特殊冷凍デモ いちご(長期保存)
今回は前回に引き続き、「いちご」の冷凍の前処理~解凍までの実験です。
特に凍結手法の違いによる冷凍品質の差にフォーカスして比較した結果を報告します。
実験の主な条件はこちらです。
- 食材選定:とれたていちご(とちおとめ)
- 凍結条件:ヘタをおとした1粒 or 半分にカット
- 凍結手法:アートロックフリーザー、液体冷凍
- 保管方法:【真空】99%
【期間】3ヶ月 - 解凍方法:常温解凍(完全解凍までの経過を観察)
アートロックフリーザーと液体凍結機でそれぞれ凍結し、前処理、冷凍、解凍の状態をそれぞれ比較しました。
前回と同様に実験の条件以外の差による結果のノイズを小さくするため、なるべくサイズや形状の似たいちごを選定しています。
アートロックフリーザーでの凍結
今回もまずは、アートロックフリーザーで凍結していきます。
凍結前処理~凍結
凍結後に真空パックしているので99%の真空でもドリップは見られませんでした。
次に、液体凍結機で凍結します。
液体凍結機での凍結
凍結前処理~凍結
凍結用の不凍液と食材の接触を防ぐため、液体に浸漬する前に真空パックします。
果物は酸化を起こすため、なるべく空気を抜いた状態で凍結・保管が望ましいため、液体凍結機で凍結するサンプルもアートロックフリーザーで凍結したサンプルと同様、強めの真空をかけたが、既に凍結前からつぶれてしまいドリップが見られた。
凍結前の真空で発生したドリップごと冷凍された。
アートロックフリーザーと液体凍結機の比較
保管(期間3か月)~解凍
アートロックフリーザーと液体凍結機で冷凍したいちごをそれぞれ3か月間保管し、解凍前後の状態を比較しました。
液体凍結機で冷凍したいちごは解凍後に透明になっていることがわかる。また、冷凍いちごを完全解凍するとアートロックフリーザーで冷凍したものもドリップはでてしまうが、明らかに見た目や味の違いがみられた。
官能評価
- 液体凍結99%真空は全体的に味が抜けていて薄くなっていた。
- アートロックフリーザーの方がいちごの酸味、甘味などいちご本来の味を感じた。
アートフリーザーで凍結したいちごでも全解凍するとドリップが出てしまいます。
しかしながら、液体凍結機で凍結したいちごよりもアートロックフリーザーで凍結したいちごは“味の濃さ”という点で、酸味、甘味、風味などいちご本来の味が残っていました。
一方で、前回の記事でも触れた通り、冷凍いちごをよりおいしくいただくには、半解凍の状態での喫食をおすすめします。
凍結機 | 液体凍結機 | アートロックフリーザー |
官能評価 | 味が抜けて薄い | 甘味・酸味などを感じた |
ドリップの量はいちごの完熟度や品種にもよるが、液体凍結機で凍結したものは、凍結前の真空時にドリップが出てしまったため、味が抜けたと考える。
まとめ
冷凍いちごは半解凍での喫食をおすすめしますが、今回の検証では半解凍の状態でも液体凍結機とアートロックフリーザーで味の違いがみられることが分かりました。
アートロックフリーザーでいちごを凍結すると、他の凍結方法より生のままのような、いちごの風味を感じることができ甘さや酸っぱさの再現性があることを検証できました。
デイブレイクではアートロックフリーザーで凍結した冷凍いちご、フルーツ各種を取り扱っております。
今回は全解凍まで検証しておりますが、実際には冷凍のまま使用したり、加工して使用、またはフローズンフルーツとして半解凍でそのまま召し上がって頂く方法をお勧めしております!
スムージーについてや加工についての詳細は下記、アートロックフードまでお問い合わせください。
※下記写真はいちごミックス、100gパッケージ、イチゴを使ったミックスです。
液体と一緒にミキサーに混ぜるとスムージーが簡単に作れます。