急速冷凍機の種類を比較!おトクな導入方法も解説
冷凍食品の製造に欠かせない急速冷凍機ですが、
「メーカーが多くてどれを選べばいいかわからない…。」
「急速冷凍機を安く導入する方法はないの?」
といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
急速冷凍機には、家庭用冷凍庫に機能が付属したものから業務用の特殊冷凍機まで、幅広い製品があります。
相場価格も小型のもので約100万円、品質の高いものだと約400万円以上するので、安い買い物ではないですよね。
しかし、値段だけを気にすると生産量が足りず、想定の売上を作れない、冷凍時間が長く逆に人件費がかかってしまうといったことも…。
そこで今回は、急速冷凍業界トップシェアの当社が、急速冷凍機の種類や選び方、お得な導入方法について徹底解説していきます。
導入後に後悔しないよう、ぜひ最後までご覧いただき、急速冷凍機選びに役立ててください!
目次
そもそも急速冷凍機の”急速冷凍”ってなに?
急速冷凍とは
急速冷凍とは、食品を短時間で冷凍することで品質を落とさずに冷凍する技術です。
食品を凍らせる際、細胞内に氷の結晶が生成されますが、この氷の結晶の大きさが冷凍食品の品質を左右します。
氷結晶の大きさは冷凍のスピードによって異なり、冷凍スピードが遅ければ氷結晶は大きくなり、冷凍スピードが速ければ氷結晶は小さくなります。
氷結晶が大きくなってしまうと食品の細胞を突き破るサイズになってしまい、解凍した際にドリップ(旨み成分)が漏れ出してしまいます。
冷凍スピードを短くできれば、氷結晶が小さくなり細胞を壊すことなく冷凍することができます。
急速冷凍技術を用いることで、ドリップが出づらくなったり食感が残ったりするので、より高品質な冷凍が可能になります。
これまで品質を保持できなかった食材も冷凍保存できるので、計画的に作りだめることでロスを無くしたり、通販や店舗拡大でより多くの人に商品を届けられるようになります。
急速冷凍することでコスト削減や売り上げ拡大につながるため、企業が利益を増やすための手段として注目されています。
急速冷凍機の世界にもランクがある?!冷凍の種類を比較
そんな注目の急速冷凍機ですが、急速冷凍機の中にも家庭用から高品質に特化したものまで、様々な種類があります。
そもそもの冷凍の種類から見ていくとわかりやすいので、一緒に確認していきましょう。
一般冷凍庫
冷凍といえばまず思い浮かぶのが冷凍庫だと思いますが、こちらは一般冷凍という種類の冷凍方法になります。
一般冷凍とは、庫内を冷凍の温度帯に保ち、冷凍状態で保管する用途で用いられる冷凍のことです。
家庭用冷蔵冷凍庫はもちろん、業務用の冷凍保管庫や冷凍ストッカーがこれにあたります。
一部急速冷凍機能のついた冷凍庫もありますが、100V(家庭用の電圧)では業務用で用いられる急速冷凍能力を引き出せないことがほとんどです。
業務用の急速冷凍機とは異なり冷凍能力が大幅に劣るため、ビジネスで活用するには品質も生産性も物足りなくなってしまいます。
ビジネスで急速冷凍機を活用する際は、後述する特殊冷凍機を選択することをおすすめします。
急速冷凍機
急速冷凍機は先ほどの一般冷凍庫とは異なり、食品を急速に冷凍することが可能です。
ただ、急速冷凍機とはいっても性能差が激しく、その性能は価格に応じて上下します。
具体的には、風が強いと乾燥してしまったり、冷凍ムラができて生産効率が落ちてしまったりしますが、性能が高い急速冷凍機であればその対策がなされており、品質・生産性ともに非常に高い冷凍が実現できます。
急速冷凍機で代表的なのはショックフリーザー・ブラストチラーで、約150万円〜300万円が相場価格になります。
急速冷凍機の中でも、特に性能が高く品質や生産性が高いものは特殊冷凍機と呼ばれており、約400万円〜が相場価格になってきます。
冷凍したい食材によってはショックフリーザー・ブラストチラーでも十分な場合もありますが、求める品質や生産性によっては性能が不足している場合もあります。
ショックフリーザー・ブラストチラーに限らず、冷凍機を導入する際は凍結テストを行い、イメージ通りの冷凍食品ができるか検証することをおすすめします。
また、初期費用を抑えて導入できるリースや補助金も活用できますので、価格で選ぶのではなく、費用対効果で選ぶと失敗しづらくなっています。
瞬間冷凍機
急速冷凍機と並んで瞬間冷凍機という名称もよく使用されていますが、名称が違うだけで瞬間冷凍機も指しているものは同じです。
食品を急速に冷凍できる冷凍機のことを指しており、急速冷凍機と瞬間冷凍機に特段違いはありません。
瞬間冷凍機という名前から、瞬間的に食品を凍らせられるように思われますが、ほとんどの食品は数十分の凍結時間が必要になります。
凍結時間は導入後のオペレーションを大きく左右するため、瞬間冷凍機を導入する際は凍結テストを実施しましょう。
特殊冷凍機
最後に、急速冷凍機の中でも特に性能の高いのが特殊冷凍機です。
特殊冷凍機では、一般的な急速冷凍機と比べて下記のような特徴があります。
・より速いスピードで冷凍できる
・乾燥、酸化しないような特殊構造でより品質が高い
・庫内での冷凍ムラが抑えられており品質が安定する
・AIを活用しており耐久性が高い
ビジネスで冷凍を活用される際には、冷凍品質・生産性・耐久性は利益に直結するポイントになるため、冷凍機の性能で費用対効果が大きく変わってきます。
特殊冷凍機は一般的な急速冷凍機と比べると価格が高くなりますが、より費用対効果の出やすい冷凍機です。
とはいえ、高額な商品に変わりはないので一度凍結テストをして、どのくらいの費用対効果が出そうか、どんな導入方法が使えるかを調べてから導入することをおすすめします。
業務用急速冷凍機の凍結方法と代表メーカー
急速冷凍をする際、凍結方法にもさまざまな種類があり、どの冷凍機がいいのか迷ってしまいますよね。
ここでは急速冷凍機にどのような凍結方法があるのかをご紹介し、代表メーカーについても挙げていきます。
作業性がメリットのエアブラスト方式(空気凍結)
急速冷凍機といえばまずイメージされるのが、風で凍らせていくエアブラスト方式(空気凍結)になります。
フクシマガリレイ社やホシザキ社といったメーカーに代表される、ショックフリーザー・ブラストチラーもこれに当たります。
凍結する際はトレーの上に凍結したい食材を並べ、トレーごと急速冷凍機に投入します。
包装せず裸のまま凍結することも可能なので、食材の形状を保持したまま急速冷凍することができるのが特徴です。
-30度〜-40度の冷風が食材の熱を奪うことで、急速に凍結していきます。
ファンの構造によっては乾燥しやすい、霜がつきやすいことがあるので選ぶ際は注意が必要です。
エアブラスト方式の特殊冷凍機では、デイブレイク社のアートロックフリーザーが挙げられます。
-35度〜-45度の特殊冷気で、庫内ムラを最小限にしながら、食材の水分を奪わずに凍結することが可能になっています。
小型もあるリキッド方式(液体凍結・アルコール凍結)
急速冷凍機でエアブラスト方式の次に普及しているのがリキッド方式(液体凍結)です。
液体凍結機の代表的なメーカーと製品としては、米田工機社のリ・ジョイスフリーザーやテクニカン社の凍眠が挙げられます。
液体凍結機では、凍結用のアルコールの液体を-30度〜-35度に冷やし、液体に真空パックした食材を漬け込むことで、急速に凍結していきます。
アルコールの液体は熱伝導率が高いため急速に凍結できますが、食品を液体に入れるため包装してからでないと凍結できず、食材の形状を保持するのは難しい凍結方式です。
液体凍結機には、RF-1(リ・ジョイスフリーザーの型式)や凍眠ミニといった小型の製品もあり、相場価格は約100万円となっています。
特殊冷凍機のリ・ジョイスフリーザーは、お値段は相場と変わらず投入量が多くなっていたり、小型でも攪拌能力(液体をかき混ぜる力)が高くなっていたりと、液体凍結機の中でもコストパフォーマンスの高い製品となっています。
その他の急速冷凍機
急速冷凍機の凍結方法としては、上記のエアブラスト方式(空気凍結)とリキッド方式(液体凍結・アルコール凍結)が主流です。
その他にも、菱豊フリーズシステムズ社のプロトンに代表される電磁波方式や、液体窒素方式、接触式(コンタクト凍結)などの凍結方法があります。
このように、急速冷凍機の中でもさまざまな凍結方法があり、それぞれメリット・デメリットが存在しますので、凍結テストをした上で比較検討されることを強くおすすめいたします。
当社では、様々な急速冷凍機を同時に比較できる、無料の凍結テストルームをご用意しています。
急速冷凍機を比較検討したい際は、ぜひご使用ください!
値段だけじゃない!急速冷凍機のおすすめの選び方
スピードよりも食材との相性が大事
急速冷凍機を選ぶ際、
「スピードが速いほど氷の結晶が小さくなるから、凍結スピードが速いほど品質がいい」
と思われがちですが、実はそうではありません。
例えば、いままで凍結に4時間かかっていた食材が、急速冷凍で30分で凍るようになれば品質は大幅に上がります。
しかし、30分で凍結したものが20分で凍結できるようになっても、実際に食べたときの味や食感の違いは微々たるものです。
違いがわかる人はほとんどいないでしょう。
それに対して、凍結方法の違いは品質に大きな影響を与えます。
お寿司を冷凍する際、真空パックしてから凍結してしまうと、ネタが潰れてしまったり、ほぐれやすく握ったシャリも固まってしまったりと、品質が劣化してしまいます。
そのため、お寿司は包装せず裸のまま凍結することができて、ネタもシャリも乾燥しないエアブラスト方式の特殊冷凍機がおすすめです。
急速冷凍機を選ぶ際には、凍結スピードでなく凍結方法を気にして選ぶようにするといいでしょう。
保管方法や解凍ノウハウにも注意!
また、いかに凍結方法で品質を良くしても、保管や解凍を間違えてしまうと提供品質は低下してしまいます。
急速冷凍機を選ぶ際は、凍結方法のみでなく、保管方法・解凍方法といったオペレーションも踏まえた上で選ぶようにしましょう。
冷凍機だけでなく、前後オペレーションも提案してくれる会社から購入することをおすすめいたします。
当社では急速冷凍機だけでなく、冷凍ストッカー・プレハブ冷凍庫や真空包装機、解凍機など、急速冷凍の前後で必要な製品も取り扱っております。
急速冷凍機だけでなく、前後オペレーションも相談したいという方はぜひお問い合わせください。
急速冷凍機のおトクな導入方法
急速冷凍機の導入コストは安くありませんが、値段で選んでしまうと費用対効果が合いづらくなってしまいます。
安い冷凍機を探すのではなく、費用対効果の合う機械をどうお得に導入できるかを考えていくのがおすすめです!
お得に導入できる方法も様々ありますが、現在おすすめできるものとできないものがあるので、それぞれご紹介していきます。
補助金・助成金
自治体から出される補助金や助成金が、急速冷凍機の導入に活用できます。
よく活用されているのは、「ものづくり補助金」「事業再構築補助金」「業務改善助成金」です。
しかし、コロナ禍が収束した現在、補助金・助成金の予算が少なくなっており採択率も下がってきています。
採択結果や交付決定が出るまでの期間も長くなってしまっているため、導入したい時期と合わせて検討するのがいいでしょう。
ご自身のエリアで独自の補助金・助成金が出ていれば、そちらの活用をおすすめいたします。
どんな補助金・助成金が使えるかわからないという方は、無料相談できますのでぜひお問い合わせください!
リース・割賦払い
急速冷凍機の導入は、大きな支出のため中々導入しづらいという方もいるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが、初期費用を抑えられるリースと割賦払いです。
これらの方法を用いることで、初期費用ゼロで急速冷凍機を導入することもできます。
利用できるかはリース会社の審査結果によりますが、審査が通りづらい場合でも頭金を出すことで通りやすくなったり、金額を増額できるケースもあります。
リースで導入する場合のもうひとつのメリットは、中小企業は通常の購入とは異なり経費で落ちる点です。
急速冷凍機は固定資産となるため固定資産税と減価償却費が発生しますが、リースで導入する場合はリース会社の所有物となるため、固定資産税と減価償却費は発生しません。
割賦払いの場合はご自身の所有物となるので、契約終了後手元に残したいかどうかで決めるのもいいでしょう。
税制優遇制度
先ほども触れた固定資産税と減価償却費ですが、税制優遇制度を活用することでお得に導入することができます。
購入費用の即時償却で購入年度の法人税を軽くしたり、リースと組み合わせて税額控除を受けたりもできます。
制度の対象となっている急速冷凍機であれば活用できますので、導入の際は確認してみてください!
どうせなら税制優遇の使える急速冷凍機を選びたいという場合は、対象機種をご案内できますのでお気軽にご相談ください。
中古価格
最後に中古での購入ですが、急速冷凍機の導入にはおすすめできません。
中古品は定価の3分の1ほどの値段で購入できるものもあり、一見お得に見えます。
しかし、過去の使用環境がわからないため、メンテナンス状態が不明だったり、凍結していた食材のにおいがとれていなかったりするので、保証やアフターサポートのない中古品は、ビジネスに活用するには大きな不安が残ります。
初期費用を抑えたいという場合は、まずは補助金やリース、税制優遇制度の活用を検討することをおすすめいたします。
まとめ:急速冷凍機は凍結テストをしてから導入しよう!
いかがでしたか?
今回は、急速冷凍機の種類やお得な導入方法について解説してきました。
急速冷凍機をビジネスで活用する際は、より費用対効果の高い特殊冷凍機を選ぶのがおすすめです。
リースや税制優遇制度を用れば、費用対効果の高いものをよりお得に導入することができます。
また、凍結方法によっても食材との相性があるため急速冷凍機を選ぶ際は必ず凍結テストを実施するようにしましょう!
当社では、急速冷凍機だけでなく業態や食材に合わせた最適なオペレーションもご提案しています。
お得に導入するための導入サポートもしておりますので、気になる方はぜひご相談ください!