栗の冷凍と解凍方法、保存期間、レシピ5選!【写真付きで解説】

「知り合いからいっぱい栗をもらったんだけど、部屋に置いといたら虫が湧いてきて…」

このような経験はないでしょうか?

栗は、鬼皮・渋皮とがっちりした皮に包まれているので、一見、常温保存でも長持ちするように思われがちです。

ですが、栗と虫とは切っても切り離せない関係。上手に保存しないと、特に外で拾ってきた栗は、数日で虫が湧いてしまいます。

こちらの記事では、虫が湧くのを予防でき、さらに長期保存が可能になる栗の冷凍方法をご紹介しています。現在、栗が手元に大量にあるという方は、ぜひご覧になってください。

栗を冷凍するメリット

美味しそうな栗

長期保存が可能になる

冒頭でもお話ししましたが、一見、常温でも保存できそうな栗は、実は”内側”から、虫の脅威にさらされています。

外で栗を拾ってきたことのある人なら共感できると思いますが、虫は数日で(早ければ翌日には)湧いてきます。これは、虫を外から呼び寄せているのではなく、もともと栗の中に卵が産み付けられているためです。

冷凍保存してしまえば、栗の中の温度が氷点下になります。すると、虫やその卵が活動できなくなり、栗を守ることができるのです。

では次に、冷凍前に虫食いかどうかを見分ける方法を、お話ししたいと思います。

虫食いの栗を見分ける方法

虫食い栗の見分け方

手元の栗が、虫食いかどうかを見分ける方法が2つあります。

1つは、穴が開いているかチェックする方法。もう1つは、水に浮くかどうかをチェックする方法です。

1つ目の、穴の有無をチェックする方法は読んで字のごとくです。栗の中で生まれた虫は、外側の固い皮(=鬼皮)に穴をあけて、外に出てきます。この時に、直径数ミリの穴ができるのです。

栗を手に入れたら、まずは小さな穴が開いていないか、1つ1つ調べてみましょう。

2つ目の方法は、鍋やボウルなどに水を張り、そこに栗を沈める方法です。虫に食われた栗は、中身がなくなり軽くなっています。すると、水の中で沈むことなく、プクプクと浮いてくるのです。

こうすることで、殻を割る前に、虫食いかどうかの判断をすることができます。

では、虫食いのチェック方法が分かったところで、無事残った栗を、天津甘栗のように甘くするテクニックをご紹介したいと思います。

栗を甘くする方法

栗を冷凍して甘くする

「天津甘栗はあんなに甘いのに、外でもらってくる栗は甘くない…」

このように考えたことはないでしょうか。実は、栗を甘くするには「温度管理」が重要だったのです。

チルド冷蔵

栗を甘くする方法その1:チルド冷蔵法

チルド冷蔵とは、家庭用冷蔵庫などにも備わっている機能(スペース)で、0度前後で食材を保存することができます。この機能を利用することで、栗の甘さをアップさせることができるのです。

やり方は簡単。

1.手元の栗を、チルドスペースにて2日冷蔵します。
2.いったん冷蔵庫から取り出し、ビニール袋などに入れて”密封せずに”、さらに4~5週間冷蔵します。

こうすることで、4~5週間後には、栗の糖含量を3倍程度まで増やすことができます。

雪の下で育ったほうれん草や大根は、細胞が凍り付かないように、体内の糖分濃度を上昇させます。そしてそれは、栗にもあてはまります。チルド冷蔵を用いて、疑似的に冬を作り出すことで、栗の中で糖分濃度が上昇し、甘さがアップするのです。

じっくり蒸す

栗を甘くする方法その2は、じっくり蒸すです。

加熱には茹でる、蒸す、焼くなどがありますが、一番のオススメは「蒸す」。茹でや焼きよりも若干手間がかかりますが、糖分の流出を防げるため、その一手間が栗の甘さをアップさせます。

こちらもやり方は簡単。

1.お鍋に蒸し皿を用意します。
2.栗1キロに対して、水1リットルを入れ、中火で沸騰させます。
3.栗を投入、1分したら火を止め10分蒸らします。
4.時間が経ったら、再び中火で50分蒸します。

こちらで使用するお鍋、普通の金属鍋で構わないのですが、こだわりたい人にはぜひ「土鍋」を使用してほしいと思います。

土鍋は、金属鍋に比べて熱の伝わり方が緩やかで、そのゆっくりと熱が伝わる様が、栗の甘さを引き出します。さつまいもを灰でじっくり焼くと、美味しい焼き芋になるのと同じように、栗もじっくりと加熱してあげることで、糖度をアップさせることができます。

栗の冷凍保存方法

いよいよ本題の栗の冷凍保存についてです。

1つ目→2つ目→3つ目と、手順の簡単な順に並べてあります。手早く済ませたい方は1つ目か2つ目を、栗の甘さにこだわりたい方は3つ目を選ぶと良いでしょう。

生で冷凍する方法

1.ふきんで栗を1つずつ拭いておきます。

栗を保存するためにきれいに拭く

2.新聞紙に包み、フリーザーバッグに入れ、冷凍します。

クリを新聞紙で包んで冷凍する

★皮(鬼皮)付きのまま冷凍できます。

茹でてから冷凍する方法

1.鍋に、栗1キロに対して水1リットルを入れ、栗を投入します。
2.中火にかけ、水の状態から沸騰させます。

保存するためにクリを茹でる

3.沸騰したら火を止め、1分放置。その後、ざるにあけて水を切ります。

茹でたクリの水を切って冷凍

4.粗熱が取れたら水気を拭きとり、フリーザーバッグに入れて冷凍します。

クリを保存するために拭く

★皮を取り除く場合は、4の段階で剥いてから、冷凍すると良いでしょう。

蒸してから冷凍する方法

1.お鍋に蒸し皿を用意します。
2.栗1キロに対して、水1リットルを入れ、中火で沸騰させます。
3.栗を投入、1分したら火を止め10分蒸らします。
4.時間が経ったら、再び中火で50分蒸します。

クリを保存するために拭く

出典:https://cookpad.com/recipe/6408267

5.粗熱が取れたら水気を拭きとり、フリーザーバッグに入れて冷凍します。

新聞紙で包んで冷凍する

★皮を取り除く場合は、5の段階で剥いてから、冷凍すると良いでしょう。
★1~4の工程は、「甘くする方法」で説明したものと同様の方法です。

栗の解凍方法と保存期間

解凍方法と賞味期限

栗の解凍方法

冷凍した栗は、凍ったまま調理に使用することができます。

皮付きのまま冷凍した場合は、20~30分ほど常温で解凍すると、鬼皮・渋皮ともに剥きやすくなります。

栗の保存期間

保存期間は2カ月が目安です。

ただ、冷凍保存中であっても、食材は確実に劣化していきます。フリーザーバッグに冷凍した日付を書くなどし、長く放置しないように気を付けましょう。

栗を使った簡単レシピ3選

簡単栗ご飯

☑材料(2人分)
・冷凍栗 6~10個
・お米 2合
・もち麦 大さじ4
・塩 適量

<作り方>
1)冷凍栗は自然解凍して、渋皮まで剥いておきましょう(加熱の有無は気にしません)。
2)お米をとぎ、炊飯器に入れます。栗、もち麦、塩も入れましょう。
3)炊飯器のスイッチを入れ、炊き上がれば完成です。

マロングラッセ

☑材料(8個分)
・冷凍栗 8個
・水 400cc
・砂糖 50g×2日分
・ブランデー 大さじ1

<作り方>
1)冷凍栗は、茹でる・蒸すなどで熱を通し、渋皮まで剥いたものを使用します。
2)鍋に栗、水、砂糖50gを入れて、20分ほど煮たら、1日放置します。
3)次の日、砂糖50gを加えて、再び20分ほど煮ます。
4)栗だけ別の容器に移し替え、残りのシロップにとろみがつくまで煮詰めます。
5)(4)の栗の入った容器にシロップを加え、ブランデーを入れて、冷蔵庫で1番寝かせたら完成です。

マロンスープ

☑材料(4 人分)
・冷凍栗 約12個
・玉ねぎ 1/2個
・牛乳 200cc
・水 200cc
●固形スープの素 1個
●塩こしょう 適量

<作り方>
1)冷凍栗を茹でる・蒸すなどで一度火を通したものを使います。
2)栗の渋皮を剥き、適当な大きさに切っておきます。
3)玉ねぎはみじん切りにします。
4)鍋に水と玉ねぎを入れ、玉ねぎに火が通ったら●の材料を加えます。
5)栗も入れて1分ほど煮たら、牛乳を入れて馴染ませます。
6)鍋からミキサーに移し、30秒ほど攪拌します。
7)お皿に移したら完成です(冷蔵庫で冷やして、冷静スープにすることも)。

まとめ

栗の冷凍保存はいかがでしたか。

以下で簡単にまとめますと、

虫食いの栗を見分ける方法
・穴が開いていないかチェック
・水に浮くかどうかチェック

栗を甘くする方法
・チルド冷蔵で疑似的な冬を作り出す
・じっくりと時間をかけて蒸す

栗の冷凍保存方法
・生の場合は、汚れをふき取ってそのまま冷凍
・茹でる場合は、粗熱を取ってから冷凍
・蒸す場合も、粗熱を取ってから冷凍
※皮はどのタイミングで剥いてもOKです

保存期間と解凍方法
・保存期間は6カ月を目安
・解凍方法はそのまま使うか、自然解凍

以上です。
秋の味覚、栄養満点の栗を、冷凍保存を上手に活用してください。

この記事の監修者

富山 知樹

ARTLOCKラボ マネージャー/管理栄養士/調理師
富山 知樹

フランス料理に魅了され、料理の世界へ。渡欧し二つ星レストランで修行。帰国後も日本のレストラン、会員制ホテルにて前菜・メイン・パン・デザートなどの部門を担当しつつ研鑽を積む。食による社会貢献や課題解決のため管理栄養士の資格をとり、現在はデイブレイクにて食×冷凍の研究を行うラボチームマネージャーを担当。

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