【栄養は変わらない!?】冷凍野菜の使い方とおすすめレシピを紹介

これまでに、冷凍野菜を利用したことはありますか。

「冬でも野菜を食べられる」

「野菜が値上がりしても、そこそこの価格で手に入れられる」

「生野菜と比べて長期間の保存が可能」

などなど、冷凍野菜にはたくさんのメリットがあります。

しかし一方で、
「冷凍することで、野菜本来の栄養が失われてしまうのでは?」
という不安もあるのではないでしょうか。

この記事では、そのような冷凍野菜の栄養に関する話や、家庭で出来る野菜の冷凍方法、解凍方法、冷凍野菜を使ったレシピなどをご紹介しています。

家庭で出来る冷凍方法では、野菜の種類によって、どういった冷凍方法が適切なのか説明しています。ぜひご覧になってください。

冷凍した野菜の栄養

冷凍した野菜の栄養

冷凍野菜を使うときに気になるのが、「栄養があるのかどうか?」という点です。

生野菜と冷凍野菜を比べたときに、栄養素にどのような変化が出るのかを説明します。

まず結論から書くと、以下のようになります。

・ミネラルや食物繊維はほとんど変化しない
・水溶性ビタミン(ビタミンB,Cなど)は生野菜の方が高いことが多い
・脂溶性ビタミン(ビタミンAなど)は冷凍野菜の方が高いことが多い

一つずつ説明していきましょう。

ミネラル・ビタミン

ミネラルや食物繊維に関しては、冷凍野菜と生野菜とでほとんど差がありません。

つまり、冷凍野菜と生野菜のどちらを食べても、同程度の栄養価を摂取することができます。

水溶性ビタミン

まず、知っておいていただきたいのは、”冷凍”ではビタミンは失われないということです。

ところが、店頭で売られている冷凍野菜は、「ブランチング」という熱処理を施します。これは、野菜の汚れを落とし、また食材の劣化を進める酵素の働きをストップするために行うのですが、この処理をする時に、水溶性ビタミンが若干流れ出てしまうのです。

そのため、ビタミンBやCといった水に溶けやすいビタミン(=水溶性ビタミン)については「冷凍野菜<生野菜」となることが多いのです。

一方で、ビタミンAなどの油に溶けやすいビタミン(=脂溶性ビタミン)については、熱処理の影響を受けないため、「冷凍野菜>生野菜」となることが多くなります。

脂溶性ビタミン

ここまで読んで、
「あれ、なんで脂溶性ビタミンについては、冷凍野菜のほうが生野菜よりも高くなるんだ?」
と思われた方もいると思います。

これは、収穫時期の差が影響しています。

冷凍野菜は、最も熟したタイミング(=栄養価の高いタイミング)で収穫されます。そして、多少のビタミンの損失があっても、収穫時の栄養を保ったまま、私たちの食卓に並びます。

一方で、店頭に並ぶ生野菜は、輸送などの関係から、収穫~販売まで時間がかかります。私たちの食卓に並ぶまでには、さらに時間がかかるため、その間に栄養が失われてしまいます。

そのため、脂溶性ビタミンでは「冷凍野菜>生野菜」となることが多いのです。

少し長くなりましたが、簡単にまとめると以下のようになります。

野菜の栄養

参考1:Journal of Foodd Composition and Analysis(2017, vol59) Selected nutrient analyses of fresh, fresh-stored, and frozen fruits and vegetables
(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0889157517300418)
参考2:独立行政法人 国民生活センター 冷凍野菜の比較テスト結果
(http://www.kokusen.go.jp/news/data/a_W_NEWS_081.html)

野菜の冷凍方法

生のまま刻んで冷凍

セロリの冷凍保存

生の野菜をカットして冷凍する方法です。

比較的水分の少ない野菜に適した方法で、ネギやビーマンなどが該当します。

例えば、ネギであれば小口切りに、ピーマンであれば千切りにして冷凍しておくことができます。

あらかじめカットしておくことで、使うときの手間を省くことができる便利な方法です。カットした後は、水気を拭きとって、フリーザーバッグやタッパーウェアに入れて冷凍します。

★香味野菜(長ネギ、パセリ、みょうが、にらなど)、玉ねぎ、トマト、ごぼう、じゃがいも、大根、人参、きのこ

生のまま下味をつけて冷凍

きゅうりに酢を入れる

生の野菜に下味(塩、醤油、酢など)をつけてから冷凍する方法です。

通常、野菜を冷凍すると、水分が膨張して細胞を破壊するため、食感や風味が著しく劣化してしまいます。しかし、下味をつけておくことで、食材の中の水分が抜け、冷凍→解凍時の食感の変化を最小限にとどめることができます。

例えば、きゅうりは水分をたくさん含んでいるため、そのまま冷凍しては、解凍時にグニャグニャ状態になってしまいます。しかし、塩を振って揉んでおくことで、水分が抜け、冷凍してもシャキシャキ感を保つことができます。

★きゅうり、キャベツ、白菜

茹でて冷凍

さつまいもの冷凍保存

野菜を固めに茹でてから冷凍する方法です(ブランチングといいます)。

野菜の種類・大きさにもよりますが、10~30秒ほど茹でる→粗熱が取れるまで待つ→水気を切ってフリーザーバッグで冷凍という手順になります。

冷凍前に加熱しておくことで、食材中の水分を抜くことができ、冷凍→解凍時の食感・風味の変化を抑えることができます。それに加えて、微生物や酵素の働きを止め、野菜の変化を防ぐ効果もあります。

ブロッコリーやほうれん草などを大量に茹で、小分けにして冷凍してくと、調理の時に便利です。

★青菜(ほうれん草、小松菜など)、アスパラガス、オクラ、キャベツ、たけのこ、ブロッコリー、もやし、枝豆、ズッキーニ、大根、人参、きのこ

また、ブランチングとは異なりますが、茹でてからマッシュにして冷凍する方法もあります。

さつまいもの冷凍保存

さつまいもやじゃがいもなどを、竹串がスッと通るくらい茹でておき、水気を切ってつぶしておきます。その状態でフリーザーバッグに入れれば、マッシュポテトとして冷凍することができます。

特にさつまいもは、乳幼児のおやきなどにも使えますから、オススメの方法です。

★さつまいも、じゃがいも

炒めて冷凍

ズッキーニを冷凍する

野菜を炒めてから冷凍する方法です。

「茹でて冷凍」と同様、冷凍前に加熱するため、水分の多い野菜でも冷凍することができます。

キャベツや白菜などは、水分が多く、そのまま冷凍すると食感の変化してしまう野菜です。しかし、野菜炒めなどにしてから冷凍することで、食感の変化を押さえることができます。

★キャベツ、セロリ、玉ねぎ、白菜、ゴーヤ、ズッキーニ、なす、きのこ

冷凍野菜の解凍方法

冷凍野菜の解凍方法

冷蔵庫解凍

冷凍食材を冷蔵庫に移し替え、時間をかけて解凍するオーソドックスな解凍方法です。

解凍には、6時間~半日ほど時間がかかりますが、どの方法で冷凍した野菜でも解凍することができます。

解凍方法に迷ったら、とりあえず冷蔵庫解凍を選んでおけば間違いないでしょう。

常温解凍

冷凍庫から取り出した食材を、室温で解凍する方法です。

手軽で簡単な方法で、冷蔵庫保存よりも早く解凍できます。薬味として冷凍したネギや、サラダ用の野菜などはこの方法が適しています。

長時間の放置は食材が傷む原因になるので注意が必要です。特に、夏場などの暑い時期は、冷蔵庫解凍のほうが無難です。

流水解凍

冷凍食材を、フリーザーバッグごと流水にさらす解凍方法です。

急いでいるとき、大量の食材を解凍したいときに効果を発揮します。

冷凍庫解凍や室温解凍よりも早く解凍することができ、食材にもよりますが、20分~1時間程度で半解凍状態にできます。

氷水解凍

ボウルに氷水を張り、そこにフリーザーバッグごと浸す解凍方法です。

流水解凍よりも、解凍するのに時間がかかりますが、使用する水の量を節約できます。また、水温が0度に近いため、半解凍状態(※)で止めやすいというメリットもあります。

※半解凍状態とは、表面は解凍されていますが、中はまだ凍っている状態のことです。完全に溶けきっていないため、解凍時のドリップ(液漏れ)が少なく、水分と一緒に栄養が流れ出るのを防ぐことができます。

再茹で解凍

一度茹でてから冷凍した野菜を、再度茹でて解凍する方法です。

冷凍前に一度茹でているため、短い茹で時間で解凍することができます(茹で過ぎに注意!)。

冷凍ほうれん草をおひたしにしたり、冷凍枝豆を調理したりするときの利用がオススメです。

電子レンジ解凍

電子レンジの解凍機能を利用する、急いでいるときに有効な解凍方法です。

炒めて冷凍した場合や、茹でて冷凍した場合など、すでに加熱済みの食材を解凍するのに適しています。

解凍ムラを防ぐためにも、電子レンジ解凍をする場合は、冷凍庫から出してすぐの食材を解凍するようにしてください(一部が溶け出していると、そこだけ集中的に加熱されます)。

凍ったまま調理

冷凍食材を、凍ったまま調理に利用する、最も手間のかからない方法です。

凍った状態で炒める、煮る、揚げる、蒸すなど、様々な方法で加熱できます。

特に、煮物やスープなどに利用すると、野菜の栄養成分を余すところなく料理に生かせます。

冷凍野菜を使った簡単レシピ5選

ゆで豚とアスパラガスの梅肉サラダ

ゆで豚とアスパラガスの梅肉サラダ

出典:https://cookpad.com/recipe/4598034

☑材料(2人分)
・冷凍ゆで豚肉 200g
・冷凍アスパラガス(茹で) 6本分
・冷凍玉ねぎ(みじん) 20g
・梅肉 30g
・ポン酢 30ml

<作り方>
1)冷凍食材をそれぞれ解凍しておきます。
2)豚肉を5㎜程度の厚さに切り、梅肉は粗めにほぐします。
3)ボウルに(1)と、解凍したアスパラガス、玉ねぎ、ポン酢を入れ、和えたら完成です。
出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

セロリとコーンのスープ

セロリとコーンのスープ

出典:http://www.orangepage.net/recipes/detail_115988

☑材料(4人分)
・冷凍セロリ(炒め) 100g
・コーン(粒) 60g
・コンソメ 3個
・水 4カップ

<作り方>
1)鍋で水を沸騰させ、コンソメ、冷凍セロリ、コーンを加えて煮たら完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

★セロリ以外にも、お好みの冷凍野菜を入れてアレンジすることができます。

大豆とひじきの煮物

大豆とひじきの煮物

出典:https://cookpad.com/recipe/1928406

☑材料(6人分)
・冷凍大豆 150g
・冷凍さつま揚げ 2枚
・冷凍こんにゃく 20g
・冷凍ひじき 100g
・冷凍人参(細切り) 20g
・だし 1カップ
・砂糖 大さじ2
・みりん 大さじ1
・醤油 大さじ3

<作り方>
1)冷凍大豆、さつま揚げ、こんにゃくは解凍しておきます。
2)大豆はよく水を切り、さつま揚げは薄切りに、こんにゃくは千切りにします。
3)鍋に(1)の材料と、冷凍ひじき、人参を凍ったまま入れ、だしと砂糖も加えて10分ほど煮ます。
4)火が通ったら、みりん、醤油で味付けをし、煮汁が3割程度になるまで煮詰めたら完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

★大豆は茹でてから冷凍したものを、ひじきは水に戻してから冷凍したものを使用しています。

大根とねぎの卵雑炊

大根とねぎの卵雑炊

出典:https://cookpad.com/recipe/3553587

☑材料(1人分)
・冷凍大根(千切り) 30g
・冷凍長ねぎ(小口切り) 10g
・卵 1個
・ご飯 120g
・だし 2カップ
・醤油 大さじ1
・塩 少々

<作り方>
1)土鍋などにだしを入れて沸騰させたのち、ごはんと凍ったままの冷凍大根を入れて10分ほど煮ます。
2)凍ったままの長ねぎも加え、卵を溶いて回し入れます。
3)最後に醤油と塩で味を調えたら完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

★大根の葉(冷凍可)があれば、最後に散らすと色合いが出ます。

簡単クラムチャウダー

簡単クラムチャウダー

出典:https://cookpad.com/recipe/4535625

☑材料(2人分)
・冷凍きのこミックス 60g
・冷凍玉ねぎ(炒め) 40g
・牛乳 2カップ
・ホワイトソース 120g
・塩こしょう 少々
・バター 20g

<作り方>
1)鍋にバターと凍ったままの冷凍きのこミックス、玉ねぎを入れて炒めます。
2)火が通ったら、牛乳、ホワイトソースを加えて、よく混ぜながら温めます。
3)最後に塩、こしょうで味を調えたら完成です。

出典:いちばんよくわかる!基本の冷凍保存

★冷凍きのこミックスとは、しめじやまいたけなど、お好みのキノコをミックスして冷凍したものです。
★玉ねぎ(炒め)は、あらかじめ細切りにして炒めてから冷凍したものを使用しています。
★ホワイトソースや、バターなども冷凍したものを使用することができます。

まとめ

冷凍野菜の栄養についての記事はいかがでしたか。

自宅で出来る野菜の冷凍方法と、解凍方法について紹介しました。

冷凍方法は以下の4種類あり、

  1. 生のまま刻んで冷凍
  2. 生のまま下味をつけて冷凍
  3. 茹でて冷凍
  4. 炒めて冷凍

解凍方法には以下の6つの種類があります。

  1. 冷蔵庫解凍
  2. 常温解凍
  3. 流水解凍
  4. 氷水解凍
  5. 再茹で解凍
  6. 電子レンジ解凍
  7. 凍ったまま調理

それぞれの方法にメリットあり、そして適した野菜があります。自分の用途に合わせて使い分け、野菜を上手に冷凍してください。

この記事の監修者

富山 知樹

ARTLOCKラボ マネージャー/管理栄養士/調理師
富山 知樹

フランス料理に魅了され、料理の世界へ。渡欧し二つ星レストランで修行。帰国後も日本のレストラン、会員制ホテルにて前菜・メイン・パン・デザートなどの部門を担当しつつ研鑽を積む。食による社会貢献や課題解決のため管理栄養士の資格をとり、現在はデイブレイクにて食×冷凍の研究を行うラボチームマネージャーを担当。

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