:「半解凍で食べる、新感覚な冷凍フルーツ大福」を考案し、EC販売をスタート!気分やシーンに合わせて選べる楽しみを
香り・風味・甘味は限りなく生に近い状態を再現できましたが、「食感」については課題が残りました。全解凍すると、どうしても水分が出て柔らかくなってしまいます。そこで、半解凍の状態で食べてもらうことを推奨する、新感覚の冷凍フルーツ大福を考案。店頭では生のフルーツ大福を、ECでは生と冷凍の両方を販売。「すぐに召し上がりたい方は生のフルーツ大福」「ゆっくり楽しみたい方やギフトには冷凍」といったように、その時の気分やシーンに合わせた商品を提案することで、お客様の選択肢も広がりました。
導入後に実現したこと:冷凍でもレシピ変更なし!EC展開で注文数も増加!
導入前に心配していたお餅の品質は、冷凍後も十分品質が保たれており、レシピを変える必要がなかったことも「アートロックフリーザー」だから実現できたこと。お餅の減量はお米であるため、冷凍/解凍することにより、本来のもちもちした食感が損なわれることが懸念されていましたが、実際に試してみると、生と変わらない食感に。生と同じ材料を使用でき、冷凍時に水分量の調整するなどオペレーションに負担が発生することもありませんでした。
冷凍商品の製造量は、平均すると1日に100個程。発送する日に作らなければいけない生のフルーツ大福とは違い、冷凍であれば前もって製造することができます。生の大福の製造量が少ないときに少し多めに作っておくなど、計画的な製造も可能に。長くても1週間以内に作った商品を発送し、賞味期限は「発送から180日」で統一することで、生より長く、おいしい状態でお客様のもとへ届けることができるようになりました。
売り上げ比率は、店舗とECが7:3。ECは自社サイトやアマゾン、LINEギフトなどで販売しており、例えばアマゾンだと、冷凍が約8割を占めています。
ECの売り上げは、アマゾンで販売を始めたことが大きく影響。アマゾンの冷凍倉庫で保管し、注文後即日発送されるサービスの欲しいときにすぐ買えるスピードのお陰で、自社ECだけの展開時と比較して圧倒的に注文数が増加しました。

今後の展望:冷凍技術の活用・研究を進め、日本が誇るおいしいフルーツと和菓子の魅力を世界中に届けたい
「弁才天」では、フルーツ大福以外の商品開発にも力を入れおり、求肥やあんこのフレーバーアレンジを含め、2ヶ月に1回程のペースで新商品を販売。商品開発においても「冷凍」を一つのテーマとし、保存期間の延長や計画生産を踏まえるなど、「アートロックフリーザー」による急速冷凍技術を役立てています。
フルーツ大福においては、インバウンドの方々からとても評判がよいこともあり、海外展開でさらなる発展を視野に入れている「弁才天」。「現地で作るのではなく、日本で作った品質の高いものを冷凍して海外に持っていく。それが軌道にのれば、現地で作るスキームを試してみても面白いかも」と、水鳥氏は今後の意欲を語ります。
従来の冷凍はおいしくないイメージがありましたが、今はそうではありません。それを実現したのが「アートロックフリーザー」。冷凍技術を駆使することで、「弁才天」は、フルーツ大福を通じて、日本が誇るおいしいフルーツと和菓子の魅力を世界中に届けることを目指しています。
