急速冷凍技術とは?メリットや急速冷凍機の種類、急速冷凍機の選び方を解説

こんにちは。急速冷凍機の厳選比較サイト「春夏秋凍」のライターチームです。
ますます熾烈を極める飲食店業界において、美味しさとコスト削減の両方を叶えてくれる夢のような技術があることをご存知ですか?その技術は、”急速冷凍技術”です。
急速冷凍を使えば、味や食感を長期間保つことができます。品質を守りながら、生鮮食品を扱う上で難点となる、コストの問題を解決することができるようになります。
目次
大解説!急速冷凍の美味しさ
食品を冷凍する時に、何か気を付けていることはありますか?
ただ冷凍しているとしたら、それは要注意です。冷凍すれば長期間の保存ができる反面、味の劣化を招いてしまいます。
食品はとてもデリケート。冷凍庫にポンと冷やしておけばいいというわけではなく、食品に合った方法で冷凍しなければ、食品本来の美味しさが失われてしまいます。きちんとした冷凍をすることで、解凍後の食品の質は激変します。
きちんとした冷凍とは、解凍しても味が落ちないこと。それを可能にしたのが、急速冷凍技術です。従来の冷凍との違いは、冷却の仕方にあります。
食品中の70~80%を占めているのが水分。この水分が氷になる際に体積が膨張して、食品の細胞内に大きな氷の結晶ができてしまいます。すると、食品内の細胞が破壊されてしまい、解凍時に味が落ちるという現象が起こります。
しかし、水から氷になる温度帯をできるだけ短い時間で通過できれば、細胞組織が破壊されずに凍結することができます。水から氷に変わる温度帯(-1℃~-5℃)を最大氷結晶生成温度帯と呼ぶのですが、この温度帯を30分以内に通過することができれば、食品の品質は劣化しません。

※引用 一般社団法人日本冷凍食品協会
一気に冷凍させることで、味や食感、さらには栄養までも冷凍前と変わらない状態に戻すことができます。
基本的にほぼ全ての食品が冷凍可能です。解凍時にドリップが発生しないので、調理済みの食品だけでなく生の肉や魚も、そのままの美味しさを再現することができます。
その味には定評があり、精肉・水産加工会社、飲食店、食品メーカーなど、食品に携わる多方面の方々から絶大な支持を受けています。
急速冷凍と緩慢冷凍の違い
急速冷凍と緩慢冷凍には、凍結スピードに違いがあります。急速冷凍は凍結スピードが速いのに対し、緩慢冷凍は凍結スピードがゆっくりです。
急速冷凍も緩慢冷凍も体積は膨張します。水分はくっつきやすいため、時間をかけて冷凍するとくっついて大きな塊となり、大きな氷結晶となります。大きくなった氷結晶は細胞組織を破壊してしまうため、緩慢冷凍だと品質が劣化してしまうのです。一方、急速冷凍は、食品内の水分が凍る温度帯を素早く通過するので、水分がくっつく前に冷凍でき、小さい氷結晶のまま冷凍ができます。そのため、急速冷凍では細胞破壊を限りなく防げます。
※関連記事:【急速解凍or緩慢解凍】迷ったら読むべき解凍方法まる分かりガイド
目からウロコ!急速冷凍でロスをなくして利益をゲット
生鮮食品を扱う上で最大の問題、それはやはりコスト管理が難しいこと。生鮮食品なのだから廃棄が出るのは当たり前。人件費がかかるのは当たり前。仕入れ値によって赤字になるのは当たり前。
何でも当たり前だと思って、目をそらしていませんか?急速冷凍をすることで、今までできなかったことが可能になります。
廃棄食品をなくすことができたら…
仕入れの関係で、余ってしまう食品や捌くことができない食品が出てきます。食品衛生上、次の日に使うことが難しければ捨てざるをえません。
しかし、急速冷凍して保存すれば、次の日も次の週も使うことができます。もちろん、長期保存したからといって品質が落ちることはありません。
※関連記事:廃棄ロスにかかる費用はいくら?食品ロス削減への対策もご紹介
※関連記事:食品製造における廃棄ロスと賞味期限に対する施策
人件費を減らすことができたら…
各店舗に必要なスタッフは決まっています。一ヶ所に集中させて調理し、調理済みの食品を急速冷凍して店舗に流通させることで、人手不足の解消や、店舗ごとの省人化に貢献します。さらには、設備・用具代や電気代などの光熱費も削減することもできます。
通年で安定的に仕入れることができれば…
生鮮食品は収穫量が多い時期と少ない時期があり仕入れ価格が安定しないため、赤字になるケースもあります。安い時期に多く仕入れ急速冷凍して保存すれば、値段が上がった時期に回すことができます。
仕入れ値の乱高下に振り回されることがなくなります。禁漁期間のある魚介類や山菜など、特定の期間しか流通されない食品も、通年で供給することが可能です。現時点で無駄なロスは何なのか、省きたいロス、省くことができるロスはどのくらいあるのかをきちんと把握することで、利益につながるヒントがでてくるはずです。
余分な添加物を使わずにいられたら
急速冷凍は、適切な保管方法であれば、添加物を使わずとも高クオリティを保てるメリットがあります。食品の細胞破壊を防げるため、時間の経過とともに味の劣化や変色、形崩れなどが起きません。保存料や着色料、安定剤、防腐剤といった添加物を使わずに、品質が保持できます。健康面でもメリットがある商品を開発できるでしょう。
ただし、急速冷凍は保管技術ではないため、適切な保管をしないと通常の冷凍同様品質は劣化していきます。適切な保管をしない場合において急速冷凍は、冷凍時のクオリティが高いため、通常の冷凍や冷凍時に劣化している緩慢冷凍と比べると少し長持ち(美味しく食べられる期間が長い)する程度になります。
生産性が向上できたら
急速冷凍は、食品内の水分が氷結晶に変わる-1℃〜-5℃の温度帯を急速に通過する凍結方法です。冷凍にかかる時間が短いため、短時間で多くの食品を冷凍できます。そのため、生産性の向上が期待できるでしょう。
気になる!急速冷凍機のアレコレ
「急速冷凍のことは分かったけど、イメージしづらい」と思われている方は、大勢いるのではないでしょうか。急速冷凍という言葉ばかりが先行しすぎて、どのような機械かピンとこない方もいるでしょう。とは言っても、形態は業務用冷凍庫のようなもの。しかし、普通の冷凍庫と比べると内部の機能は高性能になっています。
急速冷凍の機械は大きく二つに分けて、冷風で食品を凍らすエアーブラスト方式と、低温の液体に食品を漬けて凍らすブライン方式(リキッド方式)があります。

さらに、磁場や電磁波を用いた機械や、オーダーメイドに対応した機械など、様々な種類に分かれています。
それぞれに優れている点があり、扱いやすさや凍結スピードに差があります。この食品はこの機械で凍結させるべき、と一概には言えないので、凍らせたい食品にとって最適な機械を選択しなければなりません。
大きさもピンからキリまであり、用途によって選ぶことができます。飲食店で使う小型機から大規模工場で使う大型機まであり、トンネル型やスパイラル型のようなコンベアと接続して自動化できるタイプもあります。
大型の機械になると配管工事が必要となりますが、小型の機械なら家庭用の電源でも設置できます。そして気になるのが値段。値段は100〜300万円くらいから、高額な機械だと億単位のものまであります。冷凍品質や生産性は、値段が高いほど優れている傾向にあります。
冷凍に何を求めるかが、機械を選ぶうえで一番大切な判断基準となります。急速冷凍機と銘打っていても、確かな性能を持ち合わせていない機械も出回っているのが現状です。正しい情報を集め、最適な機械はどれなのかを吟味する必要があります。
急速冷凍機の種類と技術
急速冷凍機の代表的な種類として、冷風で食品を凍らせるエアブラスト方式、低温の液体に食品を漬けて凍らせるブライン方式(リキッド方式)があります。それぞれについて、解説します。
冷風で食品を凍らせるエアブラスト方式
エアブラスト方式は、もっとも認知度が高い方式の1つです。冷風を直接吹きつけることで食材の熱を奪います。品質については、低価格のものだと乾燥しやすいので品質を求めるなら乾燥を防ぎながら急速冷凍できる製品が必要です。
低温の液体に食品を漬けて凍らせるブライン方式(リキッド方式)
ブライン方式(リキッド方式)とは、アルコール液などを使用して冷凍する技術です。アルコール液の中に真空パックした食品を漬け込んで冷凍します。
※関連記事:【最新版】5分で分かる!「急速冷凍機の種類」最適な急速冷凍機を見つけるには
急速冷凍機の導入前にチェックすべき項目
急速冷凍機を導入する際は、コストや衛生面、設置場所などをチェックしましょう。
急速冷凍機の導入コストと効果
急速冷凍機は、100万円前後から品質が高いものだと400万円以上になることもあり、価格帯には幅があります。急速冷凍機の性能は、基本的には価格に比例します。しかし、急速冷凍機の値段だけを気にして選ぶと生産量が足りず、想定した売り上げを作れなかったり、冷凍時間が長くなり、人件費がかさんでしまったりすることも考えられます。
また、電気代や保守費用などのランニングコストもかかります。導入や運用にかかるコストと効果を加味して、選ぶことが重要です。
扱っている製品と冷凍方法の相性
急速冷凍は、凍らせたい食品に合った機械を導入することが重要です。冷凍方法により、品質、扱いやすさ、凍結スピードに違いがあります。品質だけ良くしても、保管や解凍の方法が食品に適していないと、提供品質が低下しかねません。急速冷凍機は、冷却方法のみでなく、保管方法・解凍方法といったオペレーションも踏まえて選びましょう。
衛生面
急速冷凍機の導入に際しては、衛生面の取り組みや対策も確認しましょう。-18℃でバクテリア(微生物)の活動が停止しますが、あくまでも活動が停止するだけで、死滅するわけではありません。食品を冷凍する過程で細菌が入り込むと、食中毒の原因になります。冷凍する前の状態が衛生的であるかも重要なポイントです。
設置場所
導入を検討する店舗や工場によって、設置できるサイズが異なります。どれほどのサイズまで設置できるかを確認し、選定しましょう。例えば、小規模な飲食店では、限られたスペースで効率よく機器を設置することが求められるでしょう。そのため、コンパクトで性能が高い急速冷凍機が適しています。
※関連記事:急速冷凍機とは|種類やメリット・選び方・おトクな導入方法も解説
まとめ
安いだけ、美味しいだけ、それではお客様は満足しない時代です。品質とコスト、二つの問題を解決することで、今以上の成果を上げることができます。
さらなる挑戦として、急速冷凍機の導入を検討してみてはいかがでしょうか。デイブレイク株式会社は、複数の急速冷凍機メーカーの取り扱いがある、急速冷凍機売上シェア1位の会社です。急速冷凍機の販売のほか、レシピ開発やオペレーション提案などのサポートも含めた提案をいたします。詳しくは、以下からお問い合わせください。