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今話題のショックフリーザー大辞典!これを読めば全体像がわかる

食材や食品を急速に冷却し、菌繁殖を防ぎながら美味しく凍らせることのできるショックフリーザー。しかし、専門性の高い機器であるため、使いこなすのが難しかったり、適切な機器選定をするのがなかなか難しいとされています。このページではそんなショックフリーザーの情報を一挙に公開。初めての方もすでにお使いの方にも役立つ情報をお届け致します。

ショックフリーザーとは?

ショックフリーザーとは

ショックフリーザーとは、「菌繁殖の抑制」や「冷凍品質向上」のために早く冷やす機構を搭載した業務用の冷凍機のことを指します。「急速冷凍機」「急速冷凍庫」「瞬間冷凍機」「急速凍結庫」「ブラストチラー」など様々な呼ばれ方をしていますが、どれも同じ業務用の急速冷凍機を指しています。

ショックフリーザーは主に-30℃~-40℃の低温の風を食品に当てることで急速に冷やす原理になっております。

低温の風によって急速に冷やす方式を「エアブラスト式」と呼びます。ショックフリーザーのほとんどがこのエアブラスト式になります。

ショックフリーザー/ブラストチラーという名称で販売されているものも多いですが、厳密には「フリーザー」と「チラー」は別の用途で使うものになっております。最近では小型化も進んでおり、100V電源で動くような業務用のショックフリーザーも出てきています。

小型のものでも急速凍結は可能ですが、その仕組み上、多くのものを冷やすことはできないので選び方には注意が必要です。

価格は小型のもので100万円~存在していますが、業務用として使うサイズ感だと約400万円程度~と考えておくと失敗がないかと思います。

国や地方自治体の補助金や税金控除・税制優遇制度なども使える商品群ですので、価格が気になる方にもおすすめです。

注意!意外と勘違いされているショックフリーザー

ここで一点、注意したいポイントがあります。

世の中でよく「ショックフリーザーは素早く冷凍するためのもの」という認識が広まっていますが、一部間違いがあります。ショックフリーザーの中には、「低温の冷風によってアツアツのものを一気に10℃~20℃程度に下げることで菌の繁殖を抑制すること」を目的として設計されているものも数多くあります。この場合、冷凍するのではなく冷却をすることを目的としており、「冷凍」するのに必要な仕様設計になっていないショックフリーザーも多数存在しています。

そのため、ショックフリーザーの導入をお考えの際は、検討している機器がきちんと冷凍温度帯に対応した仕様になっているかどうかをご確認いただくことをおすすめしております。温度がどれぐらい下がるのか、といった仕様に目が行きがちですが、温度が低いからと言って冷凍品質が高くなるわけではないので注意が必要です。

ショックフリーザーは近年かなり一般化してきておりますが、きちんと選定し、使いこなすには専門知識が必要です。ただ食材や食品を急速冷凍庫内に入れて終わりという訳ではなく、中途半端に使ってしまうことでの「冷凍品質の劣化」や「工程の効率悪化」など失敗例も多数ありますので知識をつけてしっかり活用していきましょう。

ショックフリーザーとブラストチラー、冷凍庫の違い

ショックフリーザーとブラストチラーと冷凍庫、何が違う?

結論から言うと「ショックフリーザー」も「ブラストチラー」も同じ業務用の急速冷凍機器を指しています。もっと言うと「急速冷凍機」「急速冷凍庫」「瞬間冷凍機」「急速凍結庫」も変わりません。

メーカー側でもこの二つを分けてはおらず、「ショックフリーザー/ブラストチラー」という商品名で売っていることも多いです。

ただし、ショック「フリーザー(冷凍)」、ブラスト「チラー(冷却)」という名前の通り、冷凍するのか(終了温度が0℃以下になるのか)、冷却するのか(終了温度が0℃以上になるのか)で、言葉を使い分けている人も一定数います。

そのため、凍らせる目的の際はショックフリーザーチルド帯まで温度を下げる目的の際にはブラストチラーと呼び分けるのも良いかもしれません。

実際にはショックフリーザー/ブラストチラーとして販売されている商品の中には、冷却は得意だが冷凍には不向きなものも存在しているため、フリーザーとチラーは分けて考えた方が良いと思います。

また、冷凍庫との違いもよく疑問に上がりますが、家庭用冷凍庫も業務用冷凍庫も、「冷凍庫」「冷凍ストッカー」と呼ばれるものは基本的に冷凍による保管が目的です。冷凍庫は粗熱を取ったり冷凍をしたり最適な構造にはなっておりません。通常の冷凍庫で冷やすことを緩慢冷凍と呼びますが、多くの食材は緩慢冷凍をすることで品質が劣化します。

中には⁻60℃まで冷える超低温冷凍庫もあったりしますが、温度が低いからといってよい冷凍になるわけではありませんので注意が必要です。

温度が高いよりかは低い方が早く冷えますが、-60℃でも冷えるスピードが劇的に速くなるわけではありません。冷凍品質向上のためには冷凍速度が非常に重要ですが、冷凍速度を速めるには温度の低さより「風の当て方」が大切です。冷凍庫はあくまで保管目的で作られているので、「風」が発生しない仕組みになっており、早く冷やす構造にはなっていないのです。

ショックフリーザーとブラストチラー、冷凍庫の違いはしっかり理解しておきましょう。

業務用のショックフリーザー、間違いのない選定をする方法とは

意外と難しい?ショックフリーザーの選定

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次に、ショックフリーザーの選定方法についてご説明します。

ショックフリーザー自体はほぼ業務用として採用いただくケースが多いので、ここでは業務用の選定方法のご説明をさせていただきます。

ショックフリーザーは業務用冷凍庫のようなサイズの小型のものからプレハブ型の大型のものまで、用途に応じた様々な仕様がございます。

そのため、下記のように仕様を確定させるためにいくつか選定要件を明確にしていくことをおすすめしております。

まず大切なのが使用用途。「冷却(チラー)」が目的なのか、「冷凍(フリーズ)」が目的なのかで、そもそも最適な仕様が変わりますので、選定方法が変わります。

次に大切なのがどんな食材を冷やすかという観点です。食材の成分や、形状、包装有無などの状態によって冷え方は大きく変わり、ショックフリーザーに必要な仕様や機能も変わってきます。また、冷却(チラー)前温度と、冷却後の温度、もしくは凍結(フリーズ)前温度と、凍結後の温度も重要な指標となります。

そして最後に重要な指標となるのが「時間」

冷却・冷凍にどれぐらい使える時間があるかというのも重要な指標になります。まず、前後工程の生産能力に合わせて機器選定をする必要があります。その際に冷却・冷凍工程にどれだけ時間を使えるかを考えて機器を選んでいく必要性がございます。

また、何分で冷却・冷凍が出来るかによって生産効率も変わるので、時間を加味した適切な仕様選定は重要です。

例えば、焼成後のハンバーグを冷凍する工程であれば、〇〇分ごとに□□個のハンバーグが焼きあがるのであれば、その工程の生産能力に合わせたショックフリーザーの選定が必要となります。また、後工程で包装するようであれば、その包装工程で1包装のタクトタイムが何秒か、という後工程生産能力を考える必要もあります。

使用用途・冷やす対象・そして前後工程と冷却工程にかかる時間を明確にして、初めて正しい選定が可能になります。

ショックフリーザー(急速冷凍機)の機能なども非常に重要ではありますが、まずは基本的なこれらの選定要件をきちんと明確にしていきましょう。

こういった要素を考えていくと、選定要件を考えていくだけでも一苦労です。

その場合にはぜひデイブレイク社の無料の電話相談をご活用ください。デイブレイク社では様々な原理のショックフリーザーを取り扱っており、年間1500件を超える相談実績がございます。

目的に応じたショックフリーザーを選ぼう!

ショックフリーザーは仕様によってパワーが異なります。軽自動車とトラックのエンジンのパワーが違うように、ショックフリーザーにも冷やすためのエンジンにパワーがあります。

先ほど、使用目的が冷却(チラー)か冷凍(フリーズ)かでは、仕様が異なるとお伝えさせていただいたのはそのパワーを考えた選定をしないといけないためです。

そして、冷却(チラー)と冷凍(フリーズ)では冷やすのに必要なパワーが異なります。(冷凍の方が冷やすのにパワーを使うため、より大きなエンジンが必要となる)

しかしながら、販売されているショックフリーザーはどのメーカーも「冷却(チラー)」も「冷凍(フリーズ)」もできるかのように記載をされています。確かに、冷却(チラー)用の設計でも冷凍をすることは可能なのですが、生産効率が悪化し、コストパフォーマンスが悪くなります。せっかく導入するのにもったいないことになってしまいますので、目的に応じた選定をする意識を持ちましょう。

多くのショックフリーザーが「冷却(チラー)用の仕様設計」になっていることが多いので、冷凍(フリーズ)を目的として購入する際には注意が必要です。

また、昨今では衛生管理の基準を満たす設計になっているかどうかの観点も非常に大切です。冷却と冷凍、いずれの場合もHACCPや大量調理施設衛生管理マニュアルに準拠した機器選定を心がけましょう。

【参考】厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアル

 調理後直ちに提供される食品以外の食品は、食中毒菌の増殖を抑制するために、10℃以下又は65℃以上で管理することが必要である。(別添3参照) ① 加熱調理後、食品を冷却する場合には、食中毒菌の発育至適温度帯(約20℃~50℃)の時間を可能な限り短くするため、冷却機を用いたり、清潔な場所で衛生的な容器に小分けするなどして、30分以内に中心温度を20℃付近(又は60分以内に中心温度を10℃付近)まで下げるよう工夫すること。

当然のことですが、同じショックフリーザーでアツアツのものを一つだけ冷やすのと大量に冷やすのとでは、冷え方が変わります。ショックフリーザーの冷凍庫内に一度に大量に食品が入れば入るほど冷えが悪くなります。そうなってしまうとエンジンのパワーが最適でないと、HACCPや大量調理施設衛生管理マニュアルを満たさないといった問題が発生することもあります。準拠していないことで食中毒の発生リスクは増え、仮に食中毒が発生してしまうと営業停止処分となってしまい、お店の看板も損ないますので、多大な損失が出ます。

聞いてみれば当たり前のことなのですが、この選定が最適でないがゆえに失敗しているケースも非常に多いので、選定はきちんと機械のプロに相談しながら進めましょう。

ショックフリーザーの使い方事例

ショックフリーザーの使い方は?

ショックフリーザーの使い方は大きく二つ。冷却(チラー)と冷凍(フリーズ)です。

①菌の繁殖を防いだり、チルド流通のために「冷却」する

┗HACCPや厚生労働省の大量調理施設衛生管理マニュアルにあるような、食中毒菌の抑制のために冷却する。

┗プリンやケーキのスポンジなど、チルド温度帯で喫食するものを冷却する。等

②冷凍食品を製造するために「高い品質で急速冷凍」する

┗品質劣化を抑えるために急速冷凍する。等

ほとんどのショックフリーザーは強風で素早く冷やす仕組みとなっているため、乾燥が発生しがちです。

また、強風による表面の変色や酸化も発生しやすくなっております。

導入に際しては、きちんと事前のテストを行うことが推奨です。

また、そもそも乾燥が発生しづらい原理を搭載したショックフリーザーを選ぶのもポイントになります。

実際に運用自体は非常にシンプル。フランス天板(欧州天板)やホテルパンなどに冷却・凍結したいものを乗せて差し込んでいく流れとなります。

ショックフリーザーの活用事例

ショックフリーザーは有効活用することで様々な事業上のメリットが得られます。

ショックフリーザーによる高品質な冷凍が実現できると、様々な事業展開が見込めます。

冷凍活用事例

使い方の一例をまとめましたので、ぜひご参考にしてみてください。

コストを抑えたい・・・そんな時に中古はあり?なし?

ショックフリーザーの中古品でコストが抑えられる?

ショックフリーザーは市場がどんどん拡大しており、中古品も数多く出回っております。

価格の高い機器なので導入するのであれば、安く導入したいところ。そんな時に中古は非常に有効です。

ただし、ショックフリーザーはこれまで説明させていただいた通り、専門性の高い業務用機器になります。

そのため、メンテナンスや取り扱い、使い方や冷却冷凍の原理に詳しくない場合には中古での購入は控えた方がよいかもしれません。

中古品の場合、見かけ上は安く購入できるメリットはあるのですが、業務用の機器になりますので、修理等が発生する場合、専用部品や専門エンジニアの派遣等が必要となります。自動車業界のように、世の中に部品やエンジニアが多数いる業界であれば、コストも安く修理可能なのですが、ショックフリーザー/ブラストチラー業界はエンジニアの数が少なく貴重であるため、修理に金額がかかる傾向にあります。

また、中古品の場合、メーカーがすでに廃盤としている機種の場合、修理部品(特に、仕様変更の激しい半導体部品)の入手が困難であることも度々発生します。

そういったコストやリスクを考えると、自分でメンテナンスが出来ないのであれば、どのように使われていたか分からない中古品よりは新品を選ばれた方がかえってお金がかからないかもしれません。

とはいえ、価格は決してお安いものではないですので、国や地方自治体の補助金や税金控除・税制優遇制度などを有効活用するなどして導入コストを抑え、お得に導入するのがよいでしょう。

おすすめのショックフリーザーのご紹介

おすすめの最新ショックフリーザー「アートロックフリーザーシリーズ」

おすすめの最新ショックフリーザー/ブラストチラーについて、ご紹介をさせていただきます。

アートロックフリーザーは、最新技術を用いた様々な機能を有しており、「冷却(チラー)」「冷凍(フリーズ)」どちらにも対応した最新のショックフリーザーになります。

高品質を実現。新原理マイクロウインドシステム

マイクロウインドシステム

これまでの冷凍は早く冷えれば冷えるほど良いとされてきました。

早く冷やすためには「風速を強くする」「極限まで温度を下げる」という二つが必要ですが、

この方法がかえって食材にダメージを与えてしまい、乾燥・酸化・変色・身割れなどの品質劣化が発生してしまいます。

そのため、従来のショックフリーザーではどうしても品質への悪影響が発生しがちでした。

新原理マイクロウインドシステムではこの「風の当て方」を一新。食材にダメージを与えずに冷やす効率を高めた新機構となっております。

庫内のばらつきをなくし、品質も効率もアップ

庫内ばらつき

また、マイクロウインドシステムは庫内の置き場所による品質のばらつきをなくします

従来のショックフリーザーではどうしても置き場所による冷え方のばらつきが発生しておりました。

また投入する食材によっては倍以上の時間がかかってしまうこともあり、冷却・冷凍の効率を悪化させてしまうことがありました。

マイクロウインドシステム搭載のアートロックフリーザーであれば、置き場所による品質のばらつきをなくし冷却・冷凍時の時間効率を最大化することが可能です。

アツアツのものも冷凍可能!アンチフロスト機構

霜取りが必要な従来の冷凍機
アートロックフリーザー

従来、ショックフリーザーは霜付きによって連続稼働が難しいとされてきました。

蒸気が出るようなアツアツのものを入れた場合、霜付きが発生してしまうため2~3時間に一回は霜取り作業を必要としていた上、1時間程度は霜取りと再起動までの時間が必要でした。

新型アートロックフリーザーにはアンチフロスト機構という冷却部に霜が付きづらい独自機構がついており、従来の霜取りによる課題を解消。

霜取り作業なしに長時間の連続稼働を可能にしています。

まとめ

ショックフリーザーの情報について、様々な観点からご紹介をさせていただきました。

世の中で一般的になりつつはありますが、使いこなすには専門知識が必要になります。もし不安がある方はぜひ一度ご相談ください。

デイブレイク株式会社では年間1500件の相談を元にしたデータやノウハウで最適な機器選定やオペレーション構築が可能です。

ぜひお気軽にご相談してみてください。

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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