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急速冷凍で解決!知って得する冷凍技術

ますます熾烈を極める飲食店業界において、美味しさとコスト削減の両方を叶えてくれる夢のような技術があることをご存知ですか?その技術は、”急速冷凍技術”です。

急速冷凍を使えば、味や食感を何十年も保つことができます。品質を守りながら、生鮮食品を扱う上で難点となる、コストの問題を解決することができるようになります。

大解説!急速冷凍の美味しさ

食品を冷凍する時に、何か気を付けていることはありますか?

ただ冷凍しているとしたら、それは要注意です。冷凍すれば長期間の保存ができる反面、味の劣化を招いてしまいます。

食品はとてもデリケート。冷凍庫にポンと冷やしておけばいいというわけではなく、食品に合った方法で冷凍しなければ、食品本来の美味しさが失われてしまいます。きちんとした冷凍をすることで、解凍後の食品の質は激変します。

きちんとした冷凍とは、解凍しても味が落ちないこと。それを可能にしたのが、急速冷凍技術です。従来の冷凍との違いは、冷却の仕方にあります。

食品中の70~80%を占めているのが水分。この水分が氷になる際に体積が膨張して、食品の細胞内に大きな氷の結晶ができてしまいます。すると、食品内の細胞が破壊されてしまい、解凍時に味が落ちるという現象が起こります。

しかし、水から氷になる温度帯をできるだけ短い時間で通過できれば、細胞組織が破壊されずに凍結することができます。水から氷に変わる温度帯(-1℃~-5℃)を最大氷結晶生成温度帯と呼ぶのですが、この温度帯を30分以内に通過することができれば、食品の品質は劣化しません。

最大氷結晶温度帯
※引用 一般社団法人日本冷凍食品協会

一気に冷却させることで、味や食感、さらには栄養までも冷凍前と変わらない状態に戻すことができます。

基本的に生の葉物と果物以外、ほぼ全ての食品が冷凍可能です。解凍時にドリップが発生しないので、調理済みの食品だけでなく生の肉や魚も、そのままの美味しさを再現することができます。

その味には定評があり、漁業組合、水産加工会社、和・洋菓子店、和牛販売店、冷凍寿司メーカーなど、食品に携わる多方面の方々から絶大な支持を受けています。

目からウロコ!急速冷凍でロスをなくして利益をゲット

生鮮食品を扱う上で最大の問題、それはやはりコスト管理が難しいこと。

生鮮食品なのだから廃棄が出るのは当たり前。人件費がかかるのは当たり前。仕入れ値によって赤字になるのは当たり前。

何でも当たり前と思って、目をそらしていませんか?

急速冷凍をすることで、今までできなかったことが可能になります。

廃棄食品をなくすことができたら…

仕入れの関係で、余ってしまう食品や捌くことができない食品がでてきます。食品衛生上、次の日に使うことが難しければ捨てざるをえません。

しかし、急速冷凍をして保存すれば、次の日も次の週も使うことができます。数十年という長い期間でさえ保存することが可能です。もちろん、長期保存したからといって品質が落ちることはありません。

スタッフの人数を減らすことができたら…

各店舗に必要なスタッフは決まっています。一ヶ所に集中させて調理し、調理済みの食品を急速冷凍して店舗に流通させることで、各店舗に必要な人数を減らすことができます。

さらには、設備・用具代や電気代などの光熱費も削減することもできます。

通年で安定的に仕入れることができれば…

生鮮食品は収穫量が多い時期と少ない時期があり仕入れ価格が安定しないため、赤字になることがあるはずです。安い時期に多く仕入れ急速冷凍して保存すれば、値段が上がった時期に回すことができます。

仕入れ値の乱高下に振り回されることがなくなります。禁漁期間のある魚介類や山菜など、特定の期間しか流通されない食品も、通年で供給することが可能です。

現時点で無駄なロスは何なのか、省きたいロス、省くことができるロスはどのくらいあるのかをきちんと把握することで、利益につながるヒントがでてくるはずです。

気になる!急速冷凍機のアレコレ

「急速冷凍のことは分かったけど、イメージしづらい」と思われている方は、大勢いるのではないでしょうか。

急速冷凍という言葉ばかりが先行しすぎて、どのような機械かピンとこない方もいるでしょう。とは言っても、形体は業務用冷凍庫のようなもの。
しかし、普通の冷凍庫と比べると内部の機能は高性能になっています。

急速冷凍の機械は大きく二つに分けて、冷風で食品を凍らすエアーブラスト方式と、低温の液体に食品を漬けて凍らすブライン方式(リキッド方式)があります。

急速冷凍機の種類

さらに、磁場や電磁波を用いた機械や、オーダーメイドに対応した機械など、様々な種類に分かれています。

それぞれに優れている点があり、扱いやすさや凍結スピードに差があります。この食品はこの機械で凍結させるべき、と一概には言えないので、凍らせたい食品にとって最適な機械を選択しなければなりません。

大きさもピンからキリまであり、用途によって選ぶことができます。飲食店で使う小型機から大規模工場で使う大型機まであり、トンネル型やスパイラル型のようなコンベアと接続して自動化できるタイプもあります。

大型の機械になると配管工事が必要となりますが、小型の機械だと家庭用冷蔵庫約2台分のスペースと電源があれば設置できます。

そして気になるのが値段。値段は150~300万円くらいから、高額な機械だと億単位のものまであります。値段が高ければ優れているわけではありません。

冷凍に何を求めるかが、機械を選ぶうえで一番大切な判断基準となります。
急速冷凍機と銘打っていても、確かな性能を持ち合わせていない機械も出回っているのが現状です。

正しい情報を集め、最適な機械はどれなのかを吟味する必要があります。

まとめ

安いだけ、美味しいだけ、それではお客は満足しない時代です。

品質とコスト、二つの問題を解決することで、今以上の成果を上げることができます。

さらなる挑戦として、急速冷凍機の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

 

この記事の監修者

木下 昌之

デイブレイク代表
木下 昌之

70年続く老舗冷凍機屋の3代目。2013年、特殊冷凍テクノロジー×ITを軸に国内唯一の特殊冷凍機の専門会社としてデイブレイクを創業。各種メディアや書籍「フードテック革命」にてフードテック企業の代表格として紹介されるなど、「急速冷凍」をコアに食品流通業界の根本改革に邁進中。

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