ブラストチラーとは?ショックフリーザーとの違いやメリット・デメリットも解説

こんにちは。急速冷凍機の厳選比較サイト「春夏秋凍」のライターチームです。
飲食店や食品工場でいまや当たり前に普及しているブラストチラーですが、
「周りがよく使ってるけど、ブラストチラーとはどんなものなの…?」
「ブラストチラーとショックフリーザーの違いは?どちらを買うべきかわからない…」
そんなお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ブラストチラーとは、食品を急速に「冷却」する機械です。食品を急速に「冷凍」するショックフリーザーとは異なります。
ですが、ショックフリーザーとしても使えるブラストチラーもあったり、メーカーや機種も様々であったりと、どう選べばいいかわかりにくいですよね…。
機械選びを間違えてしまうと、食品を入れてみたら全然冷えなかった、なんてことにも…。
そういった事態を避けるためにも、今回は食品の冷却・冷凍に関して6,000社以上のご相談に乗ってきた弊社が、ブラストチラーとはどんなものなのか、ショックフリーザーとはどう違うのかを詳しく解説していきます!
目次
ブラストチラーとは?メリットは?
ブラストチラーとは、強力な冷風を食材に当てることで、食品の粗熱を急速にとる機械のことをいいます。
フクシマガリレイやパナソニックなど大手メーカーが有名で、主に飲食店や食品工場、ホテルなど食品製造の現場で使われています。
ブラストチラーを使うメリットは、大きく以下の3つです。
①安全性の向上
②提供品質の向上
③効率性の向上
①安全性の向上

食中毒の原因となる細菌が繁殖しやすいのは、加熱調理後に通過する、動物の体温に近い温度帯であることがわかっています。
厚生労働省の『食品衛生管理の手引き』によれば10〜60℃の温度帯は、菌が繁殖しやすく危険温度帯と呼ばれています。
また、低温で繁殖しやすい細菌もいるため、5〜10℃の温度帯も対策が必要です。

出典:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000169562.pdf
そのため、食の安全を守るためにはこの温度帯をいかに早く通過するかが重要なポイントになってきます。
これは食品の衛生管理においてもはや当たり前になっている考え方であり、厚生労働省の『大量調理施設衛生管理マニュアル』でも、「30分以内に中心温度を20℃付近まで下げるよう工夫すること」と記載されています。
ブラストチラーでは、約90℃の食品を投入することができ、3℃まで急速に冷却することが可能です。
例えば、冷やし固めるのに冷蔵庫で2時間ほどかかるゼリーでも、ブラストチラーを使えば30分ほどで固めることができます。
ブラストチラーを使えばそれだけ急速に食品を冷却できるので、その分細菌の繁殖を抑制することができるのです。
②提供品質の向上

出典:https://www.tokyo-chefs.jp/pr/2012042711120150.html
通常、時間をかけて自然冷却で食品を冷ますと、水分が失われて、食品は乾燥してしまいます。
ブラストチラーを使えば急速に冷却できるため、乾燥や風味の損失を最小限に抑え、出来立ての美味しさを保つことが可能です。
③効率性の向上

ブラストチラーでは、急速冷却が可能なため、作業効率を大幅に向上させることができます。
先ほどご紹介したゼリーの例を用いると、ブラストチラーを導入する前までは、2時間の冷却を待ってから次の工程に移らなければならないため、作業効率が悪くなっていました。
また、それを置いておくスペースも必要になるため、作れる量も限られます。
ですが、ブラストチラーを導入することで冷却にかかる時間が30分ほどになるため、すぐに次の工程に移ることができますし、冷却に必要なスペースも新たに設ける必要がなくなります。
なので、ブラストチラーの導入は、効率性の向上、スペースの有効活用につながります。
このように調理の安全性、効率性などを上げてくれるブラストチラーですが、ショックフリーザーと一緒に語られることがかなり多くなっています。
では、ショックフリーザーとは何が違うのでしょうか?
ブラストチラーとショックフリーザーの違いとは?

ブラストチラーとショックフリーザーの違いは、目的の違いにあります。
ブラストチラーとは『食品を急速に冷却すること』が目的の機械であるのに対して、ショックフリーザーとは『冷めている食品を急速に冷凍すること』が目的の機械です。
具体的に機能の違いをご説明すると、ブラストチラーとは、約90℃の食品を3℃まで急速に冷却できる”急速冷却機”です。
それに対して、ショックフリーザーはすでに粗熱の取れている食品を-18℃まで急速に冷凍することができる”急速冷凍機”になります。

それぞれ目的に合わせて設計が異なっているため、使い方も異なります。
ですが、ショックフリーザーの機能を搭載しているブラストチラーも販売されており、マルチな使い方ができる機械も存在します。
約90℃の食品を急速に冷却し、そのまま-18℃まで一気に冷凍もできてしまうというわけです。
ブラストチラーとは別にショックフリーザーを用意する必要がなく、とても便利な機械です。
「なら、とりあえず冷凍もできてしまうブラストチラー&フリーザーを選んでおけば間違い無いんじゃないか」
と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
機械が分けられているように、それぞれにメリット・デメリットが存在しています。
ブラストチラー、ショックフリーザーはかなり高価な機械ですので、メリット・デメリットをしっかりと把握して機械選びをしないと、後で後悔することになってしまうことも…。
※関連記事:今話題のショックフリーザー大辞典!これを読めば全体像がわかる
ブラストチラーに搭載されている機能
ブラストチラーには、食品を効率よく冷却する機能が揃っています。ここでは、搭載されている機能を解説します。
芯温制御
芯温制御とは、温度によって運転を切り替える機能です。ブラストチラーには、冷却から保冷運転へと切り替わる機能が搭載されています。庫内があらかじめ設定した温度に達することで、自動で保冷運転に切り替わります。食品を過度に冷却せずに最適な状態で保存できるため、品質の低下を防ぐことが可能です。
冷却モード変更
ブラストチラーには、食品に合わせて冷却モードを変更する機能があります。風量や風速を調節することで、食品の種類に応じて適切に冷却できます。例えば、やわらかくて崩れやすい食品の場合、風量を弱めて冷却が可能です。食品の密度が高い場合は、風量を強めてスピーディに冷却します。食品の種類や性質に応じて冷却モードを変更することで、品質の維持につなげられます。
タイマー制御
タイマー制御機能によって、時間を基準にして冷却を調整できます。あらかじめ時間を設定することで、冷却運転から保冷運転に切り替えが可能です。食品の温度を正確に管理するためには、芯温センサーを挿入する必要があります。食品にセンサーを挿入し、適切な温度を把握して冷却・保冷の管理ができます。
※関連記事:ブラストチラーの有効な使い方とは?【安全と美味しさを守る】
ブラストチラーのデメリット
ブラストチラーを設置する際は、スペースや導入コストなどに注意が必要です。ここでは、デメリットを解説します。
設置スペースが必要となる
ブラストチラーを設置する際は、機器に応じたスペースが必要となります。冷却する食品の量によっては、機器のサイズが変わり、調理場を圧迫する可能性があるため注意しましょう。また、冷却効率を考慮した通気スペースの確保も必要です。限られた作業スペースに合わせて機器を導入する際は、小型タイプや省スペース設計などがおすすめです。
食材によっては冷却に時間がかかる
ブラストチラーによる冷却は、食材によって時間がかかる場合があるため注意しましょう。たとえば、厚みがある食材や粘度の高い食材などは、冷却に時間がかかります。ブラストチラーの冷却機能は、アルコール凍結機や液体窒素などと比較すると劣る傾向にあります。食品の種類によっても時間がかかる場合があるため、冷却に最適な食材を判断しなければなりません。
導入コストがかかる
ブラストチラーは、導入コストを検討したうえで購入しましょう。安価なモデルでも100万円ほどのコストがかかります。また、追加機能やオプションなどを加えると、より導入コストがかかります。ブラストチラーを導入する際は、事前に全体のコストの見積もりをすることが大事です。
導入コストを抑えるには、補助金の活用がおすすめです。デイブレイクは、補助金活用の支援サービスを提供しています。補助金申請の詳しい内容については、以下からご確認いただけます。
次は、どのようなポイントで機械を選んでいけばいいのか、購入する際の失敗しない選び方についてご説明していきます!
※関連記事:【クックチルシステムに必須】ブラストチラーの価格はいくら?
ブラストチラーを購入する際の失敗しない選び方!

ブラストチラーを購入する際、失敗しないために最も重要なポイントが1つあります。
それは、『冷却と一緒に冷凍もしたいかどうか』です。
冷却だけで十分であれば、ブラストチラーを選ぶことをおすすめします。
では、冷凍も一緒にしたい場合はどうでしょうか。
「ショックフリーザー機能付きのブラストチラーがよさそう!」
と思われるかもしれませんが、実はあまりおすすめできません。
本来異なる2つの機能を1つの機械に搭載しているため、当然デメリットも存在します。
大きく分けると、以下の3つです。
①機械の負荷
②生産性
③衛生面
①機械の負荷

通常、冷凍機は熱い食品を冷やすようには設計されていません。
その設計のまま熱い食品を冷凍してしまうと、冷凍機が本来出せる以上のパワーを必要とされ、無理な運転をすることになってしまいます。
そうすると、当然、機械への負荷がかなりかかってしまい、故障リスクが増え、機械の寿命が縮む原因となってしまいます。
なので、1つの機械で冷却、冷凍を一気に行う場合には、それに応じた負荷の制御システムが必要になります。
しかし、多くのショックフリーザー機能付きのブラストチラーはそこまで考慮されていないため、長い目で見ると高い買い物になってしまう可能性があります。
②生産性

冷凍機を使用するとなると、必ず付きまとうのが霜付きの問題です。
食品を冷凍すると、食品や空気中に含まれる水分が、霜となって冷凍機部分に付着してしまいます。
霜が付いたまま運転してしまうと故障の原因になってしまうため、冷凍した後は必ずどこかで霜取り(デフロスト)を行う必要があります。
霜取りはヒーター機能で行われるので、その間冷凍機の運転は止まってしまい、冷凍作業も止まってしまいます。
また、食品は当然温かい状態の方が水分を持っているため、温かいまま庫内に投入してしまうと霜が通常の倍近くついてしまいます。
その分必要な霜取りの回数が増えてしまうため、生産性が著しく低下してしまうのです。
③衛生面

先ほどご説明した通り、多くのショックフリーザー機能付きのブラストチラーは冷凍について十分に考慮されていません。
それは、機械を構成する部品についてもいえます。
それがよくわかるのがパネルの厚みです。
パネルは厚いほど冷気が逃げにくくなりますが、ブラストチラーは冷却ができればいいので、パネルの厚みはそれほどありません。
その設計のまま冷凍に使用すると、冷凍の温度帯に突入した際に冷気をとどめ切ることができなくなり、冷えにくくなってしまいます。
また、外気と庫内の空気が完全に仕切られてはいないため、温度差でパネルに結露が発生してしまいます。
結露をしっかり拭き切る、こまめに掃除をするなどしていない場合、カビが発生してしまうため、衛生的にも問題になりかねません。

なので、冷却と一緒に冷凍もしたい場合には、以下のポイントで機械を選ぶことが重要になってきます。
- 熱いまま投入しても機械への負荷がかからないこと
- 冷凍機部分に霜がつきにくいこと
- 冷凍向けに設計されていること
失敗しない選び方をまとめると、冷却だけでいい場合はブラストチラーがおすすめです。
冷凍もしたい場合には、熱いまま投入しても機械への負荷がかからず、冷凍機部分に霜がつきにくく、冷凍向けに設計されている機械を選ぶのがおすすめです。
では、冷凍もしたい場合には、実際にどんな機械を選べばいいのでしょうか。
そこで次は、おすすめのブラストチラー機能付き急速冷凍機についてご紹介します!
※関連記事:急速冷凍機の種類と購入ポイント!【機械選びの失敗例も!?】
おすすめの機種を使い方とともに解説!

冷却と同時に冷凍もしたい場合には、以下の3つの点が重要だとご説明してきました。
①熱いまま投入しても機械への負荷がかからないこと
②冷凍機部分に霜がつきにくいこと
③冷凍向けに設計されていること
上記をすべて満たす、ブラストチラー機能付き急速冷凍機があります。
それは『ARTLOCK FREEZER』です。

『ARTLOCK FREEZER』は、名前の通りブラストチラーではなく、急速冷凍機の一種になります。
ですが、他の冷凍機にはない電子制御システムやアンチフロスト機構によって、温かい食品の冷却も同時に行うことができます。
なぜ、『ARTLOCK FREEZER』がおすすめなのか、機械の特徴とともに詳しく解説していきます。
機械への負荷を最小限にする電子制御システム

ARTLOCK FREEZERでは、庫内環境や外気温などを検知し、最適な運転を行うように自動制御してくれます。
通常、冷凍機に温かい食品を投入すると、冷凍機が本来出せる以上のパワーを必要とされるため、無理な運転をすることとなります。
機械自体にもかなりの負荷がかかってしまい、寿命を縮めてしまいます。
それに対して、ARTLOCK FREEZERでは、電子制御システムが機械への負荷を最小限にしてくれます。
そのため、加熱調理後の食品をそのまま投入しても、機械の寿命を縮めることなく使い続けることができるのです。
この電子制御システムは他の冷凍機にはない、業界初の機能となっています。
霜を付きにくくすることで生産性を大幅に向上させるアンチフロスト機構

ARTLOCK FREEZERは、冷凍機部分に非常に霜がつきにくい設計になっており、最大で72時間の連続運転が可能です。
他の冷凍機だと、丸一日稼働する場合、数回霜取り(デフロスト)の時間を設ける必要があり、生産が止まってしまいます。
ですが、ARTLOCK FREEZERなら1日の生産でその霜取りがいらなくなるため、丸一日連続で稼働し続けることができます。
冷凍機の稼働を止める必要がないため、生産性が大幅に向上します。
乾燥やムラの発生を抑えるマイクロウインドシステム

ARTLOCK FREEZERは単なる急速冷凍機ではなく、高品質に冷凍することにこだわり抜いた冷凍機です。
それを実現するのが、微細な乱気流を発生させるマイクロウインドシステムです。
通常のブラストチラーやショックフリーザーも、食品に冷風を当てて熱を奪っていくという点では同じですが、違いは風の起こし方にあります。
ブラストチラーやショックフリーザーは、大きなファンで強風を発生させ、一方向から風を当てていきます。
そうすると、強風が当たっているため、どうしても食材が乾燥してしまったり、身割れなどのダメージが入ってしまったりしてしまうのです。
また、一方向から風が当たっているため、ファンから遠い位置では風が当たりにくく、冷凍ムラが発生してしまいます。
ですが、ARTLOCK FREEZERでは複数の特殊なファンで風を起こしていくので、微細な乱気流を発生させることができます。
微細な風であるため、乾燥や身割れを防ぎダメージを与えずに冷凍することが可能です。
さらに、微細な風が庫内を満遍なく循環しているためどこに置いてもムラなく冷凍することができます。

上記の機能に加え、高品質に冷凍するために設計されているため、当然パネルの厚みなども問題ありません。
したがって、ARTLOCK FREEZERは温かい食品でも問題なく冷却できる、唯一の冷凍機であるといえます。
使い方も非常に簡単で、まず使用する30分〜1時間前に電源を入れて予冷を開始します。
庫内の温度が常温から-35℃まで下がったら食品を投入していき、30分〜1時間後に冷凍された食品を取り出すだけです。
冷凍する前に真空パックなどの包装をする必要もないため、作業性も非常に楽になっています。
ARTLOCK FREEZERでは、焼きたてのパン、揚げたての天ぷらなどを、一番美味しいアツアツの状態のまま、冷却・冷凍することができます。
アツアツの美味しさをそのまま再現できるため、いま非常に人気の機種となっています。
ARTLOCK FREEZER活用事例
ARTLOCK FREEZERは、多くのお客様にご活用いただいております。ここでは、活用事例を紹介します。
大手スーパーマーケット「ダイエー」の高品質な冷凍商品開発
関東・近畿にて約200店舗を展開する「ダイエー」様は、ARTLOCK FREEZERを導入しています。急速冷凍機によって、肉や魚、野菜などの鮮度を保ち、食品の食感や風味を損なわずに提供することに成功しました。
デイブレイクの高品質な冷凍技術を活用し、精肉や惣菜、フルーツなどの冷凍商品の開発も推進しています。「冷凍dai革命」という、用途に応じた冷凍の食品を購入できる、買い物の新しい選択肢を提案しました。ARTLOCK FREEZERの導入によって、高鮮度でおいしい商品の提供と食品ロスの削減を実現しています。
「CRAZY PIZZA」の冷凍ピザ革命
「CRAZY PIZZA」様は、弊社の冷凍技術を活用し、ユーザーに本格ピザを届けることに成功しました。「CRAZY PIZZA:LIFE」というブランドを立ち上げ、焼きたてのような食感と風味を保つピザを提供しています。
デイブレイクの急速冷凍の技術によって、生産ラインの効率化や大量生産の体制を整備し、冷凍ピザの全国販売も実現しました。法人向け販売と個人向け販売だけでなく、レストランチェーンのテイクアウト商品として、販路も拡大しています。今後もARTLOCK FREEZERを活用し、想像を超えた食体験の創出を目指すとのことです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ブラストチラーとは何か、ブラストチラーとショックフリーザーの違いも踏まえながら解説させていただきました!
ブラストチラーとは、食材に強風を当てることで、急速に粗熱を取る機械です。
冷めている食材を急速に冷凍するショックフリーザーとは、そもそもの目的・設計が違います。
ショックフリーザー機能付きのブラストチラーも存在しますが、温かい食品を冷凍まですると、機械へかなりの負荷がかかってしまったり、霜取りがさらに必要になったりしてしまうので、あまりおすすめできません。
なので、冷却と一緒に冷凍もしたい場合には、以下のポイントで機械を選ぶことが大切です。
①熱いまま投入しても機械への負荷がかからないこと
②冷凍機部分に霜がつきにくいこと
③冷凍向けに設計されていること
これらの条件を満たすのが、『ARTLOCK FREEZER』です。
ARTLOCK FREEZERを使えば、冷却と冷凍を一気にでき、アツアツの美味しさをそのまま再現することが可能です。
実際に温かい食品を入れたらどの程度再現できるのか、無料でテストを行うことも可能ですので、ぜひお気軽にお問い合せください!