特殊冷凍デモ だんご
今回は、「だんごをEC販売で一般のお客様の元へ届けたい・・・!」というだんごを販売するお客様の為、凍結~解凍までの実験を行いました。
アートロックフリーザーで高品質なだんごを凍結するポイント・解凍方法などをお伝えしていきます。
まず、今回の実験の目的です。
➀凍結時のアートロックフリーザーの設定とだんごの種類の違いによる品質の比較(前半)
②だんごの解凍方法の違いによる品質の比較(後半)
これらの差を官能評価した結果をご報告します。
➀凍結時のアートロックフリーザーの設定とだんごの種類の違いによる品質の比較
今回は、アートロックフリーザーを使って凍結する際の設定を設定Aと設定Bの2パターンとし、実際に品質に差異が出るかを官能評価で検証してみました。
使用しただんごは、みたらしだんご、こしあんだんご、よもぎだんご、3色だんごの計4種類です。
冷凍
これらをアートロックフリーザーの設定を変え、2回に分けて凍結していきます。
今回のように、だんごの上にあんこを乗せて成形したり、みたらしのたれがかかっているような食材を急速冷凍する場合は特に、アートロックフリーザーのような空気凍結タイプを使用することで、形や見た目を維持して冷凍することができます。
これは、完成した食材を包装せずに、はだかのまま凍結できることが理由ですが、液体凍結の場合には冷凍前に包装、真空する必要があるため形状や見た目の維持がどうしても困難です。
アートロックフリーザーを使用すると、出来たての品質を維持することに加え、見た目の付加価値も付けられることから、今回はアートロックフリーザーを使用して実験を行いました。
1串約30分以内で中心温度が-18℃まで到達できました。
凍結しただんごを真空し、2週間保管しました。
解凍・官能評価
凍結しただんごを2週間保管した後、解凍して見た目と味(食感)の官能評価を行いました。
見た目の官能評価では、設定方法の差については、写真の通りほとんど差がありませんでした。
一方で味(食感)の官能評価では以下のような差が出ました。
- 3色だんごは、官能評価で設定Aと設定Bで乾燥具合(硬さ)に大きな差がでた
- みたらしだんご・こしあんだんご・よもぎだんごについては3色だんごほどの大きな差はなかった
②だんごの解凍方法の違いによる品質の比較
ここからは解凍方法の違いによる品質の比較検証をおこなっていきます。
今回は以下の条件で3つの解凍方法の検証を行いました
保管期間:2週間
解凍方法:電子レンジ解凍 200W 2分半~3分 、湯銭解凍 3分半~4分、常温解凍 2時間
解凍方法による差異の官能評価
解凍方法 | コメント | 解凍時間 | 改善方法 | 推奨 |
---|---|---|---|---|
電子レンジ | 表面の乾燥がやや気になるが再現性〇 | 低ワット200W 約2分半~3分 | 乾燥が気になる場合は、はけや霧吹きで水を足してラップしレンジアップする | ★★ |
湯煎 | もちもちしていて、香りや水分を感じた。 再現性も一番高い。 | 3分半~4分 | 餡などは別添えとする | ★★★ |
常温 | 歩留まりは解凍後もすべて変化なし。 ●(きなこ、くるみ、ごまについて)香りが高いがもちの部分の硬さが気になった ●(こしあん・ずんだについて)あんが分厚い為、重なっている部分は乾燥を感じにくく、下の部分は乾燥を感じた 。 | 約24℃の室温で約2時間 | 解凍時間を早くする、温度をあげる、種類の選択 | ★ |
今回の検証では、最も品質を上げるための解凍方法の研究として、湯煎解凍が一番良い結果となりましたが、実際どの解凍方法でも冷凍しても冷凍前後で遜色のなく食べることができました。
デイブレイクラボチームでは日々研究を行っています。
何か食材の冷凍についてお悩みの方はぜひご相談ください。
実際にアートロックフリーザーを導入していただいている和菓子屋さんではだんごの他にも様々な和菓子を冷凍されている事例もございます。
また、「おはぎ」についても今後、検証して報告する予定です。
そちらの結果にもご期待ください!