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急速冷凍で鮮魚のビジネス拡大!水産加工・卸から飲食店まで必見

「新鮮な魚をお店で長期間保管できればな、、、」
「新鮮な美味しい魚を遠い地域のお客さんにも提供できたらな、、、」

魚など魚介類を扱う水産会社・飲食店様で、このように感じる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。それらの悩みは、急速冷凍で解決しませんか。

新型コロナウィルス流行に伴い、飲食店などの食品業界では、営業スタイルが変化してきています。新たに通販を始める飲食店も増加しており、冷凍技術の導入を検討する方も増えています。

しかし、魚や肉などの新鮮な食材を一般冷凍する際に赤い血のようなドリップが出てしまったり、食品が変色してしまったりすることがあります。これらによって食品の味や香りなどの品質が低下してしまいます。

そこでおすすめしたい冷凍技術が、急速冷凍です。
急速冷凍機は、通常の冷凍庫とは異なり瞬時に冷凍ができます。急速冷凍機を導入することによって魚や肉などの新鮮な食材をそのまま冷凍し、品質を下げずに保管できます。

魚を新鮮な状態の時に急速冷凍すると、解凍時に冷凍する前の新鮮な状態を復活させることができます。

そこで、今回は魚を急速冷凍するメリット、品質を下げない冷凍・保管・解凍方法、実際に魚介類を扱う飲食店で急速冷凍機を導入した事例のご紹介をします。

魚の急速冷凍のメリット

魚の急速冷凍には大きく4つのメリットがあります。

鮮度

1つは、新鮮な魚の鮮度を保持できます。

そもそも魚の鮮度は、他の食材と比較しても落ちるスピードが非常に速いです。その理由として、水分量の多さ、魚の肉質の弱さや内臓、エラがあることによる腐敗があげられます。

魚から赤い血のような水分が出ることがあります。これはドリップとよばれ、タンパク質が主な成分であり、魚のうまみもドリップに含まれています。

そのため、大量にドリップで出てしまうと魚の栄養低下にもつながります。また、魚の水分も出てしまい、本来の食感よりもパサパサとした食感になってしまいます。

しかし、急速冷凍を使用することによってドリップは防ぐことができます。通常の冷凍に比べより早く凍結できるため、魚の細胞を壊さずに冷凍でき、うまみ成分が流れ出ることなく冷凍できます。

寄生虫の死滅

2つ目にアニサキスの死滅ができます。

アニサキスとは、寄生虫の一種で、魚介類に寄生すると言われています。アニサキスが寄生している魚介類が死亡するとアニサキスは、段々と内臓から筋肉に移動していき、その魚介類を人間が食べることによって人間の体内にアニサキスが侵入してしまいます。

アニサキスが人間の体内に侵入すると激しい腹痛を生じ、小腸にまで侵入してしまうと、手術が必要になってしまいます。近年ではこのアニサキスの被害が増加しており、消費者の中には不安がる人もたくさんいます。

そのため、アニサキスの対策を行うことが水産業者や飲食店の売り上げ向上につながります。

アニサキスの対処法の1つとして急速冷凍があげられます。アニサキスは、−20℃で24時間冷凍することによって死滅すると言われています。

しかし、通常の冷凍機では一定の温度を維持することは難しく、アニサキスを死滅することは難しいです。しかし、急速冷凍機はより低い温度でかつ速いスピードで冷凍していくため、アニサキスが死滅するまでの時間短縮にもつながり、一定のを維持することができるため、気温が上昇する心配もいりません。

コスト削減

3つ目に急速冷凍機を導入することによってコスト削減にもつながります。

新鮮な魚を新鮮なまま提供するためには、近場にしか流通できません。もし、離れた地域に届ける場合には、航空便を使ってできるだけ短時間で輸送する必要があります。

しかし、飛行機での流通には高いコストがかかってしまいます。

急速冷凍を使用することによって魚を冷凍し、長期間の保管と長時間の輸送を可能にします。長時間の輸送が可能になると、航空便での流通ではなく、トラックや船での流通が可能になります。

販路の拡大

4つ目に冷凍事業導入によってビジネスの拡大につながります。

冷凍技術を導入することによって、それまでは飲食店でその場での提供を行っていたのに加えて、通販事業を開始することができます。

特に、新型コロナウィルス流行により最近は通販の利用が増加しています。そのため、冷凍技術を導入し、通販を開始することによってビジネスの拡大にもつながります。

このように魚を急速冷凍することには様々なメリットがあります。次から、具体的に魚の冷凍・保管・解凍方法について触れていきます。

魚の冷凍について相談する

魚の急速冷凍方法


魚種の違いや同じ魚でも形状の違いによって最適な冷凍方法は異なります。

そこで、魚種や形状ごとの冷凍方法の一例をご紹介します。

魚種

赤身魚(マグロ、カツオ、カジキ、ぶり、はまち等)

特徴:鉄分と脂肪が多く、柔らかいです。旨みがあり、濃厚な味わいです。

【冷凍方法の一例】
身の表面の水分をしっかりと拭き取り、冷凍します。冷凍前に保存袋に入れる場合は、身が潰れない程度に真空します。あまり強くしすぎてしまうとドリップが出てしまうので気を付けましょう。
特に赤身魚は、変色しやすいため、冷凍後にしっかりと真空することが大切です。

白身魚(タイ、ヒラメ、ふぐ、スズキ、アナゴ、あんこう、かれい、ヒラメ、キス、めばる等)

特徴:高タンパク質で低脂肪な白身魚はコラーゲンが多く、身が引き締まっており、淡白な味わいです。

【冷凍方法の一例】
赤身魚同様、身の表面の水分を拭き取ってから、冷凍します。冷凍後に真空をするほうが、より高品質で維持することができます。

青魚(あじ、イワシ、さば、さわら、しいら等)

特徴:赤身魚の小型物や白身魚などの中で背が青い魚です。

【冷凍方法の一例】
青魚は、内臓などを処理せずにまるごと冷凍することをお勧めします。魚に触れる回数が少ないほど傷みにくいと言われています。

形状

ラウンド(何も手を加えていない状態)

【冷凍方法の一例】
魚の表面の水気を拭き取ります。
基本的に冷気によって冷凍する急速冷凍機でも液体によって冷凍する急速冷凍機どちらでも鮮度を保ちながら冷凍することができます。

しかし、大きく厚い魚は、冷気による冷凍ですと時間がかかってしまうため、液体タイプの急速冷凍機がおすすめです。
*液体タイプの冷凍機を使用する場合は、食材を冷凍前に保存袋に入れ身が潰れない程度に真空します。

冷凍前アジ
冷凍後アジ

アジのラウンドの冷凍例です。今回は冷気タイプの急速冷凍を使用しています。

セミドレス(頭部付きだが、内臓を取り除いた状態)
【冷凍方法の一例】
セミドレスは、基本的にラウンドの時と同じように冷凍します。
ラウンドと同様、大きめの魚は液体による冷凍の方が速くできるため、より高い品質での冷凍が可能になります。

フィレ(頭部を除去し、身を3枚におろした状態)
【冷凍方法の一例】
①まず身の表面の水気をキッチンペーパー等で拭き取ります。
②魚の切り身を冷凍する際は、できるだけ、皮の面を下にして冷凍しましょう。身の面を下にして冷凍すると、魚の筋肉がトレイと接触することによって筋肉が緩んでしまい(弛緩)、魚全体の変形につながってしまうという実験結果があります。

サーモン冷凍前
急速冷凍サーモン

保存袋等に入れて冷凍する場合は、一枚ずつ重ならないように入れ、身が潰れない程度に真空して冷凍します。
しかし、裸で冷凍できる場合は、冷凍終了後に保存袋に入れて真空するほうが、よりきつく真空することができるためより鮮度の維持ができます。
こちらはサーモンのフィレを冷凍例になります。

急速冷凍の資料を見る

急速冷凍魚の保管

保管方法

魚は、急速冷凍をした後の保管方法も重要になります。

なぜなら、魚介類には不飽和脂肪酸という酸化しやすいので脂質が含まれており、魚が乾燥してしまうことによって食感、味などの品質が落ちてしまうからです。

そこで大切になってくるのが、保管時に冷凍した魚を空気に触れないようにすることです。

密閉保存袋などで真空状態にし、魚と保存袋の間に空気が入れないようにします。

アジ真空

保管期間

冷凍後の魚の保管期間は、冷凍方法によっても異なります。

・生の状態で冷凍した場合:2〜3週間
・下味を付けて冷凍した場合:3〜4週間

とされています。しかし、上記の期間は目安ですので、食材によって異なる場合もございます。

魚の急速冷凍資料を見る

急速冷凍魚の解凍方法

様々な海鮮

急速冷凍機を使用し、食品の品質を下げないよう冷凍したが、解凍時にドリップが出てしまっては意味がありません。そこで、弊社の長年の研究を通して解凍の例をいくつかあげます。

魚のような生ものはドリップを抑えたいが、室温での解凍は衛生的に避けなければいけません。

魚を加熱して使用する際は、冷凍のままもしくは、半分解凍された状態で調理をする方が魚に含まれている水分と栄養素が逃げにくいです。

魚を加熱せずに使用する際は、冷蔵庫や氷水などの外部と温度差が少ない環境での解凍をおすすめします。このようにすることで魚からのドリップを防ぐことができるとともに、鮮度の維持にもつながります。

また、魚の解凍を行う際は、魚が圧迫されていない状態にすることが大切になります。真空をしたまま解凍してしまうと、真空やけが起こってしまったり、解凍時に圧迫されドリップが出てしまったりします。

特に、赤身の魚は真空した状態で解凍をしてしまうと血合いが悪くなってしまいます。

もう1つの方法として解凍機を使用することで魚全体をムラなく均一に解凍でき、ドリップを抑え、より高品質な解凍ができます。

次に実際に急速冷凍機を導入したお店についてご紹介します。

魚の解凍方法の相談をする

急速冷凍機の導入事例

日本酒と刺し盛り

ここで実際に急速冷凍機を導入し、魚介類の冷凍を行っている方の事例をご紹介します。

養殖業の水産加工会社

この会社が、急速冷凍機の導入したきっかけは、魚や水産加工品の販路を拡大したいと考えたことです。しかし、販路を広げ、他県のお客さんに食品を提供するためには最低でも2〜3日はかかってしまい、鮮度が落ちてしまうことが課題でした。

そこで、急速冷凍であれば、鮮度の維持が可能であるとわかり導入を考えるようになったとのことでした。実際に急速冷凍導入後、食材の販路をどんどん拡大されています。

また、2019年よりとらふぐを急速冷凍した商品の販売を開始し、本来ならばとらふぐは、旨みを引き出すために2〜3日寝かせますが、急速冷凍を使用すると「寝かせなくても旨味が凝縮されて、生きているものよりも美味しい」と高い評価をいただいております。

また、他にも急速冷凍導入により、急なお客さんの対応ができるようになったうえ、食品ロスも無くなったそうです。

水産加工・卸の会社

当時、この会社は結婚式にすずきを提供していて、すずきは採れる時期が限られていますが、結婚式会場から一年中使いたいと要望があり、魚の冷凍を考えるようになったそうです。

しかし、通常の冷凍(緩慢冷凍)では、ドリップが出てしまい、魚の質が下がってしまうため、新鮮な魚をそのまま冷凍する方法はないか探しているときに急速冷凍と言う技術を知ったのがこの会社の急速冷凍導入のきっかけです。

急速冷凍活用方法は、安い時期に食材を仕入れ、それを急速冷凍、保管し、価値の高い時期に販売するというものです。そして、導入後半年間で急速冷凍機の元をとってしまいました。

品質面でもとても高い評価を得ています。
例えば、冷凍のマグロは、一週間ほどで黒くなってしまいますが、急速冷凍で凍結したマグロは変色しないうえ、水に水に浸して解凍することによって元の品質を復元することができるとのことでした。

飲食店(寿司屋)

当時、10年ほど使用していた別機種の急速冷凍機の買い替えを検討中に知り合いの会社に弊社を紹介していただいたことがきっかけでした。

凍結が間に合わず、従業員の労働時間が長くなってしまっていたため、労働環境の改善のためにより多くの寮の冷凍が可能な機種への買い替えを決断しました。

お寿司の凍結を行っており、セントラルキッチンを構えているため、一箇所で寿司のネタの冷凍を行い、それを各店舗に配送し、各店舗で寿司を握って提供しているそうです。

買い替え後、凍結量が増加と凍結スピードが上がったそうです。1回の凍結量が6.25倍にまでなったそうです。急速冷凍導入後は、時間内に作業が終わり、労働環境の改善に繋がっていました。

さらに急速冷凍の事例を見る

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は、魚の急速冷凍についてご紹介しました。魚のような生ものは冷凍して鮮度を維持することは難しいと考えられがちです。

しかし、急速冷凍で、正しい冷凍・保管・解凍方法を実践すれば、冷凍前の新鮮な状態の魚を解凍後も顧客に提供することができます。

急速冷凍機にご興味のある方、実際に魚を急速冷凍実験してみたい方は、ぜひご連絡ください。

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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