漁港の活気を味わう大阪・泉佐野の新名所「泉州漁港食堂 きくのや」で、鮮度が命の生シラスメニューの安定提供を実現
大阪・泉佐野に2024年10月末、新たな魅力的スポットがオープンしました。「泉州漁港食堂 きくのや」は、漁港の雰囲気をそのまま味わえる飲食店として多くの注目を集めています。来春にはシーサイドエリアにバーベキューサイトがオープン予定で、さらなる魅力が加わります。本記事では、急速冷凍機を活用することで、鮮度維持が難しい生シラスメニューの安定供給を実現した「泉州漁港食堂 きくのや」の事例をご紹介します。
基本情報
会社名:株式会社 菊乃家
都道府県:大阪府
業種:飲食店
凍結品目:生シラス
品質面での課題:従来の冷凍(緩慢冷凍)では、釜揚げシラスのように色が白く変わり、苦味が出ることが課題
ビジネス面での課題:鮮度維持が難しく、毎日漁れるとは限らない生シラスメニューの提供の実現
導入機種:アートロックフリーザー
急速冷凍機導入を検討した経緯:鮮度が命の生シラスの安定供給を可能に
大阪・泉佐野に2024年10月末にオープンした「泉州漁港食堂 きくのや」は、地元の新鮮な魚料理が味わえる飲食店です。「きくのや」が立地する泉佐野の漁港エリアは、これまで漁業関係者以外が手をつけることが難しい場所でした。しかし、近年では漁港を活用した地域活性化の取り組みが進み、その一環で同店の開業が実現。店内からは漁船が並ぶ様子や釣りを楽しむ人たちが見え、その背景には大阪湾が広がり、漁港ならではの臨場感を楽しめます。新鮮な魚介料理を漁港の雰囲気の中で味わえるとして、多くの注目を集めています。
「きくのや」では、開業に向けた店舗設計にあたり、足(鮮度劣化)が早い鮮魚を安定的に提供するために、急速冷凍機の導入を検討。特に、漁港付近でしか食べられない「生シラス」を定番メニューとして提供するために、生の状態への再現性が高い急速冷凍機を探していました。
導入に向けた検証ー見た目も味もとれたてを再現
生シラスは鮮度劣化が早く、水揚げ後1日から2日経つと味が大きく落ちてしまいます。鮮度がいい状態を保とうと従来の冷凍技術(緩慢冷凍)で凍結すると、釜揚げシラスのように色が白く変わり、苦味が出ることが課題でした。最適な急速冷凍機の導入に向けてショールームで凍結テストを実施したところ、様々な急速冷凍機の中でも「アートロックフリーザー」で、これらの問題を解消できること確認。解凍後もシラスの透明度が高く、食感もしっかりとした身の状態を維持。解凍方法にもこだわり、真空状態で前日から氷水解凍を行うなど、細やかな調整を行うことで、限りなく生に近い味わいを実現できました。
導入で実現したことー漁港付近でしか食べられない希少な生シラスメニューの安定供給を実現
鮮度維持が難しく毎日漁れるとは限らない生シラスは、漁港付近など食べられる場所が限られ、安定的に提供することが難しいとされています。そのような中、水揚げされたシラスを急速冷凍することで、安定供給を実現。毎日新鮮な生シラスメニューを提供できるようになりました。冷凍技術があるからこそ成り立つ高付加価値なメニューとして、より多くのお客様に味わっていただきたいと店主の菊川氏はコメントしています。
今後の展望ー地域密着の新たな挑戦
来春には、「きくのや」のバーベキューサイトをオープンさせる予定です。新鮮な魚介類を生簀から取り出してその場で焼いたり、地元産のお肉も楽しめるようにしたりと、幅広いメニューを計画中。冷凍技術を活用してホタテやエビなどの海産物を保存・提供するアイデアも模索しており、地元の食材をより多くの人に届けたいという思いが込められています。また、関西国際空港から車で10分という立地の良さを活かし、インバウンド観光客へのアプローチも検討されています。特に平日には観光客を呼び込むための仕掛けを考えています。
「きくのや」は、大阪中央市場から毎朝仕入れた新鮮な魚介類や地元産の素材を使い、訪れる人々に漁港の魅力を伝えています。鮮度維持が難しい海産物に冷凍技術を活用することで、より安定した提供が可能となりました。漁港の活気と地域の魅力を楽しむことができる新たな観光拠点として、これからも冷凍技術を活かした取り組みや、新たな展開が期待されます。