セントラルキッチンの費用相場と導入を成功させるコツを解説

セントラルキッチンの費用相場と導入を成功させるコツを解説

こんにちは。急速冷凍機の厳選比較サイト「春夏秋凍」のライターチームです。

セントラルキッチンとは、飲食店のメニューの仕込み、調理を集約して行う厨房施設のことです。複数の店舗を展開する飲食業や食品製造業にとって、業務効率化や品質の均一化を図るための重要な戦略となっています。この記事では、セントラルキッチンの導入目的やメリット、デメリット、導入手順について解説します。

この記事でわかること/解決できること

  • セントラルキッチンの概要と導入目的・仕組みが理解できる
  • セントラルキッチン導入にかかる費用の目安と内訳がわかる
  • 補助金やリース、税制優遇制度など、導入コストを抑える方法がわかる
  • セントラルキッチン導入のメリット・デメリットを比較検討できる
  • 導入手順や成功のコツ、実際の導入事例をもとに計画を立てられる

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セントラルキッチンとは?

セントラルキッチンとはどのようなものか、目的と仕組みについて解説します。

※関連記事:セントラルキッチンとは?仕組みや調理法(チルド・冷蔵・冷凍)について解説!

セントラルキッチンの目的

セントラルキッチンとは、飲食店や病院など複数の場所で提供される同じ内容の食品を仕込み、調理する厨房施設のことです。調理工程を1か所にまとめることで、人件費・材料調達費といったコストを削減する目的があります。また、調理後の食品を保存する設備と配送方法により、安全な食品を時間通りに提供することが可能です。

セントラルキッチンの仕組み

セントラルキッチンは、調理技術のある従業員を配置し、調理工程をマニュアル化することで成り立っています。セントラルキッチンの工程は、以下の5段階です。

  1. 食材を調達する
  2. 食材を仕込む
  3. 調理する
  4. 検品・品質管理する
  5. 包装・配送の作業を行う

店舗や病院などの喫食現場では、以下の2段階の工程を踏みます。

  1. 最終的な仕上げ作業をする
  2. 盛り付けを行い、提供する

※関連記事:セントラルキッチンの仕組みを解説!手順や導入のメリット・デメリットから検討しよう

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セントラルキッチンにかかる費用の目安

セントラルキッチンは、各店舗の調理をまとめて行うため、大きな調理設備が必要です。1日にどれくらいの量を調理するのか、どのような機材が必要かなどにより、費用の幅は大きく変わります。

小規模なセントラルキッチンの場合、物件取得や改修、調理器具や備品の準備などで500万程度は必要です。

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セントラルキッチン導入にかかる費用の種類

セントラルキッチンの導入には、大きく分けて初期費用、ランニングコスト、配送費用が必要です。それぞれどのようなものが含まれるのかを解説します。

初期費用

初期費用には、物件取得費用・工事費用・厨房機器の費用の3つが含まれます。工事費用は、原状回復にかかる費用が多くを占めます。厨房機器の購入費用の例は、以下のとおりです。

  • 食材用冷凍冷蔵庫
  • シンク
  • コンロ
  • 調理台
  • 作業台

ランニングコスト(設備の維持費など)

ランニングコストには、設備の維持費や光熱費、人件費などが含まれます。メニューや調理量によって左右されますが、セントラルキッチンの規模に比例して高くなる傾向があります。そのため、適切な稼働率を維持できるコストと利益を比べることが重要です。適切なランニングコストを維持するために、原材料と製造する食品の数量を正確に計算し、ロスを減らしましょう。

配送費用

配送費用には、セントラルキッチンから各店舗に食品を配送する費用が含まれます。食品配送は、徹底した品質管理が欠かせません。食品の質を保つための真空包装機や急速冷凍機、冷凍ストッカーといった食品加工設備を購入することも念頭に入れましょう。生野菜やサラダなどは、とくに鮮度が求められます。サラダ類は、各拠点で調理するといった臨機応変な対応も必要です。

※関連記事:【鮮度長持ち!】チルド保存、チルド輸送の長所短所を解説します

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セントラルキッチンの導入に使える補助金やリース

先述した通り、セントラルキッチンを導入する場合は多くの費用がかかります。費用を抑える方法として、補助金、税制優遇制度、リースがあります。ここでは、セントラルキッチン導入に活用できる補助金や、中小企業向けの税制優遇制度、リースを紹介します。

※関連記事:急速冷凍機を完全解説!メリットや事例、お得な補助金情報まで解説

補助金

新事業進出補助金(中小企業新事業進出促進事業)

中小企業・小規模事業者の成長につながる新事業進出を重点的に支援するための新たな支援措置です。事業再構築補助金の後継の位置付けで、補助金の対象経費は、設備投資、建設投資、システム構築等です。補助金額は、従業員数によって異なり、101名以上の場合最大9,000万円の補助が受けられます。

ものづくり補助金

中小企業や小規模事業者が新しい製品を開発したり、海外市場を開拓したりする際に必要な費用を支援するための補助金です。目的として、中小企業や小規模事業者の付加価値向上、賃上げによる経済の活性化実現が挙げられます。

ものづくり補助金は最新の厨房機器の導入に活用でき、製品・サービス高付加価値化枠の場合、750万〜2,500万円の補助が受けられます。補助率は、小規模事業者で3分の2、中小企業で2分の1です。

※参考:ものづくり補助金

税制優遇制度

中小企業経営強化税制

中小企業経営強化税制は、青色申告書を提出する中小企業者が一定の設備を新規取得等した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3,000万円超の法人は7%)の税額控除を選択適用できる制度です。

※参考:中小企業等経営強化法に基づく支援措置活用の手引き

リース

リースとは、契約に基づいたリース料を支払うことで、リース会社が所有権を持つ設備を利用できるようになる仕組みのことです。一括の購入でなく、月々の支払いになるため、初期費用の負担なく導入できます。また、リース料は経費処理でき、固定資産税の支払いも不要になります。上記税制優遇制度と併用できるため、補助金の手続きが面倒、当てはまる補助金がないという方にもおすすめです。

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セントラルキッチンを導入するメリット

セントラルキッチンを導入することは、品質の維持やコスト削減にメリットがあります。ここでは、4つのメリットを解説します。

品質を維持できる

セントラルキッチンを導入すると、各拠点で同じ味を提供できます。通常の調理方法では、調理工程をマニュアル化してもスタッフの技術や設備の違いにより、味や品質の差が出ることは避けられません。その点、セントラルキッチンでは同じ品質、味の食品を提供できるため、顧客からの信頼を獲得できます。品質の安定により、顧客満足度が向上します。

コスト削減につながる

セントラルキッチンで集約して調理を行うことで、商材を一括で仕入れられます。大量購入によるコストダウンが期待できるでしょう。

原材料を調達したり、調理したりする際には配送料や人件費などのコストもかかります。セントラルキッチンの導入により、これらのコストも削減できるでしょう。各拠点に調理技術の高い従業員を配置する必要がないため、採用や研修のコスト削減にもつながります。

※関連記事:飲食店のFLコストとは?理想の比率と削減のための対策を紹介

衛生管理ができる

衛生管理を徹底するためのマニュアルは、各店舗に浸透するまでには時間がかかります。セントラルキッチンでは仕込みや調理工程が集約されているため、原材料の保存や調理工程の管理が容易になります。これにより、食中毒のリスクが減少し、食品の安全性確保につながります。

ただし、万が一、衛生問題が発生した場合は、影響が広範囲に及びかねません。徹底した管理体制が必要です。

※関連記事:冷凍食品の安全性を保つ製造工程とは?規格基準や実際の手順を解説

店舗・販路を拡大しやすい

セントラルキッチンを導入すると、各拠点に大きな厨房施設を用意する必要がありません。小さな物件でも開業できるようになり、店舗を拡大しやすくなります。通信販売の営業許可を取得すれば、専用商品の製造によって売り上げを伸ばせます。店舗経営で培ったノウハウを活かせば、リスクを抑えつつ店舗を拡大できます。

※関連記事:飲食店が多店舗展開するメリット・デメリットを紹介!成功のポイントは急速冷凍機

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セントラルキッチンのデメリット

セントラルキッチンにはデメリットも存在します。食品ロスやコストなど、避けられないデメリットについて知っておきましょう。

食品ロスが発生しやすい

セントラルキッチンでは、一度に大量の食品を調理して保存、配送することができます。しかし、各拠点で調理するよりも、セントラルキッチンで調理する方が食品ロスは多くなる可能性もあります。セントラルキッチンでは、店舗での注文数よりもセントラルキッチンから発送された量が多い場合、作りすぎが発生するためです。食品ロスに注意しなければ、逆に費用がかさみかねません。

※関連記事:【食品ロスの現状と対策】削減への取り組みと急速冷凍とは!?

導入コストがかかる

セントラルキッチンを導入する場合、初期費用、ランニングコスト、配送料といったコストがかかります。セントラルキッチンを導入することによるコスト削減効果と、新たに発生するコストを比較検討することが必要です。場合によっては、セントラルキッチンよりも各拠点で調理する方がコストパフォーマンスに優れることもあるでしょう。

セントラルキッチンの運用には、コストがかかることも頭に入れておかなければなりません。

鮮度・品物の品質が落ちやすい

調理後の食材や料理は、適切な温度で管理することが重要です。しかし、温度管理は複雑なため、各拠点で調理する場合に比べて、セントラルキッチンでの調理は、時間の経過とともに味や鮮度が落ちることは避けられません。また、手作り感が薄れるデメリットもあります。鮮度・品質を維持するには急速冷凍機などの導入も必要になるでしょう。

※関連記事:【鮮度長持ち!】チルド保存、チルド輸送の長所短所を解説します

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セントラルキッチンの導入手順

セントラルキッチンの導入は、大規模なプロジェクトです。順序だてて進めていきましょう。導入手順は以下のとおりです。

  1. 計画を立てる:セントラルキッチンの導入目的を明確にし、計画を立てます。
  2. 施設選定と設計を行う:土地や物件、工事会社を選定し、設計を進めます。
  3. 必要な設備の購入と設置を行う:調理機器、冷蔵・冷凍設備、物流機器など、調理に必要な機器や設備を選定します。
  4. スタッフの採用、研修をする:調理スタッフ、物流担当スタッフなど、必要な職種のスタッフを採用し、トレーニングします。
  5. 物流・配送システムを選定する:受発注や在庫の管理システムを選定し、テスト運用します。

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セントラルキッチンの導入を成功させるコツ

セントラルキッチンを成功させるコツを3つに分けて解説します。

スモールスタートから始める

セントラルキッチンは、小規模から始め、売り上げや需要を加味して徐々に規模を拡大していきましょう。最初から大規模に展開すると、過剰な設備投資が必須となりリスクが高まります。

業務をマニュアル化する

セントラルキッチンは、調理工程をマニュアル化することで食品の品質を一定に保つことが可能です。マニュアル化により、経験の浅いスタッフでも安定した作業が行えます。

※関連記事:飲食店の人時生産性を上げるには?有効な手段や注意点を解説します。

急速冷凍機を活用する

急速冷凍機を活用することで、食品の味や風味といった品質を損なわずに長期間保存ができるようになります。通常の冷凍では品質が劣化してしまうような食品も計画的に生産できるようになるため、セントラルキッチンで調理するメニューの幅が広がります。

※関連記事:急速冷凍機の使い方ー上手に活用できればこんなに変わる!ー

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セントラルキッチンの導入成功事例

セントラルキッチンを導入した企業の事例を紹介します。

株式会社浜木綿

株式会社浜木綿は、中華料理レストランを中心に、全国に4ブランド・41店舗を展開する会社です。セントラルキッチンで調理した料理を急速冷凍し、店舗に配送することで、品質と生産性の向上に成功しました。また、全店舗の仕込みを1つの工場に集約することで、店舗の負担軽減や製造量の増加にもつながっています。

※関連記事:中華料理の老舗名店「浜木綿」の、冷凍技術を活用した店舗改革。さらなる品質向上と人材育成、お店を支えるお客さまへの新しい価値提供

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まとめ

セントラルキッチンは、複数拠点の調理工程を担うため、大きな調理設備が必要です。また、水道光熱費やメンテナンス費などのランニングコスト、各拠点へ食品を配送する費用が発生します。小規模なセントラルキッチンであっても、初期費用は500万円程度が必要です。

セントラルキッチンを導入して業務効率化・売り上げ拡大を目指すなら、品質維持・長期保管が可能な急速冷凍機の活用がおすすめです。当サイトを運営するデイブレイク株式会社では、セントラルキッチンに必要な設備の販売だけでなく、セントラルキッチン用レシピの開発や、オペレーション構築まで、無料でサポートさせていただきます。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

木下 昌之

この記事の監修者

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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