【知っておきたい】冷凍カニを美味しく解凍する際の7つのポイント
冷凍カニの正しい解凍方法をご存じですか?
冷凍カニは解凍方法を間違えると、美味しく食べることができません。ですので、冷凍カニを食べるときは、正しい方法できちんと解凍する必要があります。
冷凍カニを解凍する際に一番重要なことは、ボイルしてあるカニと、生のカニとでは解凍方法が異なるということです。
ボイルしてある冷凍カニは冷蔵庫での解凍、生の冷凍カニは流水解凍が適しています。
解凍する際の注意点や正しい方法、さらに、解凍の目安時間や日持ちなど、冷凍カニにおける7つのポイントを詳しく解説します。
→→ 国産フルーツが特殊冷凍でサクサクな新食感デザートに?!
目次
ボイル済みのカニは冷蔵庫でゆっくり解凍する
ボイルしてある冷凍カニの最適な解凍方法は、冷蔵庫でゆっくり解凍すること。急激に解凍すると、旨味とともにドリップが流れ出てしまい、身がパサパサして味が落ちてしまいます。
ですので、室温での解凍は避け、低温で解凍することをおすすめします。
冷凍カニを解凍する際に一番大切なことは、乾燥させないこと。乾燥から防ぐために、新聞紙とキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて解凍します。
その際、水切りバットなどの容器に入れて、容器ごとビニール袋に入れてください。
冷凍カニを解凍すると大量の水分が出るので、冷蔵庫内がぬれないように、水切りバットや深いお皿に入れて解凍する必要があります。
解凍するときに出る水分の正体は、冷凍カニの表面を覆っている氷の膜です。カニを冷凍する際に、乾燥から守るためにグレース処理を行い、表面に氷の膜を作ります。解凍すると氷の膜が溶けるので、水分が出ます。
また、甲羅のついている毛ガニは、カニみそが流れ出ないように甲羅を下側にして解凍します。完全に解凍してしまうと旨味が逃げてしまうので、8割程度解凍した状態が一番美味しく食べることができます。
解凍に時間がかかるので計画的に解凍する
冷凍カニは、グレース処理によって氷の膜に覆われているので、解凍に時間がかかります。さらに、冷蔵庫でゆっくり解凍したほうが良いので、基本的に約1日かかります。
カニの種類や部位によって、解凍時間の目安は異なります。
<カニの種類・部位ごとの解凍時間の目安>
・毛ガニ、タラバガニの姿、カットしたタラバガニの足の場合、24時間
・ズワイガニ姿、カットしていないタラバガニの足の場合、18時間
・ズワイガニの足の場合、12時間
大きいカニや大量のカニを解凍する場合や、甲羅があるカニは甲羅の中にカニみそや身がつまっているので、解凍に時間がかかります。
ですので、大きいカニ、毛ガニ、甲羅のあるズワイガニは、1日半ほど解凍に時間がかかることもあります。
冷凍カニを冷蔵庫で解凍する際は、前日に冷凍庫から出して準備する必要があります。
生のカニや急いでいる時は流水解凍する
生のカニの解凍や急いで解凍したい時は、流水解凍が最適です。カニをビニール袋に入れて密閉し、流水に漬けて解凍します。
直接水に触れてしまうと旨味が逃げ、品質も落ちてしまうので、袋をしっかり閉じることが大切。
生の冷凍カニは品質が落ちやすく、解凍して時間がたつと黒く変色することがあります。黒く変色しても食べることはできますが、見た目や風味が悪くなり、味も落ちてしまいます。
生の冷凍カニは短時間で解凍した方が美味しく食べることができるので、流水解凍が適しています。特にむき身の場合、色が黒くなりやすいので、食べる直前に流水解凍すると良いです。
流水解凍すると、大きさにもよりますが30~40分で解凍できます。解凍しすぎると品質が落ちてしまうので、7割程度解凍した状態が一番美味しく食べることができます。
解凍するとビニール袋の中に大量の水分が出ますが、カニの表面を覆っていた氷の膜が溶け出たものです。解凍できたら、溶け出た水分は捨ててください。
生のカニは黒く変色しやすいので、解凍してすぐに食べる
生の冷凍カニを解凍すると、黒く変色することがあります。黒く変色する原因は、カニに含まれるタンパク質が酸化して、黒色の色素であるメラニンを生成するからです。
タンパク質がアミノ酸に分解されると、アミノ酸に含まれるチロシンというメラニンのもとになる成分によって、黒く変色してしまいます。
黒く変色すると見た目、風味が悪くなるので、変色する前に食べることが大切。生の冷凍カニは、解凍したらすぐに食べるようにしてください。
ゆでるとメラニンを生成する酵素の働きを阻害するので、ボイルした冷凍カニは時間がたっても黒く変色しません。とはいっても、ボイルしてある冷凍カニも、解凍したらできるだけ早く食べることをおすすめします。
電子レンジでの解凍はしない
電子レンジを使うと短時間で解凍できますが、カニの解凍においてはおすすめできません。電子レンジで解凍すると、急速に溶けるのでカニの表面から旨味成分が流れ出てしまいます。
すると、身がパサパサの食感になり、風味も落ちてしまいます。
また、解凍せずにゆでる、蒸すなどの調理も避けたほうが良いです。カニを冷凍する際にグレース処理を行うので、カニの表面を氷の膜が覆っています。
解凍せずに調理してしまうと、氷の膜が溶け出て、品質の劣化や臭みの原因になります。
解凍したカニは再冷凍しない
解凍したカニを再冷凍すると、美味しさが失われてしまいます。冷凍カニは、業務用の急速冷凍機で冷凍しているので、ご家庭やお店などで美味しく食べることができます。
通常の冷凍方法だと、冷凍する際に細胞を傷つけてしまうので、食感や風味が落ちてしまいます。
しかし、急速冷凍することで、細胞を破壊せずに凍らせることが可能。鮮度、品質を落とさずに冷凍できるので、美味しい状態を維持できます。
家庭の冷凍庫では急速冷凍ができないので、解凍したカニを再冷凍すると、細胞が傷つき品質が落ちてしまいます。ですので、解凍したカニは再冷凍せずに食べることをおすすめします。
冷凍カニの日持ちは、冷凍で1カ月、解凍したら2日間
カニの種類によっても冷凍保存できる期間は異なりますが、ほとんどが1年間とされています。しかし、美味しさを考えると、1カ月ほどで食べたほうが良いです。
業務用の冷凍庫ならば、-30℃近くの低温できちんと冷凍保存できるので、長期間の保存ができます。
しかし、家庭の冷凍庫の設定温度は、-18℃。さらに、家庭の冷凍庫は開け閉めが多いので、庫内温度が-18℃~-16℃になってしまいます。
庫内温度が上昇すると、冷凍カニが溶け、品質劣化につながります。家庭の冷凍庫で長期間冷凍保存していると、鮮度や品質が少しずつ落ちてしまうので、早めに食べることをおすすめします。
また、解凍したカニの日持ちは、冷蔵庫で2日間。解凍した日に食べきったほうが良いですが、保存する際は、乾燥しないようにラップで包んで冷蔵庫で保存してください。
解凍して時間がたつと風味が落ちてしまうので、チャーハンやグラタンなどの具材として使うことをおすすめします。
まとめ
正しい方法で解凍することで、冷凍カニは格段に美味しくなります。
ボイルしてある冷凍カニは冷蔵庫でゆっくりと解凍、生の冷凍カニは流水解凍し、注意点を守りながら解凍してください。
また、冷凍保存できる期間や、解凍目安時間を守ることで、より美味しく食べることができます。
冷凍カニは解凍したてが一番美味しいので、解凍したらすぐに食べることをおすすめします。