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【写真付きで解説!】牛肉の冷凍保存方法と保存期間、レシピ5選!

牛肉を冷凍保存した経験はありませんか。

生のまま冷凍したことのある人は多いかと思いますが、牛肉には他にも冷凍保存のバリエーションがあります。

例えば、下味をつけて冷凍保存。この方法を使うと、冷凍中に味が染み込むため、調理時間を短縮できるというメリットが生まれます。

あるいは、炒めてから冷凍保存。この方法は、調理時間が短縮できるだけでなく、保存期間を延ばすことができるというメリットも持っています。

こちらの記事では、牛肉の冷凍保存方法を始め、最適な解凍方法、適切な保存期間などをご紹介しています。

冷凍保存に興味のある方は、ぜひご覧になってください。

牛肉の栄養

牛肉の盛り合わせ

牛肉の栄養価とカロリー

牛肉のカロリーは、部位によって大きく異なります。最も高カロリーな部位は「ばら」で371kcal、最も低カロリーな部位は「ヒレ」で133kcalです(輸入牛肉100gで計算)。

牛肉の栄養

同じ牛なのに、部位によって200kcal以上の差がつくことに疑問を感じるかもしれません。これは、含まれている脂質の量に関係しているのです。

最も高カロリーの「ばら」には三大栄養素のうち、脂質が多く含まれています。一方で、「ヒレ」には脂質があまり含まれておらず、代わりにたんぱく質が豊富に含まれています。

この脂質とたんぱく質の差が、カロリーの差となって表れているのです。

その他、牛肉には以下のミネラル・ビタミンが含まれています。

【ミネラル】
カリウム、カルシウム、ナトリウム、マグネシウム、リン、マンガン、亜鉛、銅

【ビタミン】
ビタミンA、D、E、K、B1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、パントテン酸、C

牛肉の効能

【美容効果】

牛肉に美容効果というのは馴染みないかもしれませんが、実は、髪や肌を美しく保つのに最適な成分が豊富に含まれています。

まず、良質なたんぱく質が豊富に含まれています。たんぱく質は体内でアミノ酸に代わり、血液や皮膚の構成要素になります。髪のパサつきを防ぎ、日々新しい肌を生み出し、傷の治りを早くしてくれるなど、いろいろな働きをしてくれるのです。

また、「美容ビタミン」と呼ばれるビタミンB2も含まれています。ビタミンB2には、三大栄養素をエネルギーに変換する働きがあるほか、皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあります。ゆえに、しっかり摂取することで、肌や爪を美しく保つことができるのです。

ビタミンB2が不足すると、身体の皮膚や粘膜が正常に保つことができなくなります。すると、肌荒れや、ニキビ、口内炎などの症状が現れやすくなってしまうのです。

【女性のつらい悩みを解決】

牛肉には鉄分が豊富に含まれています。鉄分にはヘモグロビンを生成する働きがあり、ヘモグロビンには身体中の細胞に酸素を届ける働きがあります。

そもそも、貧血や冷え性は、身体の隅々まで酸素が行き届いていないことが原因で起こります。酸素が行き届いていないために酸欠状態(=貧血)になりますし、細胞の活動が停滞(=冷え性)しがちになります。

女性は男性に比べて筋力が少ないため、血流が滞りやすいです。また、毎月の生理で血を消耗するため、そもそも血液自体が不足しやすい傾向にあります。それゆえに、牛肉などで鉄分をしっかりと摂ることは、貧血や冷え性を改善する手掛かりになるのです。

牛肉を冷凍するメリット

フリーザーバッグに入ったひき肉

長期保存が可能になる

第一のメリットは、長期保存が可能になることです。

牛肉は、冷蔵庫で2~3日程度、特別低温室でも3~4日程度しか保存できません。しかも、日数が経つにつれ、鮮度はどんどん失われてしまいます。

しかし、冷凍保存でしたら、新鮮さをキープしたまま長期間の保存が可能です。

よく、冷凍保存のデメリットとして、食材の食感が悪くなるというものが挙げられます。これは、食材に含まれる水分が固体化する(氷になる)ときに、周囲の細胞を傷つけてしまうためです。

生の状態で冷凍すると、こうした現象が起きることがあります。ですが、後ほどご紹介する「下味をつけて冷凍する方法」、あるいは「炒めてから冷凍する方法」を試していただくと、食感が悪くなるようなデメリットも回避することができます。

調理時間の短縮になる

第二のメリットは、調理時間の短縮です。

あらかじめ下処理をして冷凍すれば、調理にかける時間を短くすることができます。

例えば、あらかじめ下味をつけておけば、あとは焼くだけ状態です。追加で味付けをする必要もないため、あっという間に一品完成してしまいます。炒めて冷凍しておけば、電子レンジで温めるだけでOKですので、やはり時間を短縮することができます。

夜遅くにいちから調理する気力の無いときや、朝忙しくてお弁当に時間をかけられないときなどに、心強い味方となるでしょう。

牛肉の冷凍保存方法

【冷凍の前に】

「買ってきたばかりの牛肉の内側が茶色だった」という経験はないでしょうか。

新鮮なお肉は、本来褐色に近い色をしています。私たちの良く知る鮮やかな赤色は、褐色が空気(酸素)に触れて変化したものなのです。そしてさらに時間が経つと、今度は酸化して黒みがかった茶色に変化していきます。

買ってきたばかりのお肉の内側が褐色なのは、空気に触れていないためであり、傷んでいるわけではないのです。

小分けにして冷凍する場合

1.水分があればキッチンペーパーなどでふき取っておきます。

キッチンペーパーで水気を拭き取った牛肉

2.使いやすい分量ごとにラップで包みます。

小分けにラップされた牛肉

3.フリーザーバッグに入れて冷凍します。

フリーザーバッグに入った牛肉

★こま切れ肉であればかたまりで、薄切り肉であれば1枚ずつラップで包むと良いです(写真はこま切れ肉です)。
★手の雑菌が移るのを防ぐため、生肉は素手で触らないようにしましょう。

下味をつけて冷凍する場合

1.フリーザーバッグにお肉と調味料を入れて冷凍します。

フリーザーバッグに入った牛肉とタレ

★食品の酸化を抑えるためにも、できるだけ空気を抜きましょう。
★できるだけ薄く平らにすると、早く冷凍できます。

炒めて冷凍する場合

1.フライパンでお肉を炒め、必要に応じて味付けをしておきます。

フライパンで牛肉を炒めている様子

2.粗熱が取れるのを待って、ラップに包みます。

調理済みのお肉をラップで包んだ様子

3.フリーザーバッグに入れて冷凍します。

フリーザーバッグに入れられた調理済みの牛肉

★味付けは、料理に合わせて塩こしょう、醤油、みりんなどを組み合わせてください。
★シチューやカレーに使うときに便利です。

その他の場合

【ひき肉を冷凍する場合】

直接フリーザーバッグに入れて冷凍することができます。そのときに、菜箸などで2等分、4等分の溝を入れておくと使いやすいです(ひき肉は傷みやすいため、買ったその日のうちに冷凍処理してしまいましょう)。

【野菜巻にして冷凍する場合】

薄切り肉などで野菜を巻き、1つずつラップで包みます。あとはフリーザーバッグに入れて冷凍すればOKです。後半でごぼう巻のレシピを紹介しています。

牛肉の解凍方法と保存期間

凍結された牛肉

牛肉の解凍方法

基本的に、冷蔵庫での自然解凍をオススメします。ゆっくり時間をかけて解凍することで、ドリップ(液漏れ)によるうま味の流出を防ぐことができます。

ただし、冷蔵庫解凍は時間がかかりますから、もし急いでいる場合は流水解凍もオススメです。ボウルなどに氷水を張り、フリーザーバッグごとつけておきます。

水は空気よりも熱伝導率が高いため、冷蔵庫よりも早く解凍することができるのです。また、すぐに使い切るようにしてください。

電子レンジでの解凍は最終手段です。加熱しすぎや、解凍ムラが起きやすいためオススメはしませんが、時間の無い時に活用ください。

牛肉の保存期間

基本的に、3週間を目安に考えてください。

もう少し厳密に書きますと、
・生で冷凍した場合 2~3週間
・炒めるなど加熱して冷凍した場合 3~4週間
が目安です。

なお、一度解凍した食材の再冷凍はオススメしません。冷凍→解凍を繰り返すと、そのたびに食材の細胞が傷つき、食感や風味が大きく損なわれるためです。

牛肉を使った簡単レシピ5選

パプリカの甘辛炒め

☑材料(2~3人分)
・牛肉 200g
・パプリカ 2個
・ピーマン 1個
●砂糖 小さじ2
●酒 大さじ1
●みりん 大さじ1
●醤油 大さじ2

<作り方>
1)牛肉は冷蔵庫で自然解凍しておきます。
2)熱したフライパンに油をひき、解凍した(1)を炒めます。
3)大体火が通ったらパプリカ、ピーマンを炒めます。
4)●の調味料を入れ、絡ませたら完成です。

ゴボウ巻

☑材料(2人分)
・ごぼう 120g
・薄切り牛肉 200g
・片栗粉 少々
●赤ワイン 大さじ1/3
●はちみつ 大さじ1
●薄口醤油 大さじ1
●みりん 大さじ1
◆濃口醤油 大さじ1
◆バルサミコ酢 小さじ2
◆水 大さじ2

<作り方>
1)牛肉は冷蔵庫で自然解凍しておきます。
2)ごぼうを縦4等分に切り、水にさらします。
3)ごぼうが柔らかくなったら、●の調味料で柔らかくなるまで煮て、そのまま冷やします。
4)(3)の汁気を切り、牛肉で巻いて、片栗粉を振りかけます。
5)熱したフライパンに油をひき、(4)を中火で焼いていきます。
6)焼き色がついたら、◆の調味料を加えて煮詰めます。
7)適当な大きさに切って盛り付けたら完成です。

しぐれ煮

☑材料(2.3人分)
・薄切り牛肉 300g
・砂糖 大さじ2
・みりん 大さじ1
・醤油 大さじ2
・酒 大さじ5
・しょうが 50g
・ごま油 大さじ2
・砂糖 大さじ2
・みりん 大さじ1
・醤油 大さじ2

<作り方>
1)牛肉を冷蔵庫で自然解凍し、広げて2~3㎝の大きさに切って酒をまぶしておきます。
2)しょうがを千切りにしておきます。
3)鍋でごま油を中火に温め、しょうがを炒めます。
4)(1)の牛肉を酒ごと加え、強めの中火で炒めます。
5)砂糖、みりん、醤油の順に加えて、汁けがなくなるまで煮詰めたら完成です。

★保存食(常備菜)やお弁当のおかずとしても使える一品で、調理後に冷凍することもできます。
★あらかじめ下味をつけたお肉を使うこともできます。

すき焼き風煮

☑材料(2、3人分)
・牛肉 200g
・焼き豆腐 1丁
・しらたき 200g程度
・キャベツ 小1/4
・だし汁 1/2カップ
・牛脂 小さじ1~2
・砂糖 大さじ3
・酒 大さじ3
・醤油 大さじ1/3

<作り方>
1)牛肉は冷蔵庫で自然解凍し、5㎝幅に切っておきます。
2)キャベツは3㎝核のざく切りに、豆腐は縦半分に切ってから8等分に切ります。
3)しらたきは水から茹で、沸騰したら火を止め、水で冷ましてから、食べやすい大きさに切っておきます。
4)熱した鍋に牛脂を溶かし、肉を広げて並べます。
5)砂糖を全体にまぶし、肉の色が変わってきたら酒、醤油、だし汁を加えます。
6)肉を鍋の脇に寄せ、空いたところに残りの材料を入れます。
7)中火で15~20分ほど煮て、キャベツに味が染み込んだら完成です。

牛肉とビーマンのピリ辛炒め

☑材料(1人分)
・薄切り牛肉 150g
・ピーマン 3~4個
・片栗粉 小さじ1
・塩こしょう 少々
・鷹の爪 少々
●酒 大さじ1
●醤油 大さじ1/2~1
●オイスターソース 小さじ1
●ガラスープの素 小さじ1/2
●豆板醤 小さじ1/2

<作り方>
1)牛肉は冷蔵庫で自然解凍し、食べやすい大きさに切って塩こしょう・片栗粉をまぶしておきます。
2)ピーマンは縦細切りにしておきます。
3)熱したフライパンに油をひき、鷹の爪と(1)を炒めます。
4)全体に火が通ったらピーマンを加え、●の調味料を絡ませたら完成です。

★あらかじめ塩こしょうで下味をつけた冷凍肉を使うこともできます。

まとめ

牛肉の冷凍方法をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

一番簡単なのは生のまま小分けにする方法です。調理時間の短縮を考えるなら、下味をつけて冷凍、炒めてから冷凍する方法を試してみると良いでしょう。

保存期間の目安は3週間。熱を加えていない場合は2~3週間、熱を加えている場合は3~4週間程度保存がききます。

解凍は冷蔵庫での自然解凍がベターです。続いて氷水解凍。電子レンジは本当に急いでいるときに限定した方が、食材を美味しくいただけます。

牛肉は料理のバリエーションも多いですから、今回の方法を使って、上手に保存してください。

この記事の監修者

富山 知樹

ARTLOCKラボ マネージャー/管理栄養士/調理師
富山 知樹

フランス料理に魅了され、料理の世界へ。渡欧し二つ星レストランで修行。帰国後も日本のレストラン、会員制ホテルにて前菜・メイン・パン・デザートなどの部門を担当しつつ研鑽を積む。食による社会貢献や課題解決のため管理栄養士の資格をとり、現在はデイブレイクにて食×冷凍の研究を行うラボチームマネージャーを担当。

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