特殊冷凍デモ テリーヌショコラ
今回は「テリーヌショコラ」の冷凍から解凍、その後の官能評価までの実験です。
こちらの記事では、「チョコレートを高品質な状態で冷凍したい!」というお客様に向けて、チョコレートの凍結手法についての研究結果をレポートしました!
テリーヌショコラを用いて、凍結方法、解凍方法を変えて、急速冷凍と緩慢冷凍での見た目・舌触り・口溶けと、3種類の解凍手法での見た目・舌触り・口溶けの違いについて検証する実験を行いました!
今回の実験の主な条件はこちらです。
- 食材選定:カカオ70%チョコレート
- 凍結手法:アートロックフリーザー(急速冷凍)、一般的な冷凍庫(緩慢冷凍)
- 保管期間:2週間
- 解凍方法:常温解凍、冷蔵解凍、電子レンジ解凍
今回使用したカカオは、富澤商店の業務用有機ダークチョコレートカカオ70%500gです。(テリーヌ型ではなく、普通のパウンド型で作成していきます)
凍結手法の比較
凍結手法によってテリーヌショコラの変化を比較するために、一般の冷凍庫とアートロックフリーザーでどのような違いが出るのかを比較してみました!
断面の見た目
保管後解凍前の断面
アートロックフリーザーで凍結したテリーヌショコラは、色むらもなく均等で濃い茶色であるのに対し、一般の冷凍庫のものでは色むらも目立って見えます。
保管・解凍後の断面
アートロックフリーザーで凍結したものを解凍したところ、解凍後も均一で滑らかであることが下の写真から分かります。
ですが、一般の冷凍庫で凍結したものを見ると、解凍前と比較して解凍後の方がむらを多く感じられました。
歩留まり
アートロックフリーザーと一般の冷凍庫では歩留まりにも違いが見られ、一般の冷凍庫では少し歩留まりが減ってしまいました。
アートロックフリーザー | 一般の冷凍庫 | |
凍結前(g) | 78 | 75 |
凍結後(g) | 78 | 73 |
歩留まり(%) | 100 | 97.3 |
官能評価
アートロックフリーザーと一般の冷凍庫で凍結したものを比較すると、ア―トロックフリーザーで凍結したものは見た目の艶感や光沢感がありました。
味についても、舌触りが柔らかくて口溶けが良く、カカオの香りもあり、均一的なバランスの良い味である、という評価になりました!
解凍方法の比較
解凍方法については、常温解凍・冷蔵解凍・電子レンジ解凍の3パターンで比較を行いました!
各解凍方法で解凍後の断面はこちらの通りです。
結果としては、見た目のムラ、舌触り、口溶けなどを総合的にみて、
冷蔵解凍>常温解凍>電子レンジ解凍
の順で良かったです!
チョコレートに関しては、急激な温度変化が好ましくないことから、なるべく温度変化の少ない解凍方法が適切であることがこの結果から分かります。
まとめ
今回は、「テリーヌショコラ」の冷凍・解凍実験を行った結果をお伝えしました。
急速冷凍と緩慢冷凍での見た目・舌触り・口溶けと、3種類の解凍手法での見た目・舌触り・口溶けの違いについて検証しました。
今回の検証結果をまとめると以下の取りになります!
今回アートロックフリーザーで凍結したところ、
- 色むらなく均等に凍結できた
- 歩留まりも悪化しなかった
- 解凍後も舌触りが滑らかで口溶けが良い状態を維持していた
また、凍結したチョコレートの解凍方法は、
急激な温度変化が少ない解凍方法が適切であることが改めてわかりました。
今回のようにデイブレイクラボチームでは、条件を定めた様々な食材の冷凍比較実験を行っております!
今回はチョコレートでしたが、その他にも日々研究を行っておりますので冷凍についてのノウハウを知りたい方はぜひお問い合わせください。