【業務用の冷凍鶏肉取り扱いガイド】解凍方法とその後使える期限とは
「鶏肉の解凍に時間がかかるため、回転率が悪く無駄な人件費がかかってしまう。」
「急いで解凍すると歩留まりが悪く、味が落ちてしまう。」
業務用の鶏肉を使っている方はこんな経験があるのではないでしょうか。
解凍に時間がかかってしまったり、うまく解凍できず、ドリップが出て肉がパサついてしまうなど、様々な悩みを抱えている方がいらっしゃいます。
実は最適な解凍の方法を選べていない方は多く、場合によってはかなりの損をしている可能性があります。
そこで冷凍・解凍の機械を専門で扱っている冷凍解凍のプロが最適な解凍方法や取り扱いを解説。業者向けの圧倒的な品質と解凍のスピードを実現させ、さらにロスの削減、人件費削減につながる方法までしっかりご紹介します。
是非、当ページをご覧いただき、現状の不満や課題を解決し、費用を抑えて質の高い商品を提供できるようにしましょう。
目次
業務用鶏肉の解凍方法
まずはじめに業務用の冷凍鶏肉の解凍方法をご紹介します。
多くが2kg入りで売られている業務の冷凍鶏肉。安く仕入れることができるため、業者さんはもちろん、一般の方でも使ってらっしゃる方は多いと思います。ですが、冒頭でもお伝えした通り、2kgの鶏肉が1つの塊になって冷凍されているため、扱いが難しいですよね。
まずはそんな扱いの難しい業務用の鶏肉の解凍方法についてご紹介します。
最適な解凍方法は食材によって異なります。鶏肉を解凍する際の1つのポイントとなるのは、解凍のスピードです。鶏肉は解凍の際に中心と外側で温度差が大きくなってしまうと良い解凍ができません。
そのため、時間をかけて少しずつ解凍した方が温度差が生まれず、美味しさを保ちつつ解凍することができます。
逆に時間をかけず急速に解凍してしまうと、肉の細胞が壊れやすく、旨味成分であるドリップが流れ出てしまうため、味が落ちたり、歩留まりが悪くなります。
また、早く解凍しようとすると食材の温度が上がり、菌の繁殖が起こりやすくなるため、数が増加。それにより、解凍後に保存できる期間が短くなるため、食材のロスが起こりやすくなります。
解凍はどのような方法を選択するかが非常に重要です。ここから場面に合った解凍方法についてご紹介します。
解凍方法を選ぶ際には、あなたが求めている品質を満たす方法の中から、早く解凍できる方法を選びましょう。無駄な時間をかけずに、美味しいものを作ることができます。
前もって解凍できる方は場合は「冷蔵解凍」
解凍時間 ★
おいしさ ★★★★
解凍後の保存期間 生でも1〜2日保存が可能
冷蔵解凍は前の日などの早いタイミングで食材を冷蔵庫に入れ、時間をかけて解凍する方法です。業務用の2kgの鶏肉を解凍しようとすると丸1日かかることもあります。
他の解凍方法と比べると解凍に時間がかかりますが、旨味成分のドリップをほとんど出さずに解凍することが可能。また、解凍時、常に冷蔵庫に入れられている為、菌の繁殖も起こりにくくなります。
バランスをとるなら「流水解凍」
解凍時間 ★★
おいしさ ★★★
解凍後の保存期間 すぐに調理が必要
なるべく美味しいく解凍したいけれど解凍に1晩もかけられないという方には流水解凍がおすすめ。水は空気よりも温度が伝わりやすいため、比較的低い温度でかつ短い時間で解凍することができます。
ただし解凍の間水を流し続けなくてはならないため、費用がかかるデメリットがあります。
とにかく早い「ぬるま湯解凍」
解凍時間 ★★★★
おいしさ ★
解凍後の保存期間 すぐに調理が必要
とにかく短い時間で解凍したいという場合はお湯を使った解凍がおすすめ。60~70度くらいのお湯を大きめの容器にため、その中に鶏肉を10分程度入れます。
お湯に入れる時間が短すぎると解凍が不十分に、長すぎると解凍され過ぎてしまい、菌の繁殖などが起こりやすくなってしまうため注意が必要です。
また、急速に解凍するためドリップが多く、味・歩留まりの劣化が起こりやすくなるため、すぐに解凍しなくてはいけないという場面以外では使わないようにしましょう。
どちらも必要な業者様向け「特殊解凍機で解凍」
解凍時間 ★★★
おいしさ ★★★★★
解凍後の保存期間 生で3~5日保存可能
味や歩留まりの良さなどの品質と解凍のスピード両方を求める方は特殊解凍機を使った解凍がおすすめ。一般的な解凍機でも解凍する方法もありますが、早く解凍する分、他の解凍方法と同様ドリップが出やすいなど、デメリットも多くなります。
特殊解凍機は電気の力を使うなど特殊な技術を取り入れた作りをしているため、ほとんどドリップを出さずに7、8時間で解凍できます。
ここまで業務用の鶏肉の解凍方法を紹介してきました。どんな場面でどの解凍方法を選べば良いのかイメージできたと思います。
ですがそれとは別に解凍した後の肉はいつまで使うことができるのか、保存期間はどのくらいなのか、気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
解凍した鶏肉がどのくらい保存できるかは使い方によっても変化します。ここから、解凍した鶏肉の保存期間について解説します。
解凍後の保存の期限はいつまで?
ここからは解凍後の鶏肉の取り扱いについてご紹介します。
解凍後の鶏肉は冷蔵解凍と特殊解凍機を使用した場合のみ、菌を繁殖させずに解凍できるため、解凍後に生で保存することが可能です。
冷蔵解凍した鶏肉の場合、1~2日であれば生で保存することができます。
特殊解凍機の場合、解凍の質以外にも技術が詰め込まれているため3~5日生の状態で保存することができます。この秘密は次の章でご紹介します。
それ以外の方法は基本的に解凍した鶏肉は生のまま保存することはできません。冷凍解凍をする過程でどうしても鶏肉に付いている菌が増えてしまいます。
もし、冷蔵庫で保存し続けてしまうとさらに菌が増えてしまい、食中毒の原因に。そのため、解凍した分を使い切るか、全て調理してから保存しましょう。
ここまで業務用の鶏肉の取り扱いについて解説してきました。方法は複数あり、どの方法を選ぶかで質や解凍の速さ、解凍後の保存期間が異なります。
ここまでで特殊解凍機って何が特殊なのか、気になった方はいませんか。
特殊解凍機はただ温度をあげて解凍するわけではありません。熱以外のエネルギーなども使用する新しい技術によって生まれました。
ここからは特殊解凍機についてご紹介していきます。
圧倒的な品質とスピードの特殊解凍機
ここから特殊解凍機がどんなものか、どんなメリットがあるのかご紹介していきます。
まず解凍機について説明します。
解凍機とは文字通り解凍するための機械のこと。食材など解凍したいものを素早く解凍することができます。解凍するための機械なので食材の温度を少しずつあげていきます。
ですが、先ほどお伝えした通り、解凍にかける時間が早いと温度差が生まれやすく品質が下がりやすいもの。一般的な解凍機だと早くムラなく解凍することはできますが、どうしてもドリップが出てしまいます。
そのため、味・歩留まりの劣化が起こることも。ですが、そういったデメリットなく解凍することができる特殊な解凍機があります。
「DEPAK解凍機」は電気の力を使った解凍機です。食材に微弱な電気を流しながら解凍することで細胞を活性化させ、酸化などの食材の劣化やドリップを抑えつつ、解凍にかかる時間を短くできます。
また、一般的な解凍機は食品を入れたままにしてしまうと、解凍が終わったにも関わらず温め続けてしまい、変色してしまったり菌の繁殖が進んでしまうことがあります。そのため、他の作業を中断してでもちょうど良いタイミングで取り出さなければいけません。
ですが「DEPAK解凍機」の場合、庫内に食材の中心温度を測る装置が付いており、解凍されたタイミングに自動で解凍モードから鮮度保持モードに切り替わるよう設定することができます。
これにより食材をダメにしてしまう心配がなく、解凍の時間に合わせて機械を止める必要もありません。短い解凍時間でおいしく解凍ができ、さらに人件費を節約することにもつながります。
まとめ
いかがでしたか。
当ページでは業務用の鶏肉の解凍方法や解凍した鶏肉の保存期間、費用を抑えつつ高い品質で解凍する方法についてご紹介しました。
解凍は商品の品質だけでなく費用、オペレーションなど様々なものに関係する重要な工程です。
また、特殊な解凍機を使う事で多くメリットがありました。
・解凍時間の短縮
・品質の向上
・歩留まりの向上
・ドリップの削減
・ロスの削減
・人件費の削減
現状を見つめ直し、長い目で見たときに選択するべきだと思った解凍の方法と今の方法が異なっているのであれば最適な方法を検討すべきです。
解凍方法1つでも売上や利益は大きく変わります。
自社にあった解凍方法を見つけることで費用を抑えつつ、安全で品質の高いものを提供しましょう。