老舗の名店「うなぎの柳川」が急速冷凍機で実現した「販売チャネル多様化」と「職人不足の課題解消」
熊本県でうなぎの名店として知られる「うなぎの柳川」は、品質維持と生産効率向上のために急速冷凍機「アートロックフリーザー」を導入し、新たな取り組みを開始しました。急速冷凍機を活用することで、マルチチャネル販売や品質標準化を実現し、収益性を高めることに成功した「うなぎの柳川」の事例をご紹介します。
基本情報
会社名:有限会社柳川 うなぎの柳川
都道府県:熊本県
業種:鰻販売業
凍結品目:鰻、うな重
品質面での課題:従来の冷凍(緩慢冷凍)では、うなぎのふっくらとした食感や香ばしさを再現できず、商品として販売できる品質を実現できなかった
ビジネス面での課題:新規店舗開設時の設備投資によるコスト負担、職人不足による機会損失
導入機種:アートロックフリーザー
急速冷凍機導入を検討した経緯:人手不足・職人不足の解消と新規店舗を開設時のコスト削減
「うなぎの柳川」は、熊本県で長年にわたり愛されてきた、創業50年の伝統あるうなぎの名店です。厳選された九州産うなぎを使用し、代々受け継がれてきた技術で、ふっくらと香ばしい仕上がりのうなぎ料理を提供してきました。その奥深い味わいは、地元の方々はもちろん、県外から訪れる観光客にも根強い人気を誇ります。
しかし近年、人手不足・職人不足が深刻化。特に繁忙期における人手不足は機会損失につながり、収益にも影響を与えていました。また、新規店舗を開設するたびに大型設備投資が必要となり、コスト面での負担も課題となっていました。
これらの課題を解決し、さらに新たな販売チャネルを広げるための方策として検討されたのが、急速冷凍機の導入です。冷凍技術の活用により、職人に依存することなく品質を安定させ、業務の省人化と品質標準化が期待されました。
導入に向けた検証:圧倒的な高品質でお店の味を再現
最適な急速冷凍機の導入に向けて、ショールームで繰り返し凍結テストを実施しました。デイブレイクが扱う様々な急速冷凍機の中で、「うなぎの柳川」が代々受け継ぐ技術で焼き上げた香ばさや、ふっくらとした食感を解凍後にも味わえる機種を探し、その再現性の高さから、「アートロックフリーザー」を選択。食材の細胞を損傷することなく、あたたかい食品も出来立ての品質を保つ「アートロックフリーザー」は、焼成後のうなぎを凍結した際にも、店舗で提供する職人の味を見事に再現できることが確認されました。
導入後に実施したこと:製造拠点の集約で安定した品質で計画生産を実現
品質を検証した上で急速冷凍機「アートロックフリーザー」を導入した「うなぎの柳川」は、セントラルキッチンを新たに設置。焼成後のうなぎを急速冷凍させる冷凍製品の一括製造を開始しました。これにより計画生産が実現し、お店が代々受け継ぐ伝統の味を安定して提供できる体制が整いました。
2023年8月には、冷凍したうなぎとご飯を最適な方法で解凍して提供する「うなぎのせいろ蒸し」テイクアウト店(店内飲食も可能)を開業。家庭でも職人の味を楽しめる商品を販売し、顧客に新たな選択肢を提供しました。また、効率化されたシンプルな調理プロセスにより、アルバイトスタッフでも容易に対応でき、人手不足の課題解消や人件費の削減にもつながっています。
導入後に実現したこと:「品質標準化と省人化」「製造拠点の集約」「販売チャネルの多様化と省人化店舗の展開」
品質の標準化と省人化
「アートロックフリーザー」の導入により、職人が手がけずとも同等の品質を標準化できる体制が整いました。需要に応じて効率的な生産が実現したことで店舗の生産負荷が軽減され、職人の技術に依存しない省人化が実現しました。
製造拠点の集約
急速冷凍機導入後、2店舗目として製造工場兼飲食店を設立し、効率的な製造体制を構築しました。製造拠点を集約することで少人数の職人での対応が可能となったほか、冷凍製品を活用した販売方法を多様化させ、消費者の幅広いニーズに対応できる体制が整いました。
販売チェネルの多様化と省人化店舗の展開
3店舗目として、省人化を前提とした3.5坪の省スペースの店舗を開業。販売チャネルの多様化を実現し、現在「うなぎの柳川」では、対面提供やテイクアウトに加えて、冷凍自販機、通販、卸、海外向けといったマルチチャネルでの販売を展開しています。店舗での売り上げだけでなく、さまざまな販売チャネルを通じて収益性を高めることに成功しました。
「うなぎの柳川」は、「アートロックフリーザー」の導入により、当初の目的としていた品質の安定化、生産効率の向上にとどまらず、販売チャネルの多様化を実現。熊本県の伝統的なうなぎ料理を地域内の方々により身近に召し上がっていただく機会を提供しながら、県外ひいては海外へ広く発信する可能性を広げた成功事例となっています。