【写真付きで解説!】いんげんの冷凍保存方法と保存期間、レシピ5選
あまり知られていないのですが、いんげんは冷凍保存できることをご存知でしょうか。
いんげんは室温保存や冷蔵保存が一般的ですが、長期保存をしたいのなら、冷凍保存するのが適しているのです。
こちらの記事では、生のシャキシャキ感をできる限り残せる冷凍方法や、適切な解凍方法、目安となる保存期間をご紹介しています。
「いんげんを買ってきたけれど、全部を使い切れなかった。」
「自宅の家庭菜園で一度に大量に収穫し、保存方法に困っている。」
このような方にはぜひ読んでいただければと思います。
目次
いんげんの栄養
出典:https://health2sync.com/ja/blog/greenbean-nutrition/
いんげんの栄養価とカロリー
いんげんは、90%以上が水分からできています。そのため、カロリーは100g中 23kcalと低めで、野菜の中でもヘルシーな存在です(トマトやきのこと同程度のカロリー)。
緑黄色野菜に指定されていて、ビタミンA(β-カロテン)が豊富に含まれています。その他にも、幅広いミネラル・ビタミンがバランスよく含まれています。
含まれているミネラル・ビタミンは以下の通りです。
【ミネラル】
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン
【ビタミン】
ビタミンA、D、E、K、B1、B2、ナイアシン、B6、葉酸、パントテン酸、ビオチン、C
【その他】
食物繊維
いんげんの効能
【風邪に負けない健康な体を作る】
いんげんには、成長を促進し、皮膚や粘膜を正常に保つ働きをもつビタミンAが含まれています。皮膚や粘膜など、身体が外界と接する面を健康に保つことで、風邪などにかかりにくくなるという効果があるとされています。
また、たんぱく質や炭水化物、脂質などをエネルギーに変換する働きがあるビタミンB1・B2も含まれています。食べ物が確実にエネルギーに変換されることで、毎日をパワフルに過ごすための活力が得られるのです。
【食物繊維で身体中スッキリ】
いんげんには食物繊維が含まれており、中でも不溶性食物繊維が多く含まれています。
水溶性食物繊維は、その名の通り腸の中でトロトロと液状になり、腸内の毒素(老廃物など)を巻き込んで排出する機能があります。不溶性食物繊維は、腸内の水分を吸収して大きくなり、腸を刺激して排泄を促す効果を持ちます。
健康の基本は、身体に余計なものをため込まないことです。腸内環境が改善されることで、身体にため込まれた老廃物や毒素が排出されます。すると、身体が本来の力を取り戻し、肌にツヤやハリがでるようになり、手足のむくみなども改善されていくのです。
いんげんを冷凍するメリット
長期保存が可能になる
第一のメリットは、長期保存が可能になることです。
通常いんげんは、室温保存や冷蔵庫保存では2~3日でしなびてしまいます。ですが、冷凍保存ならば、ある程度新鮮さを保ったまま数週間の保存が可能になります。
2等分や3等分など、カットしてから冷凍しておく、お肉を巻いてから冷凍するなどすれば、調理時間の短縮にもつながります。
冷凍によって栄養が失われない
第二のメリットは、冷凍によって栄養が失われないことです。
いんげんを冷凍する場合、食材を固めに茹でておくブランチング処理を施します。あらかじめ熱を通しておくことで、食材中の酵素の活動を停止させ、栄養の損失を防ぐことができるのです。
またブランチング処理には、冷凍前後の食感の変化を最小限に抑える効果もあります。ゆえに、生で食べたときのシャキシャキ感をできる限り残すことができるのです。
いんげんの冷凍保存方法
茹でて冷凍する場合
1.へたや筋を取ります。
2.沸騰したお湯に塩をひとつまみ入れ、30~60秒間茹でます。
3.ざるに開けて冷水で冷まし、キッチンペーパーなどで水気を拭きとります。
4.フリーザーバッグに重ならないように入れて冷凍します。
★固めに茹でることで、冷凍後の食感の変化を最小限に抑えることができます(ブランチング処理と言います)。
★使いやすい長さに切ってから冷凍しても便利です。
いんげんの解凍方法と保存期間
いんげんの解凍方法
冷凍したいんげんは、冷蔵庫で自然解凍か、凍ったまま調理することができます。
サラダなどで食べる場合は、冷蔵庫で解凍すると良いでしょう。
冷蔵庫内でゆっくりと低温解凍することで、ドリップ(液漏れ)を防ぐことができます。ドリップを抑えると、うまみ成分の流出を食い止めることができるのです。
火を通す場合は、凍ったまま調理してください。この場合、解凍せずに直接フライパンやお鍋に入れて構いません。
いんげんの保存期間
保存期間の目安は 2~3週間です。
基本的に、冷凍している食材が腐ることはありません。ですが、冷凍環境(冷凍庫内の温度変化など)によっては、目安の期間内でも食べるのを控えたほうが良い場合もあります。
色が悪い、ひどく乾燥しているなど、目に見える異常がある場合には、食べるのを控えてください。
>>【冷凍で長持ち】野菜の保存方法で気をつけるべき3つのポイント
栄養士が解説! いんげんの栄養について
いんげんの栄養
いんげんは、いんげん豆を未熟な状態でさやごと収穫したものです。いんげん豆は豆類に分類されますが、いんげんは野菜に分類され、いんげん豆といんげんでは含まれる栄養も異なります。
いんげんにはビタミンB₁、B₂、Cが含まれ、カリウム、カルシウム、マグネシウムが含まれています。また、アミノ酸も豊富です。
いんげんには必須アミノ酸が全て入っている
いんげんには、必須アミノ酸9種類がすべて含まれています。必須アミノ酸は、体内で生成されない栄養素のため、食事から摂取する必要があります。
また、必須アミノ酸9種類のうちどれか1種類でも不足しているとほかのアミノ酸の吸収に影響が出るため、9種類をまんべんなくとることが重要です。
βカロテンで生活習慣病予防に
βカロテンは体内に取り込まれた後にビタミンAに変わります。ビタミンAは、視力を正常に保つ働きや、皮膚や粘膜の健康維持の働きがあります。
また、強力な抗酸化作用があり活性酸素を抑え、老化や生活習慣病の予防に効果があります。
☑いんげんの選び方
1.緑の色が鮮やかなもの
2.傷や黒ずみがないもの
3.細くて太さが均一なもの
4.さやの先までハリがあるもの
栄養士 るり
戸板女子短期大学で栄養士の資格を取得し、同大学を卒業。卒業後杏林大学で食品衛生管理者の資格も取得。現在はデイブレイク株式会社で食材の冷凍情報を発信しながら、様々な食材の冷凍実験を統括。趣味は旅行とフラダンス。
いんげんを使った簡単レシピ5選
お弁当用ごま和え
出典:https://cookpad.com/recipe/809574
☑材料(4人分)
・いんげん 200g
●すりごま 大さじ2
●醤油 大さじ1.5
●砂糖 大さじ1
・塩 適量
<作り方>
1)冷凍したいんげんを冷蔵庫で自然解凍しておきます。
2)1本ずつ3等分に切り、●の調味料と一緒に和えたら完成です。
★冷凍する前のいんげんを塩茹でし、●の調味料と和えてから、フリーザーバッグに入れて冷凍することもできます。
しらたきのうま煮
出典:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1070060240/
☑材料(2人分)
・いんげん 80g
・しらたき 60g
・にんじん 20g程度
●だし汁 1/2カップ
●酒 小さじ1/2
●醤油 大さじ1/2
●砂糖 小さじ1
●すりおろししょうが 1/2片分
<作り方>
1)冷凍したいんげんを冷蔵庫で自然解凍、その後細切りにしておきます。
2)しらたきを熱湯で軽く茹で、食べやすい大きさに切ります。
3)にんじんは細切りにしておきます。
4)鍋に●の調味料と(2)のしたらき、(3)のにんじんを入れ、2~3分中火で煮ます。
5)いんげんを加え、ひと煮立ちさせたら完成です。
じゃがいもとひき肉のそぼろ煮
出典:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1160013860/
☑材料(3人分)
・いんげん 7本
・じゃがいも 5個
・合ひき肉 100g
・水 100cc
●醤油 大さじ1
●みりん 大さじ1
●酒 大さじ1
●砂糖 小さじ1
●すりおろししょうが 小さじ1
・水溶き片栗粉 大さじ1
<作り方>
1)冷凍したいんげんを冷蔵庫で自然解凍し、レンジで1分半加熱しておきます。
2)じゃがいもを1口サイズに切り、レンジで2分ほど加熱しておきます。
3)熱したフライパンにごま油をひき、ひき肉を2分ほど炒めます。その後、じゃがいもを加えてもう1分炒めます。
4)水を加え、●の調味料を加えます。ひと煮立ちしたら、弱火で3~4分煮ます。
5)水溶き片栗粉を加え、とろみがついたところで、いんげんを加えて完成です。
★いんげんを別に温めることで、鮮やかな緑を残すことができます(一緒に煮ると色が悪くなります)。
お弁当用たまご炒め
出典:https://cookpad.com/recipe/4476043
☑材料(1人分)
・卵 1個
・いんげん 2本
●中華スープの素 小さじ1/2
●酒 小さじ1
●ごま油 適量
●マヨネーズ 大さじ1
<作り方>
1)冷凍したいんげんを冷蔵庫で自然解凍し、食べやすい大きさに切っておきます。
2)卵を溶き、●の調味料と合わせておきます。
3)フライパンにマヨネーズをひと絞りし、(2)の卵を流し入れ、ふんわりとしたいり卵を作ります。
4)いり卵をいったん取り出し、ごま油でいんげんを炒めます。
5)火が通ったらいり卵を戻し、少しばかり醤油(分量外)を垂らして完成です。
★醤油の量を抑えることで、いんげんの色合いを鮮やかに保てます。
豚肉巻き
出典:https://recipe.rakuten.co.jp/recipe/1490004500/
☑材料(3人分)
・いんげん 16本程
・豚肉(薄切り) 16枚程
・にんじん 1本
・小麦粉 適量
・塩こしょう 少々
●おろしにんにく 1片
●酒 大さじ4
●醤油 大さじ4
●砂糖 大さじ2
●みりん 大さじ1
・オリーブオイル 大さじ1
<作り方>
1)冷凍したいんげんを冷蔵庫で自然解凍しておきます。
2)にんじんをいんげんと同じ長さ、太さに切り、軽く茹でておきます。
3)豚肉を2枚広げ、にんじんといんげんを乗せて、ぴっちりと巻いていきます。
4)巻き終わりの面を下にし、塩こしょうを振り、さらに小麦粉をまぶしておきます。
5)熱したフライパンにオリーブオイルをひき、巻き終わりの面を下にして焼いていきます。
6)焼き色がついたら、転がして他の面も焼いていきます。
7)全体的に焼き色がついたら、●の調味料を絡めて完成です。
★お弁当に入れる際は、適当な大きさに輪切りにしておくと良いでしょう。
★豚肉1枚で巻くときは、らせん状に巻いていくと全体をカバーできます。
まとめ
いんげんの冷凍方法はいかがでしたでしょうか。
ポイントは、固めに茹でてから冷凍することと、水気をしっかりとふき取ることです。火を通してから冷凍することで、食感の変化や栄養の損失を最小限に留めることができます。また、水気をふき取ることで、冷凍中に食材が乾燥するのを防ぐことができます。
保存期間は2~3週間が目安、冷蔵庫解凍を基本としていますが、加熱料理の場合は凍ったまま使用することも可能です。
いんげんは、ごま和えなど常備菜としても扱いやすい食材ですから、ぜひ普段の生活で冷凍保存を活用してください。