
飲食店はすさまじく動く経済の流行に対応していく必要があり、さまざまな工夫をなされているのではないでしょうか?
グローバル化が進み訪日外国人に向けたサービスを展開していくことが求められてきます。
また、日本食ブームで日本の食事の本当の品質を楽しむ方が増えていくでしょう。
飲食店はどういった「おもてなし」ができるでしょうか?
ハラール認証とは
ハラールとはイスラムの教えで「許される」という意味です。イスラム教徒には豚肉やアルコールなど、神の教えで禁じられているものがあります。
誤って豚肉や豚肉等の商品を口にした場合、神の教えに背いてしまう事になります。
そういった事を防ぎ、ムスリムの方が安心して食べることができるようにハラール認定制度があります。
イスラムが定めた適正な方法で処理・加工・運搬された食品です。ハラール認証の対象は食品だけに限らず、小売店やレストラン、ホテル・旅館、化粧品まで対象になっています。
飲食店のハラール認証取得方法と費用
ハラール認証取得方法
飲食店のハラール認証は決して簡単ではありません。いくつかの基準をクリアする必要があります。また認証規格や費用は団体によって変わってくるので事前に複数団体に相談し、比較して決めていく事が良いでしょう。
認証は書類審査等を通らなければいけません。レストランなどの飲食店は「ハラールレストラン認証」、「ハラールキッチン認証」の2つの条件を満たしている必要があります。
・ハラールレストラン認証
料理はムスリムオーナーかムスリムシェフによって調理されているものに限ります。
何らかの誤りによってハラール以外のものが料理に出されるのを防ぐ為に食材、調味料等はすべてハラールのものが使用されている事が必須です。
保管においても、みりん等の料理酒やハラール屠畜された肉以外は禁止されています。
ドリンク
アルコール飲料の販売は行ってはいけないです。また提供もハラール認証を経たソフトドリンクのみ行えます。
店内
店員さんの服装は露出が少ないものを着用し、セクシーなものは厳禁です。
音楽や掲示物なども許されたものしか使用できないです。
経営
日本国内の一般衛生管理基準を満たしていなければならないです。
・ハラールキッチン認証
料理人はムスリムではなくていいが店内にムスリムが雇用されていることが良いです。
そして、アルコール飲料の提供を行うのであれば、ムスリムに対しては個室の提供をするなどの対応が望ましいです。
また、アルコール飲料で使用するグラスとソフトドリンク等で使用するグラスは区別し、洗浄方法も区別されていなければならないです。
ハラール認証費用
ハラール認証費用は、機関ごとで規約や料金が変わってくるので一概に費用がいくらかは言えません。
例えば、ハラール認証取得までに
①施設の事前検査
②ハラール管理責任者研修、原材料、施設のハラール認証
③ハラール認定書発行と年間管理費支払い
の3つの過程が必要です。
その他、交通費等が審査を受ける諸費用となります。書類審査、製品の加工・保管・搬出の審査を経て認証になります。
ムスリムフレンドリーとは?
ムスリムフレンドリーとは、言葉の通り「ムスリムを受け入れている」「ムスリムにとって友好的である」という姿勢であり、海外でも同意で用いられます。
ハラール認証を取得すると「提供する料理はハラール」「酒類は厳禁」「ムスリム従業員の雇用」が求められます。
日本人のお客様にとってお酒が出ないという事はパーティーや宴会などが厳しくなるため、日本人の集客が難しくなります。
ハラール認証は取得してはいないが、ムスリムの方に向けに出来る範囲内で配慮・対応をするという「ムスリムフレンドリー」と呼ばれるものがあります。
正式なハラール認証ではないですが、部分的にハラールに対応している証明として店舗に掲示する事が可能になっています。
飲食店がハラール認証を取得するメリット
1.ムスリムに提供できる
東南アジアを中心に日本を人口訪れるムスリム(イスラム教徒)の方が増加しています。現在では約20億人と、世界人口の4分の1を占めるまでに拡大し、2020年には訪日ムスリムは年間100万人にまで及ぶとされています。
ASEANの経済成長により中間層の人口増加が背景にありムスリムマーケットが急速に拡大していくことが予想されます。訪日ムスリム増加の背景から、ムスリムの方への受け入れ環境作りが日本各地で行われています。
例えば
1. ムスリムの方への旅行ツアーやプランなどの企画の提供
2. ホテルなどの宿泊施設のハラール化対応
3. 礼拝(サラート)所の設置の為の施設環境作り
4. ムスリムマーケットに挑戦する新規事業への助成金制度の準備
日本の観光業を中心にムスリムマーケットにむけてインバウンド環境の整備に力を入れています。
そんな中、ハラール認証を取得すればそのマーケット大きな効果が期待でき、ムスリムの方に安心して日本食を楽しんでもらうことができるようになります。
2.横一線のスタート
一部の大手を除き、ほとんどの企業が横一線のスタートで、中小企業にもチャンスが広がっています。
逆にハラール認証を取得していない事でチャンスを逃す事になるかもしれません。
また、ハラール認証を取得する事で持ち前の料理の評判に加え、ハラール認証がムスリムマーケットに向けた起爆剤となるかも知れないです。
3.差別化ができる
ハラール認証には費用と審査があり、誰もが簡単に認証を取得できるものではありません。参入障壁が高いのがチャンス変わります。
米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターによるとイスラム教徒の数は2010年の16億人から2050年までに27億6000万人に増える見通しで、約90億人と予想される世界の人口のうち、約3割がイスラム教徒になります。
長期的みても急速に伸びるムスリムマーケットにビジネスチャンスを感じる事ができます。
消毒・洗浄・液体凍結アルコールは使えるのか
飲食店経営は常に店を綺麗な環境でいる必要があり、その際に消毒用・洗浄用アルコールスプレーを使用します。
また、加工等で使用される機械では、食材を凍結させる際にアルコールを使用します。
イスラム教徒の方のアルコール使用は厳禁ですが、消毒・洗浄・急速冷凍機で使用するアルコールは使用可能なのか?
ハラール認証機関に問い合わせたところ各機関によって規約が異なっていました。
上記の通り、各認証機関によって許可が降りる場合と降りない場合があります。
飲食店で使用される消毒用アルコールスプレー等の使用にも注意が必要です。
また、「急速冷凍機」には「アルコールを使用する機械」と「アルコールを使用しない機械」があります。
リキッド方式
アルコールが使用可能な場合
→リ・ジョイスフリーザーはアルコールを使用します。
リ・ジョイスフリーザー(液体凍結)の特徴は

1. 凍結にムラがない
2. 凍結スピードが早い
3. お客様の用途に応じてオーダーメイドの製作可能
アルコール使用不可の場合
→アートロックフリーザー空気凍結機ですのでアルコールは使用しません。
アートロックフリーザー(エアブラスト凍結)の特徴は

1. 食材・庫内ともに霜つきなし
2. 特殊技術により食材が乾燥しないので鮮度・品質キープ可能
3. 熱い食品の予冷なし急速冷凍が可能
機種それぞれに特徴があります。
そして、認証機関によってアルコールの使用が可能か、否か変わってきます。
ハラール認証をクリアし、急速冷凍技術で高品質な状態で長期保存できるとなればこれから拡大するムスリムマーケットに提供できる幅が広がります。
飲食店経営に役立つ急速冷凍機
ムスリムにはもちろん、非ムスリムの訪日外国人または一般客にも提供する際の食材の品質は重要です。ハラール認証を取得した日本食を国内だけでなく海外へ発信していく事も可能です。
また、ハラール認証後の訪日増加傾向に伴い来店客の増加があると同時に飲食店経営に関する課題がいくつか挙げられてくると思います。しかし、急速冷凍機を導入することで人件費や食品ロスの削減など可能になり、コストを抑える事ができます。
そして、急速冷凍技術により高品質を保ったまま長期保存が可能になり、時間の効率化だけでなく、ハラール日本食が海を越え海外に流通される日も遠くはないでしょう。
そういった数多くのメリットがありますので、飲食店の急速冷凍機導入が進んでいる現状があります。
まとめ
いかがだったでしょうか?
ハラール認証取得には費用がかかったり、審査があったりと参入障壁は高いです。
しかし、拡大するムスリムマーケットを前に認証取得をしない理由はないでしょう。
また、急速冷凍機を導入することで、高品質な食品の提供、飲食店における課題解決に繋がります。
拡大するマーケットに向け、ハラール認証取得、冷凍機導入を一度検討されてみてはいかがですか?