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特殊冷凍 鮮度保持電場装置「DENBA」

水産業界の根本的な課題解決に向けた最先端技術の活用とは

水産業は自然環境の変化に影響を受けやすい面があります。気候や海水温などの変動が激しい近年では、漁業環境の悪化や生態系の乱れにより漁獲量が安定せず、水産業界はいくつもの深刻な課題を抱えています。
自然環境を改善することはとても難しいことではありますが、人の力で改善できる部分の対策が進まない根本的な理由に着目し、それに対する新たな施策を考えることで、水産業の労働環境改善や人手と後継者不足の課題を解決に導くことができます。

今回は水産業の現状と課題をお伝えした上で、水産業界の根本にある問題解決とそれに必要な最先端技術の活用という視点で最適な施策を提案します。

水産業の現状と課題

水産業界には主な課題として漁獲量の減少・需要変動による価格競争・後継者不足という問題があります。それぞれの課題について根本にある原因とその対策を提案します。 

漁獲量の減少と資源管理

令和2年の日本の漁獲量は前年より20,000トン減少しており、全体で3,210,000トンでした。漁獲量が全盛期(1964年)であった頃の3分の1近くにまで年々減少している状況です。
この問題の背景には、漁場環境の悪化や乱獲などの影響があります。

水産業は自然環境に大きく左右される業界のため、漁獲量の上限を設けたり、養殖した稚魚を放流するなど、人工的に生態系のバランスをとりながら水産資源の保全に向けた取り組みが、政府の協力のもとで行われています。

水産物市場の変動と価格競争

国内外の市場における水産物の価格変動は、水産業界の大きな課題です。

水産庁の水産物流通調査によると、マグロが1キロ3,370円で約2倍、真鯛791円で47%増など、水産物の価格変動は前年同月比で軒並み上昇しています。

食の多様化によって国内の魚介需要が低下している中、逆に国外の魚介需要は拡大傾向です。もともと日本の水産物は品質が高く評価されており、高価格で取引されていました。それが乱獲などの理由で需要と供給のバランスが崩れ、輸入品との価格競争が激化し値崩れを起こしやすくなったのです。
その問題を受け、水産物の品質や鮮度をより良く保ち、適正な価格で市場に提供する仕組みづくりが求められています。

水産業界の労働力不足と作業環境の問題

漁業従事者の高齢化と若年層の就労離れも水産業界の深刻な課題です。
どの業界にも共通しているように、少子高齢化による労働力不足が主な原因ではありますが、水産業界においてはキャリアの多様化によって経営を家族間で受け継ぐ世襲制が失われつつあることも要因になっています。
労働力不足は作業の遅延や生産性の低下、離職を引き起こします。
業界のイメージ向上のための取り組みも大切ですが、労働力不足だからこその作業効率化や環境改善に対する施策がより重要と言えます。

水産業界の根本的課題とは

前項でお伝えしたように、水産業界はさまざまな課題を抱えています。

それに対して政府と協力しながら、技術開発、市場開発、人材育成といった持続可能な取り組みもすでに行っていることも事実です。しかし、政府の協力があるにもかかわらず、問題が長期化している根本的な理由は一体どんなところにあるのでしょうか。

考えられる2つの問題についてお伝えします。

1、水産業は利益が出にくい構造になっている

長時間に及ぶ重労働が多く、自然と対峙した過酷な業務であるにもかかわらず「儲かりにくいビジネスである」ということが、水産業界のさまざまな課題の根底にある理由だと考えます。

水産業が陥りやすい経営の悪循環

このような負のループに陥りやすいというわけです。

この水産業の根本課題である「儲かりにくいビジネス」を「儲かるビジネス」へと転換することが、労働者不足などその他の課題を解決するためにも重要です。

水産業で儲けるために必要なこと

ビジネスとして儲けるということは利益率を増加させるということです。利益率を向上させる主な方法は以下の3つです。

1、売上を上げる

まずは何よりも売上を向上させることが利益率に直結します。水産物の品質に見合う適正な価格、もしくはそれ以上の高い値段で売るためには、水産物の価値を高めることが重要です。

2、原価を下げる

また利益を圧迫しやすい原価をなるべく低く抑えるよう、仕入れ先や需要の変化を考慮した購入計画を見直すなどの工夫も必要です。

3、廃棄ロスを減らす

そしてコストをかけて収穫した水産物や仕入れた材料をできる限りムダにせず、廃棄ロスを出さないことで原価率を抑える努力も必要です。

利益率を増加させるための3つのポイントを挙げましたが、これらを実現させるために活用すべき技術がこれから紹介する「急速冷凍技術」です。

急速冷凍技術の活用

鮮度が命である水産物の価値を高め、より高い値段で売れるようにするためには、水産物の品質を維持しながら商圏を拡大し、食材として使いやすく加工したものを市場に流通させる体制を作ることが理想です。

急速冷凍は、水産物などの食材を高品質のまま冷凍し、長期保存することはもちろん、解凍後の鮮度まで高品質に保つことができる最先端冷凍技術です。

かんぱち刺し盛りの冷凍

急速冷凍は変色やドリップなどの食材の劣化を起こさずに賞味期限を延長できるため、水産業界にとっても原価低減や廃棄ロス削減を可能にします。

この急速冷凍技術を活用することで、水産ビジネスにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

水産業に急速冷凍機を導入するメリット

急速冷凍技術には、水産物の付加価値を高めるという大きなメリットがあります。

水産物の鮮度や味を品質高く維持したまま冷凍することで、チルドでは実現できない販売方法や配送が可能になり、利便性が高まることで水産物がより高い値段で売れるようになるのです。水産物の流通というビジネスにおいて冷凍技術を駆使すると具体的には以下の2つのような付加価値を高めることができます。

水産業に急速冷凍機を導入するメリット

2、水産業界参入の難しさ

水産業界の根底にある課題のもう一つに、ビジネスに参入したり後を継ぐことに対する難しさやハードルの高さが挙げられます。

明確な基準のない漁師の勘や技術に依存している部分が大きい水産業界において、そのような暗黙知の技術の習得には長い年月がかかります。それに加えて利益が見込めないとなると、新しく水産ビジネスをやりたいと思う人や、後を継いでやっていこうと思える若者が現れにくいと言うことでしょう。

水産業界の根底にある課題

参入しやすくするために必要なこと

すぐには身につかない専門的な知識や技術を要する水産業において、ビジネス参入へのハードルを下げるためにはどうすれば良いのでしょうか。

わかりやすく言うと、若者が「自分にもできるかもしれない」「難しいけどやってみたい」と水産業に対して感じてもらうことです。それには熟練漁師の経験や勘を持っていない人でも、水産業界の業務をこなせるだけの術が必要ですが、熟練漁師ではない人でも漁業業務を効率よく行うための方法がこれから紹介する「スマート漁業」です。

これは、新しい人が水産業界に参入しやすくするためだけではなく、今まさに水産業を営んでいる方たちが、労働者不足でも生産性を高め、売上の向上を実現できる革命的な技術と言えます。

スマート漁業の導入

スマート漁業とは、ICT技術を駆使した漁業活動および漁場環境のデータ収集を行い、そのデータを活用しながら行う漁業のことです。

漁業業務や属人化した技術をデジタル化することで、生産活動における省力化や操業の効率化を実現し、生産性を向上させることが可能になります。

水産業務にICT技術を活用するメリット

これらの業務がICT技術とAIの導入により自動化することで、人的な労働時間や負担が大幅に削減され、労働力不足や労働環境の改善はもちろん、経験のない人でも業界への新規参入がしやすくなります。

この章でお伝えした通り、水産業界の多くの問題を解決するには「水産業を儲かるビジネスにすること」そして「参入や後継のハードルを下げること」という2つの課題が根底にあることがわかりました。

そのための有効な手段として、「急速冷凍」と「スマート漁業」と言う最先端技術の活用をご紹介しましたが、さまざまな機能を搭載したことにより急速冷凍のメリットを最大限に引き出せる特殊冷凍機「アートロックフリーザー」について、より詳細にご紹介します。

アートロックフリーザー

水産業に最適な急速冷凍機「アートロックフリーザー」

当社では、食材の冷凍と解凍までの最適な工程を10年に渡り研究を行い、食材にダメージを与えない冷凍技術を備えた特殊冷凍機「アートロックフリーザー」を完成させました。

従来の急速冷凍機は、早く冷えれば良いとされており食材の品質にバラつきが出てしまうという課題がありましたが、

アートロックフリーザーは以下の3つの特徴により、あらゆる食材・食品を高品質に冷凍することができます。また生産稼働を止めることなく全自動で冷凍処理を行える点や、冷凍の失敗や故障を防ぎ、誰でも簡単に運用できるという生産効率の高さに定評があります。

お寿司の冷凍

アートロックフリーザーの特徴

マイクロウインドシステム

アートロックは特殊なファンが作り出すキメの細かい冷風によって、食材の乾燥を防ぎながらしかも早く凍結させます。その結果、食材にダメージを与えず、魚のような生鮮食品で課題になりやすいドリップもほとんど出さずに高品質の冷凍保存を実現できます。

スマートフリーズ

アートロックフリーザーでは、AIを活用したセンサーの自動検知で急速冷凍を完全自動化することができます。食材を庫内に入れて扉を閉めるだけでセンサーが中の食材の量や質に合わせた最適な運転を選び冷凍処理をしてくれるため、特別な技術や知識がなくても冷凍の失敗をせずに運用しやすくなっています。

アンチフロストシステム

アンチフロストシステムとは、冷凍庫や冷蔵庫、エアコン、その他の冷却システムにおいて、霜や氷の結露と蓄積を防ぐために設計された技術です。従来の急速冷凍機では連続稼働が出来ず再起動を挟んで作業を行いますが、アートロックフリーザーは連続稼働ができるため大幅な生産性の向上に期待ができます。

以上のような機能性の高さによって、アートロックフリーザーは圧倒的に高い冷凍品質を実現できるため、鮮度を維持しなければならない水産物との相性がとても良いと言えます。

しかも誰が使っても冷凍の失敗をせずに運用でき、且つ連続稼働によって生産力を最大化することができると言う点で、生産効率が非常に高い急速冷凍機なのです。

まとめ

今回の記事では水産業の課題と取り組みを始め、問題が長期化する根本的な水産業界の課題についても触れました。水産業において急速冷凍技術の活用とデジタル化を進めることにより、水産物の品質保持と付加価値向上、作業性向上が期待できます。

今回の記事を参考に急速冷凍機を活用し、水産業の根本課題となる「水産業利益の確保」と「参入ハードルの改善」に取り組んでみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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