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【ご飯を扱う飲食店必見】ご飯を長期保存できる急速冷凍とは?

お弁当屋・寿司屋・和食店・中華レストラン・おにぎり専門店…などなど、ご飯を扱っている飲食店様は数多くあります。

このような事業者様の抱えるお悩みとして、

「ご飯メニューを冷凍して業務の効率化を図りたい」

「ご飯が大量に残ってしまうけど廃棄したくない…。」

「お寿司などご飯を使ったメニューの販路を拡大したい!」

といった話をしばしば伺います。

そこで今回は、このようなお悩みを解決する「急速冷凍」をご紹介します。

皆様は『冷凍』に、どのような印象をお持ちでしょうか?

「品質劣化」のようなマイナスの印象を持たれる方が多いのが現状です。実は、ご飯は急速冷凍することで、解凍後にお客様に提供できるほど高品質な状態を保つことが可能なのです。

また、一括りでごはんと言っても白ご飯や炊き込みご飯、お寿司のシャリやおにぎりなど様々な用途があります。

今回はご飯を扱ってビジネスを行っている事業者様に向けて、急速冷凍することで得られるメリットから、急速冷凍の導入で見込める利益まで詳しく解説していきます。

ご飯の保存期間が短い理由は?

ご存じの通り、「ご飯」は炊きたての状態から時間が経つにつれて劣化していきます。気温や品質にもよりますが常温保存で12時間ほど、冷蔵では3日が限度です。

保存できるといっても、炊き立ての品質を保ったまま保存できるわけではありません。(パックご飯は徹底した無菌状態を保つことで長期保存を可能にしていますが、そのような専門の会社でない限り困難です。)

ではなぜご飯は賞味期限が短いのでしょうか?

ご飯には雑菌の大好物である水分やでんぷん、糖などが大量に含まれているため、腐敗しやすく、炊きたての状態から時間が経つにつれて劣化が進んでいきます。

冷蔵保存では雑菌の繁殖は抑えられますが、お米に含まれているでんぷんは冷蔵庫内の温度帯で特に老化してしまう性質を持つため、ご飯はパサパサした状態になってしまいます。

(でんぷんの老化:水を加えて加熱するとでんぷんは水分を含みやわらかくなり、これをα化と言います。その後でんぷんの温度が下がると組織から水が分離し、生のでんぷんに戻ろうとして硬くなってしまうのです。)

デンプン 変化表

このようなことから、ご飯をおいしく保存する手段として”冷凍”が考えられることになります。

頭を抱える女性

ご飯の冷凍について相談する

ご飯を扱う事業者様が抱えるお悩み

「おいしいご飯の保存」が行えないことで、以下のようなお悩みを抱えているのではないでしょうか。

①廃棄ロスや機会損失

用意した分のご飯が余ってしまったが、保存出来ないため捨てている。

急な発注が入ったが、ご飯を炊いていなかったために対応できなかった。

②品質

現在ご飯をあらかじめ冷凍保存しているが、解凍後の品質が低い。白蠟化しているため、水分が抜けてパサパサする。

お客様に提供する食品の品質を上げたいと考えている

③通信販売ができない

ご飯メニューの品質を保ったままお客様に配送することが出来ず、通販に参入するのが難しい。

④急な発注への対応で人件費がかさむ

急に大量のメニューの注文を受けた場合、対応しきれず断るか、人員を増員して昼夜問わず製造を行うか、だと考えられます。しかし昼夜問わず製造を行う場合、人件費がかさんでしまいます。

このようなお悩みや課題を抱えていませんか?

ご飯の急速冷凍の資料を見る

凍結実験

そもそも急速冷凍は緩慢冷凍(通常の冷凍)と何が異なるのでしょうか?

一番大きな違いは、食品の品質劣化を防ぐという点です。

従来の冷凍方法(緩慢冷凍)では食感の変化や、風味が悪くなるといった課題がありました。冷凍による食品の品質劣化は主に、解凍時に細胞膜から旨味成分や栄養素などが流出することで起こります。

旨味とともに水分などが食品から流出してしまうのは、凍結時に食品内部にできた結晶が細胞膜を破壊することが原因です。

その結晶のサイズが大きいほど食品から流出するドリップ(水分や旨味成分)は増えます。つまり冷凍後の食品の品質を決めるのは、食品内部に生成される結晶の大きさなのです。

急速冷凍と一般冷凍の比較

食品内部の水分が氷の結晶となる温度帯は「最大氷結晶生成温度帯」と呼ばれ、この温度帯をゆっくり通過すると、水分がより膨張し細胞内にできる氷の結晶が大きくなります。食品内部の結晶をいかに小さくするかが食品の品質を維持する上で非常に重要です。

急速冷凍ではこの温度帯を素早く通過することで、細胞内の結晶のサイズを小さくし、食品の品質劣化を防いでいます。

ご飯の凍結実験

今回は実際に急速冷凍機で凍結したご飯をご紹介します。

1つ目はおにぎりの急速冷凍です。(おにぎりは具によって凍結時間や解凍方法などが異なります。)

急速冷凍前のおにぎり

①急速冷凍前

急速冷凍後のおにぎり

②急速冷凍後

解凍後のおにぎり

③解凍後

通常おにぎりを冷凍するとご飯が白蝋化しボロボロに崩れてしまいますが、これらの写真を見ると解凍後のご飯が白蝋化していないことが分かります。

食感も凍結前とほぼ変化はありませんでした。

同じおにぎりを緩慢冷凍(通常の冷凍)したところ、3枚目の写真と同様に切ると、ご飯が崩れてしまいボロボロになってしまいました。

急速冷凍の質の高さがこの写真からも窺えますね。

次は米飯の凍結です。

〈凍結方法〉アートロックフリーザー
〈凍結食材〉米飯5品目
〈凍結前温度〉65.4℃

今回は、米5品種を凍結し自然解凍後の品質を比較しました。

米飯 凍結前

〈凍結前〉

米飯凍結後

〈凍結後〉

米飯5種

〈凍結後②〉

自然解凍をしたご飯は通常パサパサになってしまいますが、急速冷凍したご飯は水分が保持されていました。

弊社では食材の凍結・保管・解凍、食材と各急速冷凍機の相性など日々研究しています。長年培った冷凍ノウハウを生かして、食品の扱いに関してアドバイスさせていただくことも可能ですので、是非一度弊社のテストルームにお越しください。

ご飯の急速冷凍事例を見る

急速冷凍が実現すること

急速冷凍を導入することで、次のようなことが実現します。

販路拡大による売り上げの改善

通販や卸で販売を開始。作りたての商品を急速冷凍することで、解凍後もほぼ変わらない品質で提供できる。

人手不足の解消

計画生産が可能になり、従業員が通年で安定した働き方をできるようになる。従業員の定着率も上がり、人手不足で悩むことがなくなった。

作業効率を上げること

冷凍効率の改善が実現し、既存の冷凍設備より速いスピードで凍結を行うことが可能。また、霜取りを行う必要がないため、今まで稼働できなかった時間も商品を凍結させることができ、生産量をふやすことが出来る。

食品の廃棄をなくすこと

急速冷凍することで長期間品質を維持した商品を保存でき、商品のストックが可能になる。常に在庫を確保することで機会損失を防ぐほか、廃棄ロスも削減。

また、足が早く廃棄していた食品を急速冷凍することで全国へ販売できる。

食品の品質向上

通常の冷凍方法では旨味成分の流出や変色など、納得のいく品質を再現できないことがほとんど。急速冷凍することで長期保存を可能にし、など商品に付加価値が付く。

また、鮮魚などは急速冷凍することで鮮度の低下を防ぐことができる。冷凍した食品の方が栄養素が多い等の研究成果もある。

急速冷凍の資料を見る

急速冷凍でお悩みを解決する4つのヒント

急速冷凍を活用することで、先ほど述べたような事業者様のお悩みを「業務効率化」と「売り上げ改善」の観点から解決できます。

業務効率化

①廃棄ロス・機会損失の削減

【課題】
用意した分のご飯が余ってしまったが、保存出来ないため捨てている。急な発注が入ったが、ご飯を炊いていなかったために対応できなかった。

【導入後】
急速冷凍機を導入することで高品質のまま保存が可能になり、廃棄ロスを削減。さらに十分なストックが可能になったことで、急な発注にも対応できるようになり、機会損失も無くなる。

②品質

【課題】
現在ご飯をあらかじめ冷凍保存しているが、解凍後の品質が低い。白蠟化しているため、水分が抜けてパサパサする。お客様に提供する食品の品質を上げたいと考えている。

【導入後】
急速冷凍することで白蝋化せず、水分を保った高品質のご飯を提供できるようになる。また凍結時間が大幅に短縮され、他の業務に手を回すことが可能。

売り上げ改善

③通信販売ができない

【課題】
商品の品質を保ったままお客様に配送することが出来ず、通販に参入するのが難しい。

【導入後】
高品質の商品を生産できるため、遠方のお客様にも通販で商品を届けることが可能になった。それにより売上の向上が見込める。

④急な発注への対応で人件費がかさむ

【課題】
急に大量の商品の注文を受けた場合、対応しきれず断るか、人員を増員して昼夜問わず製造を行うか。しかし昼夜問わず製造を行う場合、人件費がかさむ。

【導入後】
手が空いている時間帯にあらかじめ作り置きしておくことで、アルバイトを増員する必要もなくなり人件費の大幅な削減が見込める。夜勤など長時間の労働も無くなり労働環境も改善され従業員の定着率が上がる。

では実際に急速冷凍の導入で、どの程度利益を伸ばすことができるのでしょうか。

ここで一つ売り上げアップの具体例をご紹介します。

[お弁当の製造販売を行っているA社の例]

・従業員:4名
朝の仕込みの時間とお昼時はかなり忙しいですが、ランチタイムを過ぎると手が空いている状態です。
急速冷凍機を導入すると…ランチタイム後の手が空いている時間に翌日のお弁当を仕込むことが可能になりました。

それにより…
→朝の仕込み時間が削減
→ランチタイム後の手が空いている時間を翌日の仕込みに使える
→その結果、朝の仕込み時間を1時間削減できる!(早朝からの勤務による負担軽減→労働環境改善)

勤務時間を1日1時間短縮
時給1,000円×1時間×4人×月25日営業×12か月
つまり年間120万円の人件費削減が可能になります。

こちらはあくまで一例ですが、急速冷凍を導入することで人件費を大幅に削減できる可能性があります。そのほかにも食品の廃棄を削減することで利益率が上がるなど、売り上げアップにも大きく貢献します。

急速冷凍の事例を見る

ご飯の急速冷凍に最適な機械とは?

弊社でご飯の急速冷凍を目的とした機械の導入をされる場合、多くのお客様が「アートロックフリーザー」を導入されます。

アートロックフリーザー

アートロックフリーザーの特徴

・マイクロウインドシステム

マイクロウインドシステムを搭載することで、冷凍時に起こる食品へのダメージ(乾燥、身割れ、酸化など)を抑え、高品質な冷凍ができます。
きめ細かい風を庫内にバランスよく起こすことで凍結ムラが発生せず均一な品質を保つことができます。

また、熱を奪う力が強いため、一般の急速冷凍機と比較すると凍結時間が大幅に短縮できます。

・電子制御システム(スマートフリーズ)

特にご飯など温かい商品を冷凍する場合、冷凍機への負荷が大きくなります。従来の仕組みだと負荷変動に対応できず、機械への負担がかかっていました。

電子制御システムを搭載したアートロックフリーザーは、負荷変動に合わせ弁開度を瞬時に調整。機械への負担を抑え、故障リスクを低減できます。

加えて常に最適能力で冷却できるため、電気代の削減や冷凍処理量アップにもつながります。

・冷却が不要

通常、出来立てで温度の高い商品を急速冷凍したい場合、冷ます必要があります。冷ましている間に食品の水分が湯気とともに空気中に逃げてしまうことも…

冷ましている間は他の作業ができない…このような悩みをアートロックフリーザーが解決します!

熱いまま急速冷凍機に入れることができるので、生産効率を上げられるほか、食品の乾燥を防ぐことができます。

アートロックフリーザー以外にも、アルコールなどの液体を媒体に瞬間冷凍を行う「リジョイスフリーザー」という急速冷凍機も導入される方が多いです。こちらは液体を媒体として凍結を行うため凍結速度が速いのが特徴です。

どのタイプの急速冷凍機が最適なのかは、各事業者のオペレーションによって異なります。

さらに詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

急速冷凍機の資料を見る

お客様の導入成功事例

ここまでご飯を急速冷凍することによるメリットや、急速冷凍機などを紹介しましたが、実際どのように活用できるのか想像できていない方もいらっしゃいます。

ここではどのような目的で急速冷凍機を導入し、どのような効果が出るのか、実際の急速冷凍機導入成功事例を紹介します。

寿司生産工場

〈全国展開が可能になり売上アップ〉

【課題】
自社製品のおいしさをより多くの人々に知ってほしいという想いから、冷凍で全国に提供できないか研究を重ね試行錯誤していたが、品質が安定しなかった。
導入以前はプレハブ式冷凍庫で(-35℃)で一昼夜かけて冷凍していたが品質にムラがあり、夏場は度々クレームが発生していた。

【導入後の効果】
寿司の米飯・具が冷凍焼け(変色・白蠟化)せず、解凍時には米飯の硬化や乾燥が無くなり、商品の質を維持できるようになった。
冷凍により品質が安定することで、製造方法も統一できるため生産時間の把握や原材料の仕入れがスムーズに行えるようになり、計画生産が実現した。
また、すべて手作業で製造していたため、受注量の変動などで繁忙期は24時間体制で生産していた。急速冷凍を導入したことで品質の統一・安定が実現し、生産計画が立てられるようになり十分なストックが可能になった。

以前はチルド流通可能な範囲でしか販売できなかった商品が、冷凍寿司として全国での販売が実現し、順調に売り上げを伸ばしている。

他の成功事例を見る

まとめ

いかがでしたか?

急速冷凍を導入することで販路拡大や人件費削減によって売り上げアップが見込めるばかりか、業務の効率化も実現します。

ご飯の品質を保ちつつ長期保存する最適な方法として、急速冷凍を紹介しました。

急速冷凍を用いた業態改革を行うことで、大きな利益に繋げることができます。

急速冷凍機を導入することでご飯の廃棄を削減したり、販路拡大が見込めたりと様々なビジネスチャンスにつなげることも可能です。

この機会に急速冷凍機の導入を検討してみてはいかがでしょうか?

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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