急速冷凍機をイチから知る!~事例やメリットからお得な導入方法まで一挙に紹介~

新しい冷凍テクノロジーとして注目を浴びている、「急速冷凍」。
急速冷凍機は、品質をほとんど落とさずに冷凍できるメリットがあり、食に関わる様々な業者で導入されています。 こちらのページでは、その急速冷凍機にまつわるすべてを網羅し、ご紹介していきます。
目次
急速冷凍機(瞬間冷凍機/ショックフリーザー)ってどんなもの?
当然ながら、「急速冷凍機」は「急速冷凍ができる機械装置」のこと。
表現の仕方も複数あり、「急速冷凍機」「急速凍結機」「急速冷凍庫」「瞬間冷凍機」「瞬間凍結機」「瞬間冷凍庫」「ショックフリーザー」など様々な呼称がありますが、どれもほぼ同じものを指しています。また、基本的には業務用で使用されることが多くあります。
それでは、「急速冷凍」とは何を示すのでしょうか?
まず、一般的に冷凍とは食材を凍結し、マイナス18℃以下に保つことを指します。
それに対し、急速冷凍は以下に記載の凍結方法を指します。
厳密に定義されている言葉ではありませんが、「急速冷凍」とはおおむね温度が30分以内に最大氷結晶生成帯(マイナス5℃~マイナス1℃)を通過するように凍結する冷凍法のことを言います。

通常冷凍(緩慢冷凍)のように「最大氷結晶生成帯」を速やかに通過しない凍結をした場合、 「氷の結晶が細胞膜を破る現象」が起き、食品の品質や風味・食感を大きく下げます。
これに対し、急速冷凍(瞬間冷凍)のように、「最大氷結晶生成帯」を速やかに通過する凍結をした場合、 「氷の結晶が細胞膜を破る現象」が起きないため、食品の品質や風味・食感をそのまま維持できます。
つまり、理論上は「できるだけ速やかに最大氷結晶生成帯(マイナス5~マイナス1℃)を通過するように冷凍をすることで、高品質な凍結を実現できる」ということになります。
それを「急速冷凍(瞬間冷凍)」と呼び、これができる機械装置を「急速冷凍機」「急速凍結機」「急速冷凍庫」「瞬間冷凍機」「瞬間凍結機」「瞬間冷凍庫」「ショックフリーザー」と呼んでいます。
現在では、各メーカーの技術力の向上も相まって、鮮魚・肉・野菜・果物・刺身・寿司・そば・うどん・ラーメン・カレーなどを初めとして、パン・和菓子・揚げ物なども凍結ができるようになっています。
あらゆる食材を高品質に凍結できることから、食品業界の様々なシーンで使用されるようになってきました。 業務用の冷凍食品や凍結方法として急速冷凍は新たなスタンダードとなっているのです。
急速冷凍機にはどんな種類や凍結方法がある?
様々なものを高品質に凍結できる急速冷凍機ですが、どのような種類があるのでしょうか?
メーカーによって凍結原理や方法が異なっております
こちらのページでは、代表的な急速冷凍機の凍結方法5種類を以下でご紹介致します。
①エアーブラストタイプ(空気凍結)
最もポピュラーな冷凍方法です。冷やした空気を食材に吹き付けることで、食材の熱を奪い冷凍する仕組みになります。
一般的な冷凍庫と同じ仕組みになるので、急速冷凍にならないと思われる方も多くいらっしゃいますが、「風の当て方を特殊にし、設定温度を下げる」ことで熱を奪う力を大きく強め、急速冷凍を実現することが可能です。
温度は機種により異なり、マイナス35℃のものが大半です。 ただし、急速冷凍する(=急速に熱を奪う)ためには温度以外の要素も考慮しなくてはいけません。
温度が低ければ低いほどよいという訳ではなく、食材の特性や形状に合わせて風を当てる必要があります。

②リキッドタイプ(液体凍結)
アルコールなどの不凍液をマイナス10℃~マイナス35℃に冷やし、 そこに食品を漬け込むことで冷凍するタイプの急速冷凍機になります。
アルコールなどの凍らない液体を用いる必要があるので、食材を真空包装をしないといけなかったり、アルコールの扱いに気を使わないといけなかったりと、手間がかかります。
熱伝導率が高いために、どんなものでも急速に冷凍することが可能です。

③コンタクトタイプ(接触凍結)
別名でプレート式冷凍とも呼びます。
コンタクトフリーザーと呼ばれることもあり、冷却部に直接食材を当てることで急速に冷凍する方法です。
冷却部はフラットタンクと呼ばれる金属板となっており、内部にマイナス30℃からマイナス40℃の冷媒が流れています。
冷やされた金属が直接食材に当たるため、冷却の効率がよいとされています。
直接触れることから、同時に加圧をこなすこともでき、食材を決まった高さに成形することなども可能です。
そのため、食肉やすり身などの大量生産に使用されることが多いです。
④液化ガスタイプ
あまり一般的ではありませんが、液化窒素や液化炭酸ガスなどの液化ガスを使い、冷凍する方法です。
液化炭酸ガスはマイナス78.5℃、液化窒素はマイナス196℃の気体を食品に当てることが可能です。そのため、高品質な冷凍を実現することができます。
液化ガスを利用するため、庫内を冷やすために必要な「冷媒」や「熱交換器」が不要になります。 急速冷凍機としては、構造が単純である分メンテナンスが比較的簡単です。
しかし、液体窒素や液化炭酸ガスを使用する必要があり、取り扱いには注意が必要です。
ガスが充満することによる酸欠や火がついて爆発する危険性などがあるので、リスクもあります。
また、液体窒素や液化炭酸ガスを使用しなくてはいけないため、アルコール凍結や空気凍結と比べて、ランニングコストが比較的高いのも特徴です。
⑤特殊方式タイプ
上記のどれにも属さないタイプの急速冷凍機があります。このページでは、「特殊方式タイプ」と表現しています。
代表的なものでは、磁束・電磁波・磁場、振動などを用いて「水分子を冷凍に最適な状態にして冷凍する」仕組みがあります。
この仕組みによって、理論上は細胞を壊さずに冷凍が出来るとされております。
このように、急速冷凍機も凍結原理や仕組みに違いがあります。
それぞれ得意・不得意があるので、食材や使い方・運用方法によって選ぶのがおすすめです。
甲殻類や貝類の冷凍では、エアーブラスト凍結が相性がよい、すごく厚みがあるものや乾燥に弱いものはアルコール凍結と相性がよい、 など、食材や目的によって凍結方法やメーカーによって得手不得手が異なります。
そのため、急速冷凍機をお考えの場合、急速冷凍機の凍結比較テストをしていただくことをオススメしています。
さらに1時間当たりにどれぐらいを凍結するか(凍結処理量)によって、小型・中型・大型・特注など、種類が複数あります。

急速冷凍機導入のメリットは?
様々な原理で高品質な冷凍を可能にする急速冷凍機ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、いくつかの事例から導入のメリットをご紹介したいと思います。
①売り上げの改善
急速冷凍機は売り上げの改善を目的として導入されるケースが多くあります。
~お客様に聞いた、急速冷凍機で解決したい売り上げに関する課題~
- 通販や、遠方地などに販路を拡大したい
- セントラルキッチン化をして多店舗展開をしたい
- 消費期限や品質低下によるロスをなくしたい

急速冷凍機を使用すると、鮮魚・肉・野菜・果物・刺身・寿司・そば・うどん・ラーメン・カレー・パン・和菓子・揚げ物など、様々なものを品質を落とさずに冷凍することが可能です。
肉や魚、野菜や果物の生産者や加工業の方であれば、消費期限や品質低下を気にせずに保存・流通をさせることが可能です。
そのため、海外などの遠方地に販売している事例もございます。また、通販で直接消費者へ販売しているお客様も多くいらっしゃいます。

飲食店の方であれば、普段お店で出している商品をそのまま冷凍して通販などで販売することが可能です。
作りたての商品を急速冷凍をすれば、解凍しても味や風味などの品質をほぼ落とさずに提供することができます。
さらに、セントラルキッチンとして運用をすれば、商品をまとめて製造し冷凍をすることで料理人を増やさずに多店舗展開をすることが可能です。
また、急速冷凍機を活用することで「消費期限」や「品質低下」を気にせずに保存することが可能になります。
これにより、本来捨ててしまっていたもの(ロス)を商品として販売できるので、 売り上げの上乗せが出来るようになります。
②品質向上
~お客様に聞いた、急速冷凍機で解決したい品質向上に関する課題~
- 鮮度を維持したまま流通したい
- 流通や加工の過程での品質劣化を防ぎたい

当たり前のことではありますが、生鮮食品は時間が経てば経つほど味や風味・鮮度が落ちていきます。
そのため、生のまま食材を扱う場合、流通の瞬間から品質劣化が発生します。 生の味や風味・鮮度を維持できるのが急速冷凍機の大きなメリットになります。
時間がかかってしまう遠方地などにも生に近い品質で運ぶことが可能になります。
また、鮮魚などは加工すると鮮度が落ちやすいという課題があり、加工をせずに丸々一匹のまま流通させることも多くあります。
こういった際にも、急速冷凍機を活用することで品質劣化を止めて流通させることが可能です。
③製造・調理や運用を効率化したい
~お客様に聞いた、急速冷凍機で解決したい製造・調理や運用に関する課題~
- 繁忙期に向けて、商品を計画生産したい
- 事前調理を実施することで、人手不足を解消したい
- セントラルキッチンの仕組みにすることで、調理を効率化したい

急速冷凍機は、製造工程や調理工程などの改善にも役立ちます。
おせち料理や、クリスマス限定商品などの時期モノは、ある時期に生産が集中してしまいます。当然ながら繁忙期と閑散期のギャップが大きくなってしまい、従業員にも負担がかかります。
急速冷凍であれば、製造後1年以上経っても変わらない品質を維持することができます。
そのため、繁忙期のみに大量に生産しなくてはいけないものでも計画生産を実現することが可能です。
また、同様の理由で事前調理にも使うことができます。
仕込みから最終の完成品まで、まとめて調理をして急速冷凍をしておくことで、注文から提供までの手間や工程を効率化することが可能になります。
それにより、少ない人数でオペレーションを回すことができ、経験がなくとも誰でもカンタンに調理をして提供することが可能です。
セントラルキッチンの仕組みにする場合も同様のことが言え、製造をひとまとめにすることで料理人なしの多店舗経営をする事例もあります。
まとめて商品を製造することで、材料費のコストダウンや人件費の削減も容易です。
店舗内での作業も簡略化できるため、スキルのない人でもオペレーションを回すこともできます。
急速冷凍機の価格は?
急速冷凍機の価格は、製品の特性や凍結の原理によって異なります。
また、一般的には1時間当たりの凍結量に比例して価格が増減します。

世間一般で言われる「急速冷凍機」は最も小型のもので200万円~となっており、性能が高ければ高いほど価格が上がっていきます。
また性能や冷凍品質は落ちますが、価格が数十万円~導入できる小型急速冷凍機も増えてきており、値段と性能を見て導入を検討するのが最適です。
導入するなら補助金がおすすめ!

上記で紹介したように、急速冷凍機は決して安いものではありません。
そのまま導入されるお客様もいらっしゃいますが、税制優遇や補助金を活用して導入されるお客様も数多くいらっしゃいます。
数々の補助金や助成制度の中で最も使用率の高いのが、「ものづくり補助金」になります。(2020年時点)こちらは中小企業であれば対象となり、最大3000万円の補助を受けることが可能です。その他、県や市町村などの補助金などを使った導入事例も多く存在しています。
詳しくはぜひ専任担当へご相談いただければ幸いです。
また、デイブレイク提携のコンサルティング会社をご活用いただくと、面倒な資料作成や、補助金採択後の手間のかかる報告資料作成のサポートまで実施致します。
補助金の書類作成が面倒だから丸投げしたい、初めての補助金申請で勝手が分からない、など補助金に関するお悩みをすべて解決できます。
大手企業や、補助金が面倒な方は、リースやレンタル(オペレーティングリース)がおすすめ!

上記で補助金のご案内をさせていただきましたが、大手企業の場合、補助金対象が外れているケースがほとんどのため、使えないことが多くあります。
また、補助金は資料作成や資料の準備、補助金採択後の報告義務などに時間を取られるため、あまり活用したくないという方もいらっしゃるとお聞きします。
費用を抑えて手間もかけたくないのに、価格が高いから導入できない… そんな時は、リースやレンタル(オペレーティングリース)がオススメです。
急速冷凍機の導入の初期費用を大きく抑えながらご使用いただくことが可能になります。 リースやレンタルの仕組みをご活用いただくと、月額数万円~ご使用いただけるので導入のハードルが大きく下がります。
こちらのページでは急速冷凍機について、全体像をご紹介して来ました。
急速冷凍は、食材との相性やオペレーションを加味しながら比較して選んでいく必要があります。 実際に検討を始める際には、まずは食材をテストし、機器の選定をしていただくことをオススメしています。
以下より、様々な種類の急速冷凍機をお試しすることが可能です。 ぜひお気軽にお問合せください。オンラインテストも実施しております。